弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

少年事件のやりがい

2006年11月30日 | ⑫雑談
初めての少年事件ですが,おかげさまで何とかうまく行きました。

初めての犯罪被害者との示談交渉は,ボスの都合で私ひとりですることになりました。
示談交渉は,本人や親の資力の問題や事件の重大性から難航が予想されました。
しかし,被害者が人間的にとてもすばらしい方だったので何とかうまく示談することができました。
被害者の方は,私の説明をじっくり聞いて下さり,私と2,3時間じっくり議論をして下さり,一緒になって一所懸命少年の更生を考えて下さりました。
そして,最後は,「示談金は少年の更生のために使ってくれ,すべては先生に任せる。」とまで言って下さいました(最後は意気投合)。
ほんまありがたいことです。

この示談に成功したのは,少年が猛省したこと,少年が頑張っていい謝罪文を書いたこと,少年がしっかりした将来の目標を立てられたこと等少年自身の努力も大きかったです。

また,この少年はとても運がよく,調査官の人がとてもよい方で,少年にも何回も会いに行ったり,積極的にこの少年に適した補導委託先(試験観察中少年を預ける施設や人)を見つけてきたりとご尽力下さいました。

お陰で,成年者なら数年間の実刑をくらってもおかしくない事件(幸い被害者は大きな怪我等はしてません)にもかかわらず,少年は何とか少年院に行かずに済み,補導委託付きの試験観察を得ることができました。
審判は,少年も親も我々付添人弁護士も泣き(裁判官・調査官・書記官はおそらく泣いていませんでした。ちゃんと見てないが少年を連れてきた鑑別所の先生も泣いておられたように感じました。),いいものになりました。

試験観察とは,少年院か保護観察か悩ましいときに,とりあえず様子を見ようという中間処分です(後で,最終審判があり,そのとき改めて少年院送致か保護観察かなど処分を決められます)。
在宅(自宅等)でやる場合もありますが,裁判所が補導委託先として指定している場所(農家,教会,老人ホーム,店等各種ある)で働きながらやる場合もあります。
この少年の更生に一番適していると私が信じる処分でしたので,ひとまずうまく行ったというべきでしょうか。
ただ,試験観察が無事終わるまでは何ともいえないし,少年にとっては最終処分後が人生の本番です。
被害者の方が望んでおられるように,この少年が「死ぬときに1点の曇りがないような生き方」ができるかは,まさにこれからです。

少年は,犯罪を犯しているときの自分の異常な心理状態や警察に捕まった後の境遇,私とボスに出会ったことなどから,頑張って働きながら勉強して将来弁護士になりたいと言ってくれました。
本当にうれしい限りです。弁護士冥利につきます。

おそらくこの少年は,少年事件で審判を受ける少年の中ではかなり恵まれているほうだと思います。
こんなにうまく行くことも少ないのではないでしょうか。


私は修習生のときの家庭裁判所修習で,とてもいい裁判官にあたり,審判という限られた時間と空間の中で,少年が変わっていく姿を目の当たりにしたり,親子の愛を見て,法廷で感動し涙を流して,少年事件をやりたいと思うようになりましたが,今となっては,少年事件をやって本当によかったと思っています。


さて,表題の少年事件のやりがいについてですが,

少年事件は,やはり悪いことをした者の更生を第一に考えるということで,刑事事件より将来に対する期待があります。
少年も可塑性があり,更生に対する期待可能性も高いのですし,目に見えて,少年がいい方向に変わっていく,成長して大人になっていくのを短時間のうちに見れるので,とてもやりがいがあります。

また,処分のメニューもたくさんあり(不開始,逆送,少年院送致,児童自立支援施設等の施設送致,保護観察,試験観察等々),頑張って努力すれば,少年に適した処分を勝ち取ることもできることがあります。
頑張れば頑張った分成果が得られることが多いことも,少年事件のやりがいの一つだと思います。

また,いい審判だと審判廷で泣けます。
これもいいです。ていうか私は涙もろくすぐ泣くんですけどね。
なかなか仕事やってて泣けることなど少ないですからね。

そして,早く更生して立派になったかつての少年から手紙をもらいたいな。


ただ,それにとりかえしのつかないことをした事件の場合には,このような甘いことばかり言ってられないのでしょうね。

とにかく少年事件は短期決戦でやることが多く,非常に大変ですが(当分はいいですが),やりがいはたくさんあります。

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平成18年旧司法試験合格者「官報」掲載

2006年11月27日 | ①司法試験について
平成18年11月22日付の官報(号外 第264号)に今年旧司法試験の合格者の一覧が掲載されていました。

〔官庁報告〕平成十八年度旧司法試験第二次試験合格者(司法試験委員会)*

語句検索ができるので,知っている人を探すのに便利です。
ただ,あと2,3日(おそらく11月29日まで)しか掲載されていませんので,早めにダウンロードしておきましょう。

残念ながら,私のよく知っている人は合格していませんでした。

私は,平成16年に合格してから翌年に修習に入るまでの間,某Wセミナーの論文答練の採点をしていました。
そのとき,よく答案の最後に細かく質問を書いて来られる研究熱心な方がおられました。
その人は近いうちに受かるなと思っていたのですが,今年その人が受かっていたのを見て,知らない人ながら勝手に喜んでいます。

あの答練には印象に残った人は2名いて,一人は去年合格して,一人はこの人で今年合格(この2名以外の方のお名前は忘れてしまっています)。
私の予想が当たったのと,もしかすると私の添削コメントが役に立ったのかなと思うとなんとなくうれしいものです(もしかすると足を引っ張っていたりして・・・だったらごめんなさい)。

いつか会ったときには,私の添削はどうだったのか聞いてみたいものです。
当時は自分なりに一生懸命添削しましたからね。
ただ,おそらくイチ添削者すぎない私のことなど全く覚えていらっしゃないでしょうね。

そういえば,私も昔答案を採点したことがありますと,修習後知り合った方から言われたことがあります(怖くて,出来については聞いてませんが)。
もちろん私は彼がどの採点者だったのかはわかりませんでした。

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休み返上

2006年11月25日 | ⑫雑談
約2週間ぶりの久々の更新です。
またもや更新まで時間がかかったのは,下記の少年事件も含め仕事が忙しかったことにつきます。
先週までは,今までたまっていた起案(裁判所提出書面等,何らかの書面を作成すること)をなんとか片づけており,今週は下記の少年事件の追い込みです。

私は,今ボスのひとり(うちの事務所はボスが4人います)とともに少年事件をやっています。

最後の追い込みの段階である今週の初めに(11月19日日曜日),そのボスが当番弁護士で刑事事件1件に少年事件1件を受任してきて,ほとんどの作業が私に丸投げされてしまいました。
さすがに調査官面接や裁判官面接などの重要な場面ではやってくれましたが,とにかくしんどいかったです。

23日の勤労感謝の日,土曜日の今日(25日),日曜日の明日(26日)も全部事務所に来て,人に連絡したり,人に会ったり,書面を書いたりです。
しまいには,昨日から咳が酷くなり,頭がだるくなってしまいました。
体温を測ったら37.5度。
平熱が36度強でほとんど熱を出したことがない私にとっては,とてもしんどいです。
勤労感謝の日は,私にとっては,健康に仕事できることを働きながら感謝する日というべきかもしれませんね。

しかし,審判がいいものになり(必ずしも結果が軽くなることだけを言っているのではありません。),少年がしっかり更生して,少年が家に戻ってくる頃には,家族がうまく機能するようになれば,この努力も報われるというものです。

また,この事件をとおして,少年,両親,少年の親族,調査官,裁判官,ボス弁,被害者といろいろな人と議論をする機会がありました。
いろいろな人の真剣に考えている意見に触れ,自分の考えの浅はかさと未熟さを思い知りました。
この事件は,私を弁護士としても人間としても成長させてくれた事件と言っていいでしょう。

いろいろな人の話を聞くことができるのは,弁護士の仕事の醍醐味ですな。

と思う一方,
自分の家族を犠牲にして人の家族の面倒を見る。
人が休みのときに出てきて人に会う。
弁護士とは因果な職業だなと思う今日この頃です。

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平成18年度旧司法試験合格発表

2006年11月10日 | ①司法試験について
昨日平成18年11月9日水曜日午後4時に旧司法試験の最終合格発表がありました。
法務省HP合格発表*
合格された549人の方本当におめでとうございます。
私が個人的に応援していた76歳の方は残念ながら合格されなかったようです。

ところで,私の平成15年に総合B判定で落ちた論文試験の再現答案を,この前欲しいとメールをしてこられた方がいましたので,すべて公開するのはさすがに大変だったので個人的にメールに添付して送らせて頂きました。

来年以降も旧試験を目指される方で,他にも平成15年の再現答案が欲しいという方がおられましたら,その方にも送りたいと思いますので,遠慮なくメール下さい。
どこらへんが評価につながるかなど参考になるのではないでしょうか。
ちなみに合格したときのH16の再現答案はコチラ*

ところで,私は,個人的には,旧試験などさっさと見切りをつけて法科大学院→新司法試験というコースが急がば回れでおすすめだったんですが,ここ数年の旧試験の合格点などを見てると,択一が得意な人ならもう少し旧試験で頑張るのもいいかもしれないと思いました。

まあ,基本的にはやはり法科大学院→新司法試験というコースがベターだと思うのは変わりませんが。
法科大学院などは金がかかってとても行けないと諦めている人も多いかもしれませんが,旧試験に受けようという根性,近いうちに旧試験を受かるだけの実力を備えることができる人なら,きっと法科大学院も優秀な成績で合格し,特待生になれたり,奨学金をゲットできると思うからです。
その自信がなく,だらだら旧試験を受けている人はさっさと司法試験自体やめた方がいいと思っているからです。
もっとも,家族などを養うために働きながら受けられている人は別ですが。
法曹は,事件により法律も手続も違うので,どんなことにも柔軟に対応する能力が問われます。
試験の形式が違うくらいでへこたれてはいけません。

とにかく,今年新・旧司法試験で惜しくも不合格だった方も,これから新・旧司法試験を受ける方も,自分に厳しく勉強して行って頂きたいものです(ヘラヘラ遊びながら短期で受かるほど甘い試験ではありません。たまにはいましたし,今もそういう人も増えているかもしれませんが・・・)。
それに,人生に一度は死ぬほど勉強するのも,これからの人生決して損はないと思います(そう簡単に人間は死なないですが,くれぐれも本当に死んでしまうぐらい過激に勉強しすぎないように。自己の健康管理も重要な能力です。)。

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法廷デビュー延期!!

2006年11月07日 | ⑫雑談
昨日ブログで書いた法廷デビューはいきなり延期されました。
がっくり・・・です。

ボスが急用がなくなりその期日に行けるようになったので,私が行く必要がなくなったとのことです。

弁論準備室デビューはこの前弁護団事件で果たしましたが,法廷デビューも今月下旬の弁護団事件になりそうです。

事務所の民事訴訟の法廷デビューはとりあえず来月半ばくらいです。

少年事件の審判デビューは今月末です。
刑事事件デビューはまだで,目処すらついていません。

あせらず目の前のことを一つ一つ丁寧やっていこうと思います。

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法廷デビュー決まる!!

2006年11月06日 | ⑫雑談
おかげさまで,やっと法廷デビューが決まりました。

民事訴訟の第1回口頭弁論期日(民事訴訟で訴状提出後最初に法廷に出頭する日です)です。

ボスのひとりから,今日の朝突如,「今月の17日朝予定あいてるなら,他に予定が入ったので代わりに行ってくれないか」と頼まれました。
私はその日の朝,予定があいていたので行くことになりました。
いきなり,ひとりで「はじめての法廷」です。
まあ,やることは,訴状の陳述,軽い和解交渉と次回期日を入れるだけなので,大したことは全くしません。
なので,緊張しすぎて,噛んだり変なことを言わないように気をつければいいだけです。

数ヶ月したらこういう気持ちはなくなるんでしょうが,早くも楽しみでしようがありません。

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最近の状況(自分の名前をぐぐってみたこと等)

2006年11月04日 | ⑫雑談
最近全くブログの更新ができませんでした。
なんとなく忙しいというか更新する暇がありませんでした。
更新を楽しみにされている方本当に申し訳ありません(ときどき更新が楽しみだとコメントやメールを下さる方がいること本当にうれしく思っています)。

この前,Google*で「自分の氏名」と「弁護士」の二つのキーワードで検索してみました。
22件ヒットした中,本物の私の情報は3件。
内訳は,うちの事務のHP,予備校の講座紹介(司法試験合格者としてのコメント),多くの弁護士が集まって作った団体のHPです。
前は,予備校のやつだけだったので,社会の一員として2歩くらい進んだ気がしました(少しうれしい)。

つい最近,とうとう上司のひとりに私がだれか特定されてしまいました。
結構自己顕示欲強かったんやねって。
しかし,私自身は,実は,恥ずかしがり屋なので,目立ちすぎるのは正直嫌なのです。
こういうブログをやっておきながらまったく説得力はないのですが,恥ずかしがり屋なのは本当です。すぐ人前で赤面するような人間です。
他の弁護士や事務局の人に言いふらされているので恥ずかしくてしようがありません。
でもやはり,恥ずかしがり屋と言っても自己顕示欲は一応はあるので,こういうブログをやっているのでしょうね。

最初は人使いが荒いと思っていた事務所も,最近はあまりこき使われることもなくなりました。
どうやらのびのび新人を育てる気らしいです。ほとんど新件ばかり持たしてくれてます。
いや~いい事務所だ(上司も見ているので少しヨイショ)。
ただ,新件ばかりなので,弁護士業務を初めて1ヶ月もたつのに,まだ法廷に一回も行ったことがありません。
いろいろなことを早くしたくてうずうずしている今日この頃です。

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