弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

修習の風景~ある前期修習の一日~

2005年11月22日 | ④司法修習について
修習生になって,一度も修習の日記を掲載したことがありませんでしたが,今年の4月中旬の前期修習の初めころに一度書いた日記が偶然見つかりましたので,掲載しようと思います。

朝8時半におきた。
事前配布されている刑事弁護の資料を今日の授業の準備のため読んでおく必要があったので読んだ。
土曜に買ったパンを2つ食べ,仕度をして,9時30分ごろ登庁。
いつものとおり教室のある西館の1階で登庁の判を押して教室のある階に上がる。
教室では毎朝の私の恒例行事であるいずみ寮(研修所敷地内にある修習生の寮)の下駄箱で取ってきた日経新聞を読む。
10時授業開始。今日の1限目は,刑事弁護。グループ討論のあとにグループ起案をする。
焼肉屋で酔っ払い同士のいざこざから発展した傷害事件についての弁護方針を考えるというものである。
被告人は一貫して被疑事実を否認している。弁護人としてどうすべきか。
グループは,私含めた男5人であった。
最初は,こいつは黒か白か話していたが,相手がやくざっぽく証言に信憑性がないこと,被告人が一貫して無罪の主張をしていることから,弁護人としても無罪の主張をすることに,全員が一致した。
冒頭手続の罪状認否で被告人に何を言わすか,その後の弁護人の陳述で何を言うか,検察官の提出書類について何を言うかについて起案し,11時50分に提出した。
昼休みになる。
昼は,弁当を食べた。おなかがすいていたので,500円の弁当を食べる(他に300円の弁当もある)。
500円の弁当は,おかずの種類が非常に多く,非常にボリュームがあって,満腹になる。
満腹になると午後の授業は眠気との戦いになる。
今日の2.3限は,民事共通講義。民事裁判教官と民事弁護教官のコラボレーションである。
1月にもらった白表紙の事件の再現ビデオを見る。
民事裁判教官室制作ということだが,当事者本人2人以外,みんな(裁判官3人と弁護士2人)演技がとても下手である。
特に右陪席(裁判官のナンバー2,裁判長から見て右に座っている人)の女性の裁判官は,セリフが棒読みであった(後から聞くとビデオ作成時の民事裁判教官が一部出演しているとのこと)。
まず,1時間見て,10分休憩。また,1時間続きを見て,その後,アンケートに答える。
4時から,講義再開。民事裁判の第一審手続を裁判所・弁護士双方から見た視点でのコメントを加えながら,解説していく。非常に興味深く面白い。
研修所の授業は,すべて非常におもしろく飽きない(人によるかもしれませんが)。研修所に来て本当によかったと,授業中何度も思う。また,研修所でこのように授業を受けている自分にまだ研修所に来て2週間くらいしか経ってなく慣れていないせいか,ときどきここで授業を受けている自分自身になんか不思議だなあなんて思ってしまう。
4時50分,授業が終わる。
旅行委員から,クラス旅行の場所,費用,費用の徴収日の告知がある。
また,先日,刑事弁護の授業でグループ起案した保釈請求書の結果が返ってきた。初めてのグループ起案で,あまり踏み込んだ議論もできず,いささか出来には不満の残るものであった。
いろいろとコメントがたくさん書かれている。丁寧な添削であった。出来は案の上あまりよくないようだった。
3人のグループ起案だったので,他の2人用にコピーを2部した。
そして,1階に退庁の判を押しに行き,郵便局に10000円下ろしにいった。
今日の放課後は,健康管理(スポーツ大会のこと)のソフトボールとバレーボールの練習である。
ソフトとバレー希望者がそれぞれグランドと体育館に分かれ,練習する。
両方とも希望することが可能だったので,私は運動不足解消のため両方希望した。
まずソフトボールの練習をしようと,寮でジャージに着替えてグランドに出ると,すでに多くの人が集まっていた。
教官が二人も来ていた。
準備運動をし,その後キャッチボール。
約10年ぶりにソフトボールを握り,慣れないため,なかなかうまく投げれない。
何球か投げているうち慣れてきて,何とかうまく投げれるようになった。
その後,ノックをして,2チームに別れ練習試合をした。
人数が多いため,なかなか打順が回ってこないが,2回打てた。
一打席目は,狙い通りうまくピッチャ返しをし,センター前ヒット。
2打席目は,すでに6時半を回り,日が沈んで何も見えなくなったため,三振した。
暗くなったため練習を終わりにし,用具を片付けに行った。
バレーボールの様子を見に,体育館に行く。
多くのソフト組みも合流しており,かなりの人がいた。教官も一人来ていた。
試合形式でやってて楽しそうだ。私も混ぜてもらった。
7時15分くらいになったので,一応解散した。
バスケをして遊ぶ者,バドミントンをして遊ぶ者,そのままバレーをして遊ぶ者などみな好き好きに分かれた。
教官が晩御飯でも何人かで食べにいかないかというので,私はこれについて行こうと思った。
7時45分に研修所北門に集合することになった。
メンバーは,教官と私を含めた修習生5名。
最初は,研修所から徒歩10分くらいにあるファミレス「とんでん」に行こうという話だったが,裁判官任官希望の人が,教官が帰宅しやすいように,和光市駅付近で食べようと気を遣って提案したため,和光市駅付近で食べることになる。
和光市駅にいくため,バスに乗る。
研修所から和光市駅にいくバスは,料金前払いである。ちなみに和光市駅から研修所に行くバスは,料金後払いである。わけがわからない(間違った認識。当時はこのおように思っていた。後から知ったが,バス会社が2社あり,会社によって前払いか後払かが違うそうだ。)。
和光市駅につき,どこに行こうかという話になったが,教官は居酒屋に入り,修習生と語りたかったようだった。
そこで,和光市駅付近の数多くある居酒屋のうちのひとつに適当に入る。
とりあえずみんな生中を頼むことにし,乾杯した。みな久々の運動でお腹がすいていたので,酒より料理だった(私は生中1杯とウーロン茶2杯飲んだ)。
焼き鳥,おでんの盛り合わせ,サラダ,揚げ出し豆腐,枝豆などを頼み,食べた。
話題は,裁判員制度,司法制度改革,出身大学のこと,司法関係のドラマ,将来の希望,教官の刑事裁判の経験談,あるべき弁護士像,裁判官の魅力,昨日提出した自宅起案のこと,成績のことなど話は尽きなかった。
教官を中心に色々な楽しい話を聞き,時間が経つのが早い。時間が遅くなってやばいなと思いつつ,あっという間に11時30分になり,解散ということになった。
料金は一人2500円だった。
店を出たあと,同じビルの別の店で飲んでいた5,6人の同じクラスの人に会う。
次行くぞ誘われたが,明日の宿題があるので断って帰ることにした。
一人はそのまま引っ張られて行った。どこかに消えていった一人を除いた残り2人と寮まで歩いて帰った。
そして,寮に帰り着き,暇なので日記を頑張って書く。書いているうちに盛り上がりしょうもないことをたくさん書いてしまう。
これから,とりあえず明日の宿題を終わらせ,明日の授業の準備をして,3時半ぐらいに寝る予定である。

【ホームに戻る】

平成17年司法試験最終合格発表がありました

2005年11月13日 | ①司法試験について
先日(11月9日),今年の司法試験の最終合格発表がありました。
http://www.moj.go.jp/PRESS/051109-1/17-4soku.html*
合格された方本当におめでとうございます。

知人も何人か受かってて少し安心したりしました。
でも,私と親しい人は,落ちてる人が多かったので,とても残念でした。
なんと声かけていいかわからないし,前に言ってたことと矛盾しますが,法科大学院に方向転換しろとは正直少し言いにくいですね。
でも彼らには早く立ち直って,冷静に自分にとってベストな道を選んでほしいです。
相談あれば,何でものるのですが,こちらからはいいにくい・・・。
少し複雑です。

法科大学院に対しては,未だ法曹業界で賛否いろいろ意見があるようですが,当事者である受験生にとってははっきり言って受かれば新旧どっちも同じですよね。
法科大学院に対する疑問を持っている人も,必ずしも法科大学院に対して正確な情報をもって言っている人ばかりではないようです。
学生の方々の勉強,教員の方々の指導の努力もさることながら(既に死ぬ程の努力をされている方はとても多いと思います),法科大学院は,国民や将来採用する側になる法曹業界等に対して,情報提供(法科大学院生のレベルや勉強の達成度など)をもっともっと積極的にやるべきだと思います。
法科大学院の関係者はただでさえ大変だと思いますが,今の状況だと知りたい人から動かないと現状があまり見えてきません。
でも,その説明をしっかりしてこそ,国民や関係者の理解や協力を得られ,将来の法曹の質の向上があるのではないでしょうか。

適当な思いつきの意見ばかりですが,将来同じ業界となるものとしては,他人事ではないので,これからしっかり見すえていきたいと思います。

【ホームに戻る】