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細々やってました。ノリエガ祭り③「NOVO(ノボ)」

2007-02-19 20:34:11 | 映画・DVD【な】
これね・・・ワタシにはよくわからん映画。
で、何回か見れば少しはよさがわかるのかなと思って三回見てみた。



2002年、フランス映画


5分で記憶をなくしてしまうという記憶障害があるグラアム(エドゥアルド・ノリエガ)は、コピー係としてオフィスで働いていた。
そのオフィスに派遣社員としてイレーヌ(アナ・ムグラリス)という女性がやってきて、グラアムは社内を案内するよう社長から命じられる。
イレーヌはどこか不可思議な様子のグラアムに惹かれ、自宅に招き、ベッドに誘う。
情事の翌朝になると、前日のことを忘れているグラアムとの関係に、新鮮なものを感じ、恋にのめり込んでいくイレーヌ。
常に新しい気持ちで恋を楽しんではいたが、その一方で濃密な自分との時間を全く覚えていないのではないかという不安にもおちいっていく。
そんなイレーヌの前に、グラアムの妻だという女性が現れる。


タイトルの「NOVO(ノボ)」とは、新しい人間という意味らしい。
「ノボ」と書くとなんだか間抜けだし、「NOVO」だけだと「NOVA」と間違えやすいというやっかいなタイトルだ。
主演はフランスの新星アナ・ムグラリス。共演はワタシの愛するエドゥアルド・ノリエガ。
他の出演に、なんだかいつもより地味でブサイクに見えるバス・ベガなどなど。


何回見ても、ワタシには理解不能&納得いかない映画であった。

たとえば女社長は何故、あんなにもグラアムにこだわったのか?
それからあちらではブラジャーが外れたら、女性男性関係なく、そこにいる人にはめてもらうものなのか?
そしてブラジャーが外れたら、ノーブラになって仕事をするものなのか?
それから仕事で計算ミスをしたら「疲れていたんです」で済まされるものなのか?
挙句には「ちょっとの間違いくらいいいでしょ」と開き直るのには恐れ入ったのだが、ありゃ人間的にどうなんだ?
そしてグラアムの記憶障害の原因は・・・ひっぱったわりにはあまりにお粗末ではないか?

主人公のイレーヌの気持ちはなんとなくわかる。
初めは軽い気持ちで始めた恋だったが、次第に本気になって、相手が自分のことを忘れてしまうのではないかと不安になる。
相手のことがもっと知りたくなり束縛したくなってくる。
そうこうしているうちに、女社長は嫌がらせをするようになるわ(されるのももっともな気もするが)、ワケありの少年がちらちら姿を見せるようになるわ、「私は彼の妻です」という女が現れるわ・・・グラアムをめぐる色々な人間模様が浮き彫りになっていく。
この映画はそれをドロドロしたものではなく、時にはユーモアもまじえ、サラリと描いている。
だがサラリと描きすぎて、人間の深みのようなものが欠落しているような気がする。
これは難しいことなんて考えず、単純に映像美を楽しむ映画なのかも知れないけどね。

イレーヌを愛し、自分の病気に不安を抱きながらも、グラアムはどこかノー天気で無防備でとっても可愛い。
ええ、グラアム役のノリエガがとにかく可愛いの。顔も体毛も濃いけど。
ノリエガは冒頭とラストの、全く別人ともいえるグラアムをうまく演じ分けていて、それぞれの魅力をさりげなく見せてくれる。
しかし、海岸をすっぱだかで歩くという役はどうなんだ、ノリエガよ。
よくこんな役をひきうけたなあと思う。あっぱれというより、半ば呆れたと言うか・・・。
生まれたままの姿で海岸を歩く・・・、まさしく生まれ変わった新しい人間「NOVO」と言えるのだろうけど、なんだか見ているこっちの方がはずかしくなってしまったのだった。


自分の好きなシーン。
希望に満ちた、これからの二人の関係を思わせるラストのシーンも好きなのだが、ヒゲを剃りながら顔中泡だらけにしているグラアムが、ちょっとエゴを見せるイレーヌにキスをするシーンが一番好き。
ここはグラアムの優しさと愛情がにじみ出ていて、なんとなくじんとくる場面だ。



でもね、どうして全裸でしかも屋上(というか野外)でヒゲを剃るのか?
そこんとこもやっぱりわかんない映画なのであった。
コメント (18)
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