一休和尚に持たせる2メートル近い朱鞘の大太刀を注文する。鞘は赤漆、長いだけに反り具合にこだわった。和尚はどうも長い物を持ち歩くのが好きである。中身は木剣で、見た目だけで役に立たないという、当時の多くの堕落した僧に対する皮肉である。朱塗りの鞘は悪趣味で、いかにもな嫌味である。すでに大太刀を持たせるだけの状態で画像データは出来ている。届き次第すぐに完成するだろう。 2メートルの大太刀は冗談である。中国の深山風景を手に乗る石塊で制作し、長辺2メートルのプリントにして建長寺の微風になびかせた人間が、そんな所にホントの大太刀を使うわけがない。会場で感心されると居たたまれず、みんなバラしてしまうのだが、作者としては良いことなのかどうなのか判らない。
蘭渓道隆天童山坐禅図