弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

新60期司法修習生の二回試験(司法研修所卒業試験)の結果

2007年12月18日 | ⑥弁護士等法曹情報
本日,新60期司法修習生986人,旧59期,旧60期の再受験組69人が受けた二回試験の合格発表がありました。

asahi.com(朝日新聞社)*によると,
新60期司法修習生は,59人の方が残念ながら不合格になられたそうです。
再受験組は,17人が不合格になりました。

ちなみに,前回の旧60期(約1500人)の不合格者は71人だったそうです。
我々59期のときは,まだ合格留保という制度があり,約1500人中97人が合格留保,10人が不合格者,追試の結果は97人中6名が不合格でした。
(合格留保はダメだった科目のみの追試がある。不合格者は追試は受けられず,次回の二回試験を全科目受験する。)

近年の二回試験不合格者の急増で,司法試験合格者急増で質の低下は言われています。
しかし,59期で落ちた人(合格留保も含む)を見ていると,なんでこの人が落ちるんやという人も結構多く,どう考えても「コイツはアカンやろ」という人が通ったりして,よくわからない試験だなというのが正直なところでした。
私は,質の低下が叫ばれている以上,将来の修習生に対する見せしめや,社会へのケジメとして,ある程度落とす人数を決めていて,司法試験合格者500人時代では救済していた人でも,救済しないという「政策的配慮」がなされているとしか思えません。
実際,おそらく500番以内の成績で司法試験を合格したであろう59期の司法修習生も合格留保になっていましたからね。
500人時代で合格留保・不合格者0人時代があったことを考えると,どうしてもそういうふうに感じてしまいます。

まあ,昔に合格基準が緩かったのが間違いで(昔は牧歌的だったから許されたのか),時代により合格基準が変わることは当たり前と言われればそれはそれで仕方ないです。
どちらにせよ落ちる方には少なからず問題があることは間違いないと思いますし。

今後の司法修習生は,基礎的な起案の仕方(実務のような応用ではない)を習う機会が極端に減ります。
新司法試験を受けようと思っておられる方は,受験勉強も大変かと思いますが,司法修習生になる前に,法科大学院の授業や受験後発表待ちの間に,司法研修所の教科書や事実認定の本をある程度勉強された方がよいかと思います。
特に,発表待ちで暇を持て余しているときは,自分で本を読むだけでなく,ゼミ等を組んで議論しながらやった方がいいと思います。

司法修習生になる前の人用の予備校やビデオ教材等を作ったら,意外にウケルかもしれませんね。
ただ,研修所教官レベルの人材を集めるが大変でしょうし,司法試験同様のマニュアル主義の弊害が司法研修所に現れる危険がありますが。
まあそもそも司法研修所も最近出た教科書を見ると,マニュアル主義的になってきている気もしますが。


新修習初の法曹がもうすぐ誕生します。

2007年12月14日 | ⑥弁護士等法曹情報
今年の12月18日午後4時に新60期修習生の二回試験(司法研修所の卒業試験)のあるそうです(2ちゃんねる情報)。
二回試験に合格すると,晴れて,検察官,裁判官,弁護士になる資格を得られるわけです。

新60期は,新司法試験を初めて受けて合格し,新司法修習の第1期生です。

新司法修習は,修習期間が1年に短縮され,旧修習と異なるカリキュラムで行われました。

我々先輩法曹として,彼らに対する期待と不安を持っています。

しかし,私個人は,新60期の方々は優秀な人が多いのではと,結構好感を持っています。
私は,司法修習委員として接した新60期の方々や,うちの事務所に修習や就職活動等で来た新60期の方々と接してみましたが,我々旧59期や,今年の9月に法曹になった旧60期の方々に比べ,とても感じのいい人が多く,話が上手な人も多かったように感じました。
それだけでは能力はわからないかもしれませんが,話している感じでこの人頭がいいなあと思う回数は,新60期の方が多かったかと思います。

うちの事務所にも今度2人の新60期の後輩がやってきます(無事二回試験受かってくれ)。
彼らに対する期待とすぐに追い抜かれないかという心配があります。
私も気合いを入れて頑張らないと。