弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

金融商品被害弁護士による緊急110番~今回の円高・株安で被害に遭われた方対象

2011年03月26日 | ⑨投資被害
今回の大地震,不幸にも亡くなられた方には心より哀悼の意を表します。
被災された方は,本当に大変でしょうが,頑張っていただきたいと思います。特に,自分では頑張れない弱者の人たちは,みんなで支えていく必要があると思います。
私も,微力ながら,少しばかりの義援金を送らせていただいたのと,私の師匠の津久井進弁護士が災害支援のプロですので,もし彼の要請があれば時間と体力が許す限り協力をしていきたいと思っています。(多分,師匠は私に声をかける暇なく走りまくっているんだろうな。)

証券被害弁護士として,何か役に立つかなと思ったのですが,なかなか思いつきません。直接被災した方には関係ないですが,震災の影響で,急激な円高と株安が生じたようで,これらでお困りの方に対し,初回30分無料相談をしたいと思います。
おそらくその対象は,具体的にいうと,株式(現物取引,信用取引),FX(外国為替証拠金取引),為替オプション,投資信託(為替,株式を対象に運用しているもの),仕組み債(為替,株価,日経平均等を対象にしているもの)などでしょうか。

受任ということになり,着手金と報酬を得ましたら,その中のいくらかをまた義援金にしたいと思います。

相談は事前予約制になっておりますので,
 072-755-2812
まで電話頂くか(受付時間;平日9:30~12:00,13:00~17:30),
deppa@mail.goo.ne.jp
(平日及び土日祝の24時間受付)へのメールで,申し込み下さい。
予約の際には,震災の影響で金融商品で大きな損を出したことと最初に述べるようにしてください。


消費者被害事件における弁護士と非弁屋,非弁屋による「断定的判断の提供」

2011年03月17日 | ⑤法律問題について
タイトルだけみると,少し意味がわかりにくいと思います。

非弁屋と書きましたが,非弁行為をしている人のことを指しています。
非弁行為とは,弁護士でないのに,弁護士と同じような業務を行っている人のことです。交通事故ではよく「示談屋」と言われています。
非弁行為は,弁護士法72条により禁止され,犯罪でもあります(同法77条3号)。

隣接士業,例えば,司法書士や行政書士などでも,法律上許された範囲を超えて,職務を行っている場合には非弁行為に当たります。
例えば,司法書士は,得られる経済的利益が140万円を超える事件の場合は,訴訟代理権もなく(ただし,訴訟代理権は簡易裁判所代理権の認定を受けた者だけです。),示談交渉もする権限もありません。
ただ,140万円を超えて裁判所等に提出する書類等の書面作成をしたり,その前提としての相談を受けることはできます。
これらを超えて,事件の受任をすることは,非弁行為にあたるのです。
(つまり,司法書士は,経済的利益(消費者被害なら損害)が140万円超える事件については,書面作成はできるけど,代わりに交渉することはできません。)

私がよくやっている消費者被害の世界も,非弁屋が跋扈しています。

よく見かけるのが,探偵業者,消費者団体,被害者団体を名乗るところです。
探偵業は,調査とその報告が仕事であり(探偵業の業務の適正化に関する法律2条),法的紛争の解決までは仕事ではありません。テレビを見ていると,解決までやったりしています。
しかし,調査の結果,たまたま民事的な紛争が解決することがあっても,それは仕事の結果ではないはです。
つまり,解決を前提として着手金(交渉の対価)を取ったり,成功報酬(解決の対価)を取ると,「非弁行為」になるわけです。
消費者団体や被害者団体は,解決を目的とするものがあってもいいですが,交渉の手数料の対価,解決に対する対価お金を取っては「非弁行為」になるでしょう。

断定的判断の提供とは,確実ではないことについて確実だいうことです。
よくあるのが,相場について「確実に上がる」とか「絶対もうかる」ということです。
「絶対」とか「確実」とまで言わなくても,文脈上そう取れる発言も含まれるし,金融商品被害等では誤解を招くような表現も規制の対象となっています。
例えば,「任せてください」「大丈夫です」などです。

法的紛争も同様で,ほとんどの事例では,「100%勝つ」とは言い切れません。訴訟は水ものの部分があるんです。
仮に勝っても,回収可能性について問題がある場合が多く,「100%取り返せる」とは限りません。

弁護士は,弁護士職務基本規程29条において,第2項「 弁護士は,事件について,依頼者に有利な結果となることを請け合い,又は保証してはならない。」,第3項「弁護士は,依頼者の期待する結果が得られる見込みがないにもかかわらず,その見込みがあるように装って事件を受任してはならない。」として,断定的判断の提供が禁止されています。

受任に関し,このようなことを言うと,ほぼ確実に負ける事件なのに勝てると勘違いして,高い着手金を払ったり,ほぼ確実負けるとは言えない事件でも,正直,相場より高い着手金や報酬を払う人は多いのではないかと思います。

良識ある弁護士の多くは,このような断定的判断の提供はしません。
このようなことを言って,万が一,自分に負けたりすると,仮に自分に負けたことに過失がなくても,新たな消費者問題が生じるわけです。
消費者弁護士としては,騙されたかわいそうな人に対し「任せて下さい」「大丈夫」と言って安心させてあげたいと思うのですが,この人たちは,藁をもすがる気持ちで来られているので,弁護士の言ったことを過大評価して。本当に大丈夫なんだ,絶対に取り返してくれるんだと,強く思いこみがちなのです。

これに対し,非弁屋の多くは,平気で「絶対取り戻してあげる」「大丈夫」「安心して任せて下さい」などと言います。
こういうことは言った言わないになりやすく,ごまかしやすいのかもしれません。

しかし,よく考えてみて下さい。
身分が保障されていない人たちの言質などはほとんど当てにはなりません。
言質自体の価値が低いはずです。

でも,リスクばかり説明して「絶対勝つ」とはっきり言わない弁護士より,ほとんど何も説明しないのに,「絶対勝つ」などの甘い言葉をいう「非弁屋」の方が素人の被害者から見ると魅力的のようです。

この前,詳しい話はできませんが,依頼者を非弁屋に見事に取られてしまいました。
「期限を切っていついつまで取り返せます。」「弁護士さんには私から連絡しておきます」だって。連絡など1回もないっちゅうねん!!
しかし,その人はそんな嘘つきを信じています・・・
着手金は私の倍以上取られているようです・・・皮肉な話です・・・

この方ではないですが,探偵業の「非弁屋」が解決を前提として弁護士以上の着手金を取っていた事件をやったことがあります。
その非弁屋は,「絶対取り返せる」など言っていたようです。
にもかかわらず,これ以上は無理ですと言って,わざわざ東京の現地まで依頼者を連れていき,解決が無理だとわからせようとしたらしく,それで不信に思い,私のところに相談に来ることになりました。
その非弁屋の社長と担当者が事務所に来て話をしましたが,着手金は全額返還させました。

非弁屋に会って,消費者被害の二次被害に遭わないよう気をつけましょう。
ポイントは,
①弁護士・司法書士でもないのに,交渉と解決の対価のお金を取ること
②「絶対取り返します」などの断定的判断の提供を安易に行うこと

です。
こういう場合には,疑ってかかった方がいいと思います。


出会い系サイト詐欺

2011年03月17日 | ⑤法律問題について
昨日,兵庫県弁護士会で行われた出会い系サイト詐欺の勉強会に行ってまいりました。

講師は,名古屋の出会い系サイト詐欺被害弁護団の平井宏和先生で,出会い系サイト詐欺の実態,仕組み,戦い方など,詳細かつわかりやすく説明いただき,とても参考になりました。

実態としては,騙された人のほとんどは,よこしまな気持ちはそんなに強くないそうです。
SNS(ソーシャルネットワーキング)から巧みに勧誘されたとか,占いとか懸賞等のサイトに登録したところ出会い系サイトにも登録されたなどをきっかけに,なんとなく始めて,サクラと気付かずメールのやり取りをしている間に,同情心を利用されたり,脅迫されたり,その他の方法で,はめられている場合が多いそうです。
被害を受けるのは意外にも女性が多いそうです。
男性の方でも,いわゆる「草食系」の方が多いようです。
被害額は数万円~数千万円まで及ぶそうです。

実は,昨年,私も出会い系サイト詐欺の事件をやりました。
詳しいことは申し上げられませんが,被害者は女性で,その方も実際に話を聞くとかなりかわいそうな話で,何とかしてあげたいと思って受任しました。
幸い,示談で早く解決し,早期に損害の大半を回復することができました。

勉強会を受けてみて,そのときの私のやり方は間違いなかったんだという自信がつきましたし,新たなノウハウも身につきました。

もしお困りの方がいらっしゃったら,ぜひご相談ください。
法律相談は電話またはメールによる事前予約制です(当職と日程調整の上,来所。当職の不在時には,事務局の方で連絡先を教えて頂き,折り返し日程についてご連絡いたします。)。
当事務所の電話番号⇒072-755-2812
メールアドレス⇒deppa@mail.goo.ne.jp

基本的には事務所に来て相談いただける方に限ります(主に阪神間。大阪府内・兵庫県内をはじめとする近畿地方も対応可)。
(例外的に比較的近隣であれば出張相談を行う場合もありますので,弁護士までお問い合わせください。)

受任または内容証明の送付ということになりましたら,相談料は無料となります(その費用に相談料も込みという考え方です。)。
(ただし,当職が特に忙しいときで,弁護士がやる必要性・緊急性が相対的に低い事件の場合には,最寄りの消費生活センターなどをお勧めする場合がありますので,予めご了承ください。)。

出会い系サイトで騙されることについて,出会い系サイトだけに恥ずかしいとか,騙された方が悪いなどと思って相談を躊躇している方がいらっしゃるかもしれません。
しかし,私をはじめ,昨日の勉強会を受けた弁護士の多くは,そのような偏見を持っていません。
また,弁護士は,お医者さんと同じように守秘義務もありますし,恥ずかしい話(ご本人にとっては)を聞き慣れております(どちらかといえば,異性と出会いたかったとか,サクラが提示する金銭が欲しかったなどの動機をもっていた方も含めてです。)。

恥ずかしがらず安心して法律相談に来てください。



投資詐欺の黒幕?!の話

2011年03月12日 | ⑨投資被害
数年前に倒産した先物取引会社A社がありました。
その会社には,大株主Xさんがいて,そのXさんは,先物会社以外にもB社などたくさんの会社を持っています。

去年,全く別の無登録で外国株式を販売している会社C社を相手方にしました。
同じ依頼者は,C社以外の会社D社にも騙されて,海外先物取引をさせられていました。
しかし,D社は,既に清算済みで会社はなくなっていました。

そして,C社に内容証明を送ったら,C社の代表者と従業員がうちの事務所に話し合いに来ました。
C社の代表者と従業員との間で,たまたまD社の話になりました。
彼らの話によると,D社は実はXさんが陰でお金を出している会社だ,Xさんは他にも同じような海外先物会社を作って,お金を集めては潰している,とのことでした。
彼らも詐欺師なので,どこまで本当なのかなと少し疑っていましたが,こんなところで嘘をつく必要もないし,どうなんだろと思って,そのままになっていました。

今年,D社の調査をしていると,出資者(Yさんといいます)の名前が判明し,Yさんを調べていると,Yさんが代表をしている会社E社が見つかりました。
E社は調べてみると,Xさんの会社B社の子会社でした。
E社の役員を調べてみると,昔私が対決した別の海外先物会社Fの役員たちの名前が出てきました。
そして,F社の役職員の一部は,A社の元役職員だったのです。

D社の清算人を調べてみると,実はA社の元代表者でした。
また,D社の最後の代表者(若い女性)は,後に,Yさんの妻になっていました。

私の中では,一本につながった感じがしました(読んでる方はわかりにくいかもしれませんね。図でも書きながら理解してみて下さい。)。
B社の代表者と従業員が教えてくれたとおりの話だったと,簡単に推測できます。

もうちょっと調べて,黒幕責任を追及したいですが,
私は警察や検察でもないし,依頼者のお金を取り戻したら,それ以上の調査は時間と手間がかかるので,おそらく調査は途中で終了になるでしょう(そもそも,それ以上の調査をする費用がありません。)。

でも,こうやって,手下を使って人を騙してたくさんの金を集め,自分はリスク少なく,陰でいい思いをしている奴がいるなんて許せないです。
私が,警察か検察なら,意地でもこのXさんを詐欺罪起訴であげるべく,とことん調べ上げるのですけどね。

私が現時点で持っている証拠だけでは,おそらく,警察も検察もまだ証拠不十分ということで簡単には動いてくれません。
彼らが本気になれば,おそらく,有罪にできるだけの証拠,うまくいけば組織犯罪処罰法で立件できる可能性もあると思います。

黒幕もその手下たちも,人の生き血をすするというか,お年寄りたちが何十年もまじめに死に物狂いで頑張ってきて作った財産を一瞬で奪うことを,平気に生業にしています。
私に言わせば「悪魔」です。
このような「悪魔」が普通に世の中でのさばっている。
本当に許せないですね。