オバサンは熱しやすく涙もろい

とてつもなくミーハー。夢見るのはお気楽生活

「アイム・ノット・ゼア(I’m Not There)」

2008-04-28 01:43:38 | 映画・DVD【あ】


実はワタクシ、ボブ・ディランについての知識は全くと言っていいほどございません。
だもんで、そう言った意味ではこの映画・・・ワタクシにとってはちょっとキツイ映画でございました。

勿論彼の名前はよく耳にしますし、歌も何曲かは耳にしたことがありますが、プログラムで和久井光司氏や浦沢直樹氏が語るように「ファンである僕たちには御馴染みのネタがちりばめられていてわかりやすいのだけれども、一般的にはわかり辛いかも」という作りになっているのです。
これは決してワタシがオバカで理解力に欠ける・・・というだけではないと思われるのです。

6人の俳優(ベン・ウィショー、マーカス・カール・アフランクリン、クリスチャン・ベイル、ヒース・レジャー、ケイト・ブランシェット、リチャード・ギア)が演じる、時代も人種も違う、一見なんの繋がりもなく見える6つのストーリーは、実はデビュー前からのディランのイメージを、モデルに投影し描いたもの。
この6つのストーリーの紡ぎ方がワタシには難解で・・・(汗)、物語に入り込めなかった原因のひとつかと思われます。
ただ彼は一粒の種が何処かの土地に根付き、その土地に順応しながら成長していく・・・というタイプの人間ではないのだということはよくわかりました。
それから今もなお音楽シーンに多大な影響を与えている偉大なアーティストだということも。



彼の歌声は決して心地よいものではなかったけれど、何かこう心を揺さぶるような響きは感じられました。
でも「吟遊詩人」と呼ばれる彼の詞が日本語に訳されてしまうと、微妙なニュアンスを伝えることができないと思うのですよね(こういう時、英語が出来ないのが悔やまれます・・・)。
それでもちりばめられた詩的なセリフの中にも(勿論訳されたもの)、ちょっと感動するものがありましたね。

ボブ・ディランなんて全く知識がないと言いながら、何故この映画を見ようと思ったのかというと、クリスチャン・ベイルとケイト・ブランシェットと今は亡きヒース・レジャーの演技が見たかったから。あ、ベン・ウィショーも興味はありました。

それぞれを演じた俳優たちの演技はやっぱり素晴らしかったです。
ワタシが最後までこの映画を見れたのは、彼等の演技があったからこそ。
どの俳優もよかったのですが、ワタクシ個人としてはベイルの姿が本物のシンガーに見えて、なんだかぞくぞくするような色気を感じましたね。
モノクロ写真もよかったです。彼はモノクロの映像が似合う人なんだ~~と新たな発見。
ケイト・ブランシェットも中性的な雰囲気をうまくかもし出していたと思います。むしろベン・ウィショーの方が女性的でした(笑)。



ヒース・レジャーの姿は・・・見たら泣いちゃうだろうなあと思っていたのですが、涙は出ませんでした。
彼の姿をぼんやり見ていたら・・・何故かこの撮影をしていた頃の彼はとっても辛く孤独だったのではないかなあと思えてきて(死んでしまったからそう感じただけなのかも知れませんが)胸が苦しくなりました。
スクリーンに映し出されたヒースは、物分りのいい大人とやんちゃな少年を混在させ、不思議な魅力を放っておりました。

この肉体がこの才能がもうこの世には存在しないのかと思うとやはり辛い・・・。そして未だに信じられない自分がおります。
この映画をきっかけに、また彼の作品を見ることが出来るようになればいいなあと思っていたのですが、まだしばらくはムリそうです・・・自分にはね・・・。
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14 コメント

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あたしは (miyu)
2008-04-28 11:45:20
悲しみに浸りだすと抜け出れなくなるので
出来るだけその外側を通ることにしています。
現実逃避かもしれません。
だから、dimさんと同じようにまだ受け入れられてないのかもしれませんね。
映画のほうはイマイチ理解できず残念でしたけど、
↑のポスターのヒース素敵すぎます~♪
答えは風に吹かれて・・いるのか? (PTD)
2008-04-28 21:37:55
あっちゃー
こんばんは。見てきましたか。
私もディランはよくわからないクチでして・・・
昔コンサアトも行きましたけど目当ては彼じゃなかったし。
でも偉大な詩人であることは間違いないらしいです。

クリスチャン君やヒース君がでてますから、私もこの映画は見に行きたいと思ってます!
>物分りのいい大人とやんちゃな少年を混在させ、
>不思議な魅力を放っておりました。
彼は亡くなってもスクリーンの中で生き続けるんですね、永遠に。
Unknown (shit_head)
2008-04-28 22:32:19
これはよくわかんないけどスゲー話題になってますね。
ラジオで取り上げられまくってますよね。

ディランっつったらさ、やっぱ「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」ですよね。
アレはマジで名曲ですよ。
泣けますよ!
色んなアーティストにカバーされてるよね。

あと、ハリケーンね。
殺人の冤罪で投獄された実在のボクサー、ルービン・カーターさんの事を書いた曲。
これもたまんないっす。
確かルービンさんの話はデンゼル主演で映画化されたはずっす。

ミスター・タンブリンマンとか超絶ですよ。
歌詞シビれますよ。
観てきました♪ (DD)
2008-04-30 00:42:12
こんばんは。
ワタシもボブ・ディランというより、出演している俳優さんに惹かれて観に行ったクチです。
スゴクたくさんの曲が流れて、知ってる曲より知らない曲のほうが多かったですが、聴いている分には

>何かこう心を揺さぶるような響きは感じられました。

でしたね~。俳優さんたちの演技も良くて、特に思い入れが深い俳優さんのシーンでは勝手に萌えたり、胸に込み上げてくるものを押さえたりしながら・・・でも、ワタシ、4回くらい意識を失ってました。(殴打)
上で話題にされている「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」が流れたときは、ティル・シュヴァイガーの映画のことを思い出してたし!
今回の上京では、これ以外に「パラノイドパーク」「つぐない」「ジェイン・オースティンの読書会」を観て、作品的にはそれらのほうが印象に残ってる気がするんですが、ずーーーーーっと頭の中をグルグルしてるのは、この映画で流れた曲なんです。(笑)
Unknown (dim)
2008-04-30 17:07:52
miyuさん、こんにちは。

>悲しみに浸りだすと抜け出れなくなるので
出来るだけその外側を通ることにしています。

よくわかります。
ワタシもそんな感じです。
ちょっと自分をごまかしているというか。

ヒースのポスター素敵ですよね。
ワタシはベイルのポスターも気に入ってます。
しかし・・・映画を見て惜しい人を亡くしたってこういうことを言うんだなあって思いましたわ、本当に。

映画はちょっとワタシにはマニアック過ぎましたわ・・・。勉強不足ってのもあるんでしょうけれど。
なんというか (dim)
2008-04-30 17:17:04
PTDしゃま、コンニチハ。

>答えは風に吹かれて・・いるのか?

ワタシにはそれすらわかりませんでした・・・(汗)。
まあこれがワタシの大好きな聖飢魔Ⅱの話だったら楽しめたと思うのですが、ディランについては何一つ知りませんからね~~。
マニア向けの映画ですよね、こりゃ。

俳優陣は魅力的だったのですがね~~話が自分の中でうまく繋がらなくて、ぶつ切り状態。
オムニバスにしろとは言わないけれど、もっとなんとかならんかったの?と思ったけれど、ディランはこれでオッケー出したと言うしねえ・・・。
感想が聞きたい! (dim)
2008-04-30 17:28:32
shit_headちゃん、どうもです。

あ、これ話題になっているの?
自分はベイルとヒースが出るなら見ないとアカンと思って観に行ったのですが。
shitちゃんディランフリークだとは知りませんでした。
これはshitちゃんの感想が聞いてみたいな~~。
是非観てみて~~。

「ザ・ハリケーン」はデンゼル好きですから勿論見ましたよ~~。デボラ・カーラ・アンガーも好きなので、オイラとしちゃはずせませんよ~~ん。
でも曲は知りません。
聴いたことあるかなー(汗)。
実を言いますと (dim)
2008-04-30 17:34:59
DDさん、こんにちは。

実を申しますと、ワタシも冒頭の方で一回だけ意識を失いました。

聴いたことがある曲もありましたけれど、殆ど知りませんでした(汗)。
そんなワタシがディランの映画に行くこと自体が間違っていたのでしょーか?
なかなか物語に入り込むことが出来ず・・・でもケイト・ブランシェットが出てくるあたりからは面白いなあと思って観ていましたけれど。
最終的に離婚してしまう映画俳優の役だったヒースは、実際の彼の姿とちょっとだぶったりして・・・なんだか観ていて悲しくなっちゃいました。
まあ色々な意味で悲しかったですね。

>今回の上京では、これ以外に「パラノイドパーク」「つぐない」「ジェイン・オースティンの読書会」を観て、作品的にはそれらのほうが印象に残ってる気がするんですが

おわ~~~!!
すごい観てますね。
ワタシは「つぐない」しか観ていませんわ・・・。
「ジェイン・オースティンの読書会」ワタシもとっとと観に行かないと(汗)。
Unknown (シュエット)
2008-04-30 23:53:58
dimさん、TBもってきました。
>この6つのストーリーの紡ぎ方がワタシには難解で

私も娘と観にいって、私はあの時代の感覚をもってこんな映像とか、次々変わっていく分身たちのシーンがビンビン響いてきたんだけれど、娘とか私よりもっと若い世代って、このめまぐるしく変わる映像って感覚的にはピンとこないんではないかなって思ったりもしていた。分身を演じた役者はみな素敵だった。そういう意味では、やはりこの作品って魅力あるかも、って思いもする。案外と何回か観るうちに、この作品の味が分かってくるのかもしれないなって気もする。
なんだかよくわからんのですが (dim)
2008-05-01 15:30:20
シュエットさん、こんにちは。
コメントありがとうございました。

それぞれの俳優が素晴らしい演技を見せてくれましたよね。
それに時代の空気も感じられました。
でもやっぱりワタシには、この映画もディランという人もよーわかりません(汗)。
まあ「自分はそこにはいなく」て「答えは風に吹かれている」そうなので、答えなんて見つかりっこないのかもしれないのですが。
実体があるようでなくて、とらえどころがないという感じこそがディランなのかも知れませんねえ。
もう少しディランについてお勉強して、この映画を再見したらまったく違う感想を抱くかも知れません。

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