キリスト教徒でなくても「アヴェ・マリア」(スペイン語では Ave María)の語句を知らない日本人はいないだろう。しかしながら、「アヴェ」(Ave)の意味を知っている人はそう多くはあるまい。スペイン語には ave という普通名詞がある。意味は「鳥」だが、「アヴェ・マリア」が「マリア鳥」では訳が分からない。
「アヴェ・マリア」とはラテン語で直訳すると「こんにちは、マリア」または「おめでとう、マリア」を意味する言葉だそうである(ウィキペディア「アヴェ・マリア」)。
Ave には「こんにちは」、「おめでとう」等の意味がある言葉ということだが、ハワイ語では Aloha に相当するだろうか。まさか、ハワイ語で「アヴェ・マリア」の祈りが「アロハ・マリア」になっているわけではないだろうが。
さて、スペイン語では Ave María は間投詞としても使われる。驚き、おびえ、不快の念を表し、「おやおや、まあ、おお怖い、嫌だな」という訳語が充てられる。Ave を小文字にして ave María とも綴られる。avemaría と一語になると、「アベマリアの祈り、天使祝詞:キリスト受胎の秘儀に対するラテン文の感謝の祈りの最初の言葉」、「ロザリオの小玉」、「アンジェラス、お告げの祈り」という意味の普通名詞になる。
さらに、Ave María は「ごめんください」という意味でも使われていた。さすがに現在ではこの意味では使われていないようだが。Ave María だけではちょっと寂しいので、「純粋無垢の」の意味の purísima という語を付け加えて、Ave María Purísima とも言っていた。
ところで、マリア様はいろいろな所に現れたようで、ラテン・アメリカではメキシコの Guadalupe に現れたマリア様が有名である。カトリック教会公認で、Virgen de Guadalupe(グアダルーペの聖母)という名前で親しまれている(ウィキペディア「グアダルーペの聖母(メキシコ)」参照)。
絵を見てもわかるように、グアダルーペの聖母は「褐色の肌の聖母」として親しまれている。
Guadalupe という名前は女子名としてよく使われるが、男子名としても使われることがある。やや長いので、愛称として Lupe という形になり、これに縮小辞がついて Lupita (女子名)や Lupillo (男子名)になったりする。
筆者は Lupe という形は高校2年生のとき、ライチャス・ブラザーズ(Righteous Brothers)の「リトル・ラテン・ルーペ・ルー(Little Latin Lupe Lu)」という曲の中で Lupe という語を知った。歌詞の内容からすると、女子名だろうとアタリをつけていたが、後日、正解だったことを知る。
それはともかく、コスタリカで「ごめんください」の意味で使われる”Upe”ということばは、このグアダルーペのマリアに由来するそうである(「コスタリカ再訪(194)Upe」参照)
さて、1920年刊行のカルメン・リラ著“Cuentos de Mi Tía Panchita”(パンチータ伯母さんのお話)の中の一話に、ある男が地獄に行って悪魔どもを訪問する話がある。そこで"Ave María Purísima"と声をかけるわけだが、この挨拶は悪魔どもには「この野郎」とでも言われているように感じられたという一節があった。同じ男が天国に行って、ある場所で"Ave María Purísima"と言ったら、たまたまそのあたりにマリア様ご本人がいて、自分のことを呼ばれたものと思い、出てきたという一節もあった。
「アヴェ・マリア」とはラテン語で直訳すると「こんにちは、マリア」または「おめでとう、マリア」を意味する言葉だそうである(ウィキペディア「アヴェ・マリア」)。
Ave には「こんにちは」、「おめでとう」等の意味がある言葉ということだが、ハワイ語では Aloha に相当するだろうか。まさか、ハワイ語で「アヴェ・マリア」の祈りが「アロハ・マリア」になっているわけではないだろうが。
さて、スペイン語では Ave María は間投詞としても使われる。驚き、おびえ、不快の念を表し、「おやおや、まあ、おお怖い、嫌だな」という訳語が充てられる。Ave を小文字にして ave María とも綴られる。avemaría と一語になると、「アベマリアの祈り、天使祝詞:キリスト受胎の秘儀に対するラテン文の感謝の祈りの最初の言葉」、「ロザリオの小玉」、「アンジェラス、お告げの祈り」という意味の普通名詞になる。
さらに、Ave María は「ごめんください」という意味でも使われていた。さすがに現在ではこの意味では使われていないようだが。Ave María だけではちょっと寂しいので、「純粋無垢の」の意味の purísima という語を付け加えて、Ave María Purísima とも言っていた。
ところで、マリア様はいろいろな所に現れたようで、ラテン・アメリカではメキシコの Guadalupe に現れたマリア様が有名である。カトリック教会公認で、Virgen de Guadalupe(グアダルーペの聖母)という名前で親しまれている(ウィキペディア「グアダルーペの聖母(メキシコ)」参照)。
絵を見てもわかるように、グアダルーペの聖母は「褐色の肌の聖母」として親しまれている。
Guadalupe という名前は女子名としてよく使われるが、男子名としても使われることがある。やや長いので、愛称として Lupe という形になり、これに縮小辞がついて Lupita (女子名)や Lupillo (男子名)になったりする。
筆者は Lupe という形は高校2年生のとき、ライチャス・ブラザーズ(Righteous Brothers)の「リトル・ラテン・ルーペ・ルー(Little Latin Lupe Lu)」という曲の中で Lupe という語を知った。歌詞の内容からすると、女子名だろうとアタリをつけていたが、後日、正解だったことを知る。
それはともかく、コスタリカで「ごめんください」の意味で使われる”Upe”ということばは、このグアダルーペのマリアに由来するそうである(「コスタリカ再訪(194)Upe」参照)
さて、1920年刊行のカルメン・リラ著“Cuentos de Mi Tía Panchita”(パンチータ伯母さんのお話)の中の一話に、ある男が地獄に行って悪魔どもを訪問する話がある。そこで"Ave María Purísima"と声をかけるわけだが、この挨拶は悪魔どもには「この野郎」とでも言われているように感じられたという一節があった。同じ男が天国に行って、ある場所で"Ave María Purísima"と言ったら、たまたまそのあたりにマリア様ご本人がいて、自分のことを呼ばれたものと思い、出てきたという一節もあった。