寝ながらまだ作り続けているのは岩窟に住む寒山である。夢の中では、全くリアルに制作している。だけどもう額装も終わってるしなあ。と本気で悩みながら目が覚め、それが7、8秒続く。個展の前はいつもこうである。 今になると、作家シリーズからの転向は良いタイミングだった気がする。2年間はクリニックをサボらず、交通事故にも気をつけよう、と書いたのを覚えているが、年齢と共に何が起きるか判らない。中途挫折の確率を減らすには、長いスパンの目標を立てるべきではない。それに気が付いてからは、死の床で〝あれも作りたかった、これも作ればよかった、と悶え苦しむに決まっている、とずっと恐れていたことが解消した。今のうちなら2年ならなんとかなる。 今回難航すると思われた仙人が住うような岩山、山水風景の制作方が見つかり、夢の中で、成仏せずに彷徨う幽霊のようにまだ作っている。 成仏するには個展の初日を迎える必要がある。
Don't Think, Feel! 寒山拾得展
人形作家・写真家 石塚公昭 作家活動40周年記念
10月13日(木)〜11月6日(日)
10月23日(日)ギャラリートーク東雅夫さん
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