シリーズ最初の個展には、案外その後に続くスタイルがすでに出来ているものである。『寒山拾得』は事あるごとに一生作り続けても良いモチーフ。絵画しか残っていない人物。後は禅機画、道釈画などの、いわゆる禅画をモチーフにした作品。行き当たりばったりの割にバランスが良い。個展が始まってから、そう思っていた。しかし◯◯シリーズとかいって、また何年間か続けるのだろうか?40周年を迎え、そんな呑気にしている時間はあるのか?と思いなおした。ネットでYAWARA!を観ていると午前4時近かったろうかメールが届く。 2012年にサンディエゴ写真美術館の館長デボラ・クロチコさんに作品を見てもらう機会があったがユニークと連発されたのが嬉しかった。作品は大きくした方が良いともいわれた。その時は大きくしたらアラが目立つだけだろう?と思ったが、その後、拡大する機会があり、大きくすればするほどリアルになる意外な結果となった。フットボール大になった三島由紀夫の意志があるかのような表情を見て、ここまで作ったつもりはないが?と不思議だった。そのデボラさんから「Love your new work!」というメール。〝独創的でエキサイティング。カタログ出版するなら文章を書きたいとまでいっていただいた。 ふげん社会場の奥、正面に、二メートルの一休和尚のプリントが出迎えるのだが、来廊早々、感心する前にまずは呆れていただこうという趣向である。 土日は在廊予定である。
Don't Think, Feel! 寒山拾得展
人形作家・写真家 石塚公昭 作家活動40周年記念
10月13日(木)〜11月6日(日)
石塚HP