弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

表現の自由の行使

2007年04月30日 | ⑫雑談
日本国憲法21条1項は,「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 」と規定しており,表現の自由を保障しています。

このブログでいろいろ記事を書くことも表現の自由のひとつでしょうが,やはり公権力に対して文句を言うことが一番「表現の自由」を行使していると実感できるときではないないでしょうか。


先日,私は自分の所属している弁護団の活動で,デモ行進とシュプレヒコールをし,相手方となっている官庁の建物に向かって,思いっきり文句を言ってきました。
こんなことが許されるなんて,やはり日本は不完全ながらも自由国家・民主国家なんでしょうね。
憲法の授業でならったことをまさに自分がやるなんて,弁護団事件の解決の使命感だけでなく,何か不思議な感動を覚えました。

私は,正直あまり人前でしゃべることは得意ではないです。マイクパフォーマンスをしているときも,緊張で体はガタガタ震え,頭の中も真っ白になって,何を言っているのかわからない状態でした。
しかし,自分のマイクパフォーマンスが霞ヶ関の官庁街に響き渡っている状況に,脳内麻薬が出まくり,変な快感を覚えました。
つい最近の選挙活動を見ていると,政治家の方々が街頭でマイクパフォーマンスをしていますが,皆さん本当にうまくしゃべりますね。


ところで,話が少し変わりますが,弁護士の私がこのように言うのはどうかなと思いますが,テレビやインターネットを見ていて表現の自由について少し思うことがあります。

というのは,公共に対し表現を行う者は,一定以上の品位やモラルが必要ではないのでしょうか。
見ている人が,不快に思う表現とか,表現したことの影響をあまりに考えないものが多いです。
ただ,何も考えず「垂れ流す」かのような品のない表現があまりに多すぎます。

某●ちゃんねるとかは,差別や人の誹謗中傷等の「便所の落書き」以下の表現が多すぎます。
何回か本当に気分を悪くなったこともあります。

テレビや政治家は,自分たちの無責任な表現が世の中にどんだけ悪影響を与えているかよく考えるべきかと思います。
テレビに出て来る人の非常識な行動は,これが悪いものだと茶化している分には反面教師でいいのですが,ドラマとかで何気ない非常識な行動を登場人物が取っているのとか見ると,多くの人はこのようなことをしてもOKだと思わないことが少なくないと思います。
私のような元テレビっ子はこのようなことが多くて,社会に出て恥を書くことが多ったし,町で若者を見ていると酷いななんて思うことが少ないないです。
もちろん親のしつけが悪いのがすべて悪いのですが,世の中にはきちんとしつけのできない親も多いので,その点は配慮してほしいものです。
あと,政治家の方々ですが,自分が政治責任を問われたときの,言い訳というか言い逃れがあまりに潔くないというか「美しく」ないです。
国民の見本となるべき政治家ですら,こんな言い訳が許されるのだからと多くの子どもたちが思っても仕方ないと思います。
自己保身だけではなく,将来の日本を担う子どもたちもたくさん見ているということを強く自覚して,しゃべってほしいのものです。

このように品のない無自覚な表現は,表現の自由自体を滅ぼすのではないかと危惧しています。
表現の自由の本来の規制は,自主規制や他の表現による批判などによって行うべきで,法規制をすべきものではないと思います。
自主規制できない人に対しては,批判によって訂正をしていかなければならないでしょうが,テレビ・政治家・ネットの酷い発言やサイトは,そのような批判により修正することが事実上非常に困難になっている気がします。
そうすると,法規制をしなければならないってことにならないでしょうかね。
みんな言いたい放題言って,その結果,必要なことも言えなくなってしまう。どうかみなさん表現の自由の自殺行為のような表現をやめて下さい。

少しジジくさい発言になりましたが,最近の表現物を見ていてどうして黙っておれなくなりました。
匿名で書きたいこと書いている癖に,生意気な発言でしたかね。

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