スパニッシュ・オデッセイ

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コスタリカのイスラム教徒とユダヤ教徒

2014-03-29 10:51:38 | スペイン語
  前回、サンホセ市の語学学校の名前が Conversa ということについて書いた。conversa とは converso (主にイスラム教とユダヤ教からの改宗者)の女性形でもある。
 コスタリカはカトリックを国教としていて、大多数がカトリックである。現在、国教を定めている国はあまり多くない。その多くがイスラム教国である。キリスト教国ではカトリック以外の宗派を含めても意外と少ない。イタリアやスペインなどはカトリックが国教であってもよさそうなものだが、今は国教ではない。ラテンアメリカでもカトリックを国教としている国はアルゼンチンとコスタリカぐらいのものである(ウィキペディアによる)。
 コスタリカではカトリックが国教とはいっても、信教の自由はある。もちろん、イスラム教やユダヤ教を奉じても問題はない。
 ユダヤ人はともかく、コスタリカにはイスラム教徒は皆無ではないにしても、ほとんどお目にかかれない。イラン人がいるらしいが、コスタリカ国民になっているかどうか不明である。ユダヤ人は結構いるらしい。宝石屋はだいたいユダヤ人経営のようだ。英語では「宝石」は jewel で、「ユダヤ人」は Jew なので、語源に関連があると考える人も多いようであるが、実は無関係らしい。スペイン語では「宝石」は joya で、「ユダヤ人」は judío で、英語ほどは形が似ていない。当然、語源も無関係である。手元のスペイン語辞書によると joya はスペイン語の動詞 jugar (遊ぶ)やその名詞形の juego (遊び)と関係があるそうである。金持ちが宝石をじゃらじゃら鳴らして遊んでいたのだろうか。そういえば、かつて、ビートルズのジョン・レノンがあるコンサートで、「金持ちは宝石をじゃらじゃら鳴らしてください」と客席に向かって言ったとのエピソードがある。
  ユダヤ人 宝石ジャラジャラ 遊ばない 
 juego には「(食器などの)一式」という意味もある。ダイヤモンド(diamante)、ルビー(rubí)などの宝石(joya)一式とかんれんづけたらいいのかもしらn
それはともかく、コスタリカのユダヤ人はユダヤ教を守り通しているのだろうか、それとも多くは converso (改宗者)になっているのだろうか。

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語学学校に通う(2)

2014-03-29 10:50:39 | コスタリカ
 サンホセの市街地にある語学学校に通い始めたのは8月下旬である。この時期は雨季(正式には estación lluviosa というが、なぜか invierno 「冬」と言っていた。乾季は verano 「夏」というのだが、実際の気温は「冬」の方が「夏」より高い)の真っただ中である。雨季とはいっても、一日中降っているわけではない。朝はカラッと晴れていて、昼過ぎると、ムシムシしてきて、それから突然の豪雨が襲ってくる。ただし、時間はそう長くはない。夕方には雨も上がり、日も射し、すがすがしい。
 というわけで、午前中の通学は問題ない。学校も昼には終わるので、雨が降る前にさっさと帰宅する。帰宅してから、昼食を取っていたはずである。この時期、あまり外食した覚えはない。
 さて、語学学校の名前は Conversa といった。
 
 【Conversa のホームページより】
 会話中心の学校だったので、名前も conversación (会話)から取ったのだろうと思っていた。辞書を見ても、conversa という普通名詞がある。意味は「雑談、無駄話」となっている。また、conversa は動詞 conversar(会話する。英 converse)の直説法現在3人称単数の活用形「彼(彼女)は会話する」、または命令法2人称単数の活用形「会話せよ」である。語学学校であれば、この線からの命名と考えるのが妥当なところだろう。
 ところが、最近、converso という語を知った。意味は「(イスラム教やユダヤ教から)キリスト教への改宗者」という意味である。conversa はその女性形でもある。ひょっとしたら、この学校の経営者はキリスト教への改宗者(女性)だったのかと深読みしている次第である。


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