弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

今年も今日で終わり

2006年12月31日 | ⑫雑談
今年は,司法修習生から弁護士になるという人生の節目の年でした。

楽しかった司法修習は終わり,自分自身の名前で責任を取らなければならなくなった重圧はとてつもないものでした。

弁護士登録してから3ヶ月,多くのものを犠牲にしながら,とにかく仕事一筋で一所懸命やったつもりです。
いい弁護士になりたい。いい仕事をしたい。私の目の前の依頼者の弁護士は私しかいない状態も多く(一応他の弁護士も委任状に名前はありますが,事件を知っているのは私だけ),なんとかしないと・・・と思っていると,休日も返上してたり,皆は帰っているのにひとりで事務所に残ってたりしてしまいました。

プライベートもいろいろやること多いので,どうしてもいつも予定がギュウギュウになっていました。
今どっとその疲れが出ている状態です。

この年末年始はゆっくり自宅でのんびりして,今年の疲れを取ろうと思っていました。事務所は形式的には12/29~1/8まで休みですし。
しかし,去年やろうと思ってやり残したことが多いので,結局家で仕事などやらないといけない状態です。
とほほ。

弱音ばかり言ってては,いい弁護士にはなれません。
前向きに行きたいものです。
私は今年自分がいかに未熟か思い知らされました。人格的にも能力的にも。

せっかく人より長い時間かけて弁護士になったのだから,もっともっと精進して,もう一歩いい人間,いい弁護士になりたいと思います。
まだまだ未熟な点は多いですが,努力と勉強でカバーしていきます。
今後とも応援よろしくお願いいたします。

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芦屋という街

2006年12月16日 | ⑫雑談
最近よく仕事で芦屋*に行きます。
芦屋といえば、関西一の高級住宅街です。弁護士も大勢住んでいるとか。
おそらく私は一生住まないでしょうけどね。

芦屋はとてもおしゃれで小綺麗な格好をしている人が多く、街自体もとても閑静できれいな素敵な街です。

特に中でも六麓荘*という地域は、超高級住宅街で豪邸ばかりが並んでいます。
そこは、住むにも町内会の同意がいるという噂を聞いたことがあります。
また、町内の決まりで400㎡以下の敷地の家はダメで、今度市の条例で同じ内容のものができるとか。
とにかくすごい所です。

芦屋では、食べ物屋さんも小綺麗でおしゃれでおいしい店が多いです(おしゃれで舌の肥えた人が多いため、おいしくなく街に合わない雰囲気の店はすぐ淘汰されるのでしょうかね?)。

しかし、なぜか芦屋はラーメンの激戦区でもあるのです。

最近は一時ほどでもないかもしれませんが、前のブームの頃は関西ではめずらしく行列ができていたそうです。
激戦区といっても、国道2号線沿線のごく狭い一帯ですけど。
とにかく芦屋というイメージとは合わない意外な現象であることには間違いありません。

私は、ラーメン好きなので、芦屋に行く度わざわざラーメン屋にばかり行っています。
ちなみに、事務所でも夜食でカップラーメンを食べ過ぎていて、とうとう事務員さんにも「小池さん*」と言われてしまいました。

そんな感じで全く芦屋が似合わないなあと自分自身思ってしまいます。
でも,芦屋の雰囲気は少し好きですかね。

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せこい話~利息制限法と過払金返還請求の解説付き~

2006年12月14日 | ⑤法律問題について
利息制限法(利限法)という法律があります。
これは借金の利息の上限を定めるもので,この法律で定められた利息(利限法利息)を超えて利息を契約で定めても,利限法利息を超えた利息は無効となり,法律上は利限法利息になるというものです。

その法定利息は,
10万円未満の借金→年20%以下
10万円以上100万円以下→年18%以下
100万円以上→年15%以下
とされています。

例えば,50万円を年29.2%の利息で貸しても,実際は18%しか利息をとれないことになってます。これは個人とか業者とか関係なしに適用されます。

しかし,消費者金融やクレジット会社は利限法を無視してお金を貸し,契約利息どおりの利息をとります。

現在こういうことがまかりとおっているのは,利限法には罰則(刑事罰,行政罰)がないことが原因です(ただし,別の法律で,貸金業者は29.2%を超えた利息を取ると刑事罰,行政罰の対象となるとされています。)。

法的には,利限法に違反して支払った利息はとれないはずなので,超えて支払った分は元本に充当されます。
きちんと決められた利息を支払っていると,実際には業者の計算より早く借金が0になってしまいます。
でも,業者は,利限法を超えた利息のままで計算するので,まだ借金が残っていると言って,当然まだ返せと言うので,借主は通常そのまま借金を返して行くことになります。

しかし,すでに借金が0になっているのですから,法的にはもう支払わなくてもいいはずなので,その分は返してくれということができます。
この払いすぎて返してくれといえるお金のことを「過払金」といいます。

我々弁護士は,借金で困った人の借金の整理を依頼されると,まず,業者に今までの取引の履歴を提示してもらい,それを利限法に従って計算し直し(引直計算),過払金がないかどうかをチェックします。

利限法の解説はここまでにして,やっとここから今回の本題です。

私が受任しているある事件で,この引直計算をすると,過払金が出たのですが,なんとその額はたった3000円。
業者はめんどくさいので,当然0で和解してくれとうちの事務員さんに言ってきました。
しかし,3000円の話なので私自身も少しめんどくさいなとは思いましたが,3000円とはいえ依頼者のお金ですし,今後の私が業者になめられるわけにもいかないので,0というわけにも行きません。
そこで,私が業者に電話をかけ,「0和解(お互い支払なく0円で和解すること)はできません。3000円支払って下さい。」と言いました。
それに対し,業者の担当者の方は,「ふっ」と鼻で笑ったのです。
「この野郎!!」と私は心の中で叫びました。
(そりゃセコイ話や,馬鹿にされるのも仕方ない,でも,大人同士の仕事の話なんだから,鼻で笑うなんてあまりに失礼ではないか!!!)
非常に腹が立ちました。
と腹を立てていると息をつく間もなくその担当者は,「半分でどうですか?」
(え~?!鼻で笑っておきながら,あんたの方がもっとセコイやないか!!)
私も大人なので「半分は無理です。2000円で。」と穏やかに返しました。
そんなこんなで,2000円で合意。
担当者は「決済の関係で,支払いは来年の1月半ばでお願いします。」
???!!!(鼻で笑ってこっちのことバカにしておきながら,なに図々しく値切ったり支払期限を1ヶ月以上延ばしよんねん。)
まあこちらも急いでない事案だったので,それでOKを出しました。
ほんまとことんせこい話です。

「ホンマむかつくわー。弁護士なめとったらあかんで!!次にこういうふうに鼻で笑う奴おったら,絶対まけたらんぞ!!!利息含めて全額支払以外絶対訴訟おこしたる!!!!」
と心に誓うのでした。

ちなみに本件の場合,他の業者に訴訟する予定があったので裁判所に私が行く回数は変わらないし,裁判所に納める印紙代は3000円程度訴額を追加しても変わらないし,訴訟提起にかかる費用としては裁判所に予納する郵便切手代の約1000円だけ。
だから,その費用を差し引いた分まではまけたのですが,別に一件被告が増えたからと言ってこちらの手間や費用はそんなに変わらないわけなんですよね。
一方相手側の手間は,わずか3000円のために,部署は変えなあかんわ,いろいろ社内手続はあるわ,裁判所に答弁書を出さないといけないわとかなり大変だと思います。
この担当者も3000円の訴訟を実際に起こされたら,訴訟案件の担当部署の人に「年末で死ぬほど忙しいのに,こんな案件を訴訟にしてんねん!!うまいこと示談せんかい
!!!」と相当怒られると思うんですよね。
そこらへんわかってやってんのかな?
多分弁護士は忙しいので,3000円のためそんな面倒なことをいちいちやらないとたかをくくっているんでしょうね。
僕は他に訴訟なくても本当に訴えますよ。
私は結構大人げない弁護士ですので,あまり怒らせないで下さい。
お互い礼節をもって交渉しましょう。

他方,他の業者で8000円の過払がありましたが(過払金の元本6000円,過払金につく法定利息2000円),訴訟にしないで下さいと言ってきて,7000円で和解成立(訴訟外の示談交渉で利息まで抵抗なく支払うのはめずらしいんです)。
この業者は,よく実務を勉強しており,大人でかしこいな~と感心しました。

弁護士でもマチ弁にもなると1000円単位でせこい交渉をすることもあるのです。

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法廷デビュー戦

2006年12月07日 | ⑫雑談
先日やっと事務所事件で法廷デビューを果たしました。
弁護士になって2ヶ月、結構長かったですね。
同期ではもう法廷でバンバン尋問してる人も多いですからね。

この日は11時から地裁で弁論期日があり(ボスの一人と一緒)、これがデビュー戦になるはずでしたが、その日の朝突然他のボスから、代わりに法廷(民事訴訟)に行ってくれと頼まれ、それがデビュー戦、しかも一人デビューになりました。

内容は、簡裁で原告として訴訟提起しているボス(破産管財人)の訴訟代理人として、欠席した相手方の出している和解案にOKを出し、裁判所に民事訴訟法275条の2の和解に代わる決定(これも被告から提案してきた)をもらってくることでした。

予定では、裁判官が言うことに「はい」「はい」言うだけのはずでした。
しかし、裁判官は、管財人が和解するときは破産裁判所の許可がいるのじゃないか、次回期日を入れるからそれまでに破産裁判所の許可を取ってくるよう言われました。
和解条件が額面はこちらの請求を上回っていたので(その代わり支払期限をかなり後にしている)、こちらとしては早く和解を確定させたい、このまま裁判官のいうとおり手ぶらで帰るわけにはいかないと思いました。

そう思いながら、頭をひねってると、確か破産法と破産規則に100万円以下の訴訟なら裁判所の許可はいらないという条文があったことを思い出しました。
それを裁判官に言うと、裁判官は六法を念のため確認しはじめました。
なかなか目当ての条文が見つからないようだったので、私が法壇に行き裁判官の代わりに条文を探しました。
ようやく裁判官に条文を確認してもらうことができ、何とか和解に代わる決定をゲットできそうになりました。

しかし、今度は、裁判所書記官から、本件は請求額より和解額が大きくなるとか何とかで民事訴訟法275条の2第1項の要件を満たさないのでは,とストップがかかりました。
やばいなと思っていたら、裁判官が訴訟を調停に付して(民事調停法20条)、調停に代わる決定(同法17条)を出して、和解に代わる決定と実質的に同じことにすることになりました。
これでようやく一件落着任務終了でした。

ただ、裁判中傍聴席からやたら舌打ちをされまくりました。
というのも、簡裁では、同じ時間に何件も裁判期日を入れ、順番に裁判を行うことが多く、傍聴席は、裁判待ちの当事者や弁護士や金融業者の従業員であふれます。

私は順番が2番目だったので、多くの人が10時から1番目の人と私の合計20分以上待たされていたわけです。
舌打ちする気持ちはよくわかりますが、後ろから聞かされる舌打ちはとても気分が悪かったです。
弁護士か当事者か金融業者の従業員かだれか知らないが、世の中態度悪い人が多いですな。
そんなこんなで、法廷デビュー戦は無事済みました。
傍聴席を見ると、用事が終わったボスが見に来てました。
「なかなか落ち着いていいデビュー戦でしたね」とお褒めのお言葉を頂き、まあ恥だけはかかずに済んだかなと安堵しました。

ちなみに11時からの地裁の弁論期日はすべてボスが話し、私は黙って座っているだけで、前にやった弁護団事件での法廷デビュー戦と同じ感じでした。

今回は,条文と専門用語が多かったですが,雰囲気は伝わったでしょうか。
興味ある方は頑張って自分で調べてみて下さい。

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初心忘れる・・・

2006年12月01日 | ⑫雑談
弁護士登録して2ヶ月。
既に「先生」と呼ばれることに慣れまりくりました・・・

当初絶対に先生と呼ばせないぞと思っていましたが,面倒臭さでつい呼ばれるがままにしていたところ,完全に「先生」と呼ばれることに頭と体が慣れてしまってます。
私の中の「初心」が早くも一つ崩れさっています。

しかし,
自分の中では,勘違いしてしまわないように,先生は職業で,自分が偉いわけではないと言い続けています。
確かに弁護士会や依頼者はチヤホヤして下さいますが,こっちも同じくらい腰を低くして頭を下げまくるなどするようにしています。
こうやって,自分なりに勘違いしないように,バランスを取っているつもりになってます。

まあ,事務所では一番下っ端,事務局の皆さんにもヘイコラしまくってます。
ただ,仕事上の分担の問題があるので,事務局の方をこき使わさせて頂いてます。
といっても,貸金業をやられている方であまり態度のよくない方たちの対応など,しんどい仕事はこちらに回されて来ますので,持ちつ持たれつです。

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