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マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

刑事事件の「被告」?!

2006年01月07日 | ⑤法律問題について
よくテレビのニュースで刑事事件で犯人として訴えられている人を「被告」とか,「●●被告」(例えば,「宅間守被告」とか「林真須美被告」とか)とか言ってます。
しかし,法律用語として正確にいうと,刑事事件で訴えられた人は「被告」ではなく「被告人」と言います。
そして,「被告」は,法律用語としては,民事訴訟で訴えられた人のことを言います。

このため,まれにではありますが,民事訴訟で訴えられた人が,裁判所で「被告」と呼ばれることに対し,「何で犯罪者扱いされなければならないのか!!」と言って怒ってしまい,本来なら話し合いで決着がつくようなケースでも,話がこじれてしまうことがあるそうです。

私も,別に,マスコミは正確に法律用語を使わなければならないとは思っておらず,視聴者がわかりやすいよう一般的な言葉を使えばいいと思います(例えば,刑事事件で犯人と疑われている人のことを,一般では「容疑者」と言われていますが,法律用語では「被疑者」と言います)。

しかし,「被告」の場合は,その言葉に別の意味があり,それと混同されることによる不利益がある以上,マスコミは,ここでは正確に「被告人」と言うべきなんじゃないでしょうかね(「被告人林真須美」とか「林真須美被告人」とか)。
マスコミも裁判所に司法記者クラブがあり,そこの記者は毎日裁判所にいるわけだから,記事を書くとき気をつければいいのに,ニュースを見るたび思います。
それに,裁判所もこれによって迷惑を受けるなら,司法記者クラブにいい加減訂正を求めてもいいような気がします。
なんでいつまで経っても訂正しないのでしょうかね。不思議でなりません。

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