明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



室生犀星が〝ここを狙って撃て〟と言わんばかりに顎を上げ、鎖骨からあばら骨上部をさらしている。胸元を金魚がくぐり抜けて行く予定なので、そんな状態である。下着が出るのを嫌い、袖口など切っていたそうだから、あばらでいかして貰う。自分らしき登場人物を小説に書いたものだから、私のターゲットになり、そんな目に遭ってしまった。常に作者にウケたいと夢想して制作しているが、この度の犀星に関しては、〝余計な事をするな〟とニコリともされずに言われそうである。この顔はしゃれが通じる顔ではない。しかし私からすればおかげで老人の胸元から金魚が現れるという奇妙なシーンを手掛けられ、犀星のお陰だと喜んでいる。金沢三大文豪の一人がそう書いているのだから、という顔をしていれば良いという寸法である。 江戸川乱歩の時もそうだったが、犀星も胸元から大きな金魚が顔を出しているという異様な状態にかかわらず、他人事みたいな顔をしている所が面白そうである。

旧HP

『タウン深川』明日出来ること今日はせず 連載第14回〝青春の日の一撃〟

『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube



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