弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

修習生の給費制が1年延長

2010年12月04日 | ⑦法曹就職情報
11月末に,まさに「土俵際いっぱい」で,修習生の給費制がとりあえず1年だけ生き残りました。

でも,司法試験の合格者は減らず,修習生の就職難は増え,司法の需要はそれほど増えません。

持論では,法科大学院と裁判員裁判をやめたら,少しは予算(両方とも税金が相当必要です。少なくとも私の目からは費用対効果は相当悪い印象があります。)が避けられ,修習生の給料が出せるのになあと思います。

少し話題がそれますが,法科大学院と裁判員裁判は,人材を取り過ぎる割には,従来な制度と比較した費用対効果があまりよくない印象があります。
というわけで,実は私は,法科大学院制度,裁判員裁判制度,反対論者だったんです。
ただ,いくら反対とは言え,法科大学院生には罪はないし,いい人材を育成する必要があるので,この前,法科大学院生のエクスターンシップの受入について可と返事しました。また,被告人・裁判員にも罪はないので,裁判員裁判を担当したら,頑張っちゃいます。
制度に,罪のない人たちを人質を取られている感じになって,結局,反対する制度を支えています。
ちなみに私は法テラスにも不満がありますが,これはまたの機会にしておきます。

話は戻りますが,修習生の給費制が折角1年維持されたのに,私の知り合い2人は今年落ちちゃいました。来年は2人に頑張ってもらいたいし,給費制も今年と言わず継続されることを祈ります。

最後にまた脱線しますが,
知り合いが落ちたので,初めて新司法試験の問題をじっくり読みました(憲法だけですが)。
僕が受けた旧司法試験と違い,問題文の中に,一見関係ありそうだけど,回答する上においては不要な情報が入っているのには驚きました。
僕らのときは,司法試験に必要な能力は,法的思考力,論理的思考力,表現力,応用力,法的知識などと言われていましたが,今の試験は,それプラス,「事例解析能力」が問われるようになっているそうです。
ジャンク情報に惑わされず(この誘惑は相当強そうだけど),どの能力に比重を置くべきかしっかり見えてないと,競争率が下がったとはいえ,実力があっても落ちそうな試験だなあと思いました。


司法修習生の「給費制」

2010年11月09日 | ⑦法曹就職情報
前から書きたかったネタですが,なかなか書く暇がなくて,今日までになりました。
久々にブログを触ったついでに書くことにしました。それが前の記事の津谷先生の訃報であることが残念でなりません。

で,早速本題ですが,
現在,司法修習生(司法試験合格した裁判官,検察官,弁護士の卵)には1か月額面20万円程度の給与が出ています。
しかし,今年採用の司法修習生(つまり,菊間千乃さんと同じ時に司法試験に合格し,この11月から司法修習生になる人)から,この給与がなくなるという話になっています(「給費制」の廃止)。

もしこのまま廃止になると,給与はもちろん,交通費なども修習生負担になるようで,そのままでは生活に困る修習生に対しては,最高裁判所が保証人を取った上(親族や某貸金業者),生活費を貸す「貸与制」になるようです。

給費制は国民の皆様の大切な税金を使う重要な話で,この財政難の中,安易に「給費制」を絶対に維持すべきという話にはなりません。
しかし,だからこそ,その維持・廃止の両方について,十分な国民による議論が必要だったと思います。

実際は,「給費制」⇒「貸与制」になるときも,現在,弁護士業界が反対運動をして,給費制を維持する話も,あまりマスコミ等に扱われておらず,全く国民的議論になっていないように感じ,なんとなく,どちらにするにしても違和感を感じます。

そのような手続き的な違和感をとりあえず置き,この点についての私の意見を述べようと思います。

修習生の給与は,修習生の修習専念義務を実質化する上において極めて重要なものであり,法曹の人気を維持し,有能な人材を広く集めるにも役立っているもので,いずれにせよ「法曹の質」の維持には極めて重要なものだと思います。

後者については利権確保や業界のエゴとの批判もありうるかもしれません。
しかし,法曹は,「人権保護」の一翼を担う重要な仕事です。
「人権」は,国民にとっても,国家にとっても,最も重要なものの一つで,その歴史的価値も,獲得するまでに流れた血の量を考えるとはかり知れません。
問題は,弁護士が人権保護のために動いている仕事量は,弁護士全員から見る割合からして,そんなに高くなく,「人権の番犬」としての役割を担っているのがほとんどです。また,全く人権保護活動をしない弁護士も多数います。
裁判官や検察官養成のためならいざ知らず,90%程度が弁護士になる修習生のため,本当に「人権の番犬」になるとは限らない者のために,国民の大事な血税を使うことの是非がこの問題の核心のような気がします。

ここで,筋違いかもしれませんが,国民と国家において,最も重要なもの一つである「国防」と比べたいと思います。
防衛大学校及び防衛医大の学生は,授業料はタダで,しかも,給料をもらえます。
「国防」は国民の生命・身体の安全,自由にとって,とても大事な問題であることは,戦争がなくならない現実世界においては多くの人が認識するところでしょう。
自衛隊は,やはり「番犬」なのです。また,防衛医大は自衛官任官しない場合または9年以内に退官する場合には,防衛医大でかかった経費を返還することになっているらしいですが,防衛大学の場合にはそのような返還の必要はないそうです(私の意見で核となる部分ですが,正確な調査してません。すみません)。

もしこの話がそうなら,レベルや割合等の違いがあるとはいえ,似たような問題だと私はします。
現時点で,「防衛大学の学生の給与を廃止せよ」という方は少ないと思います。それは「国防」が重要だとわかっているからです。
私は,「国防」と同じくらい「人権」も大事だと思っており,そのためには,もっと安く法曹の質を維持できる代替案がない限り,修習生の「給費制」は維持すべきだと思っています。

代替案について,もっと十分な国民的な議論が必要だと思います。

ここで,当面の予算の問題を言うなら,「裁判員裁判」をやめて欲しいと思います。
この前の耳かき屋の死刑求刑の事件でも批判されていましたよね。

私自身はこの制度にわざわざ6人の裁判員と2名の補充裁判員(補欠みたいなもの)の日当(選任手続日,審理日,評議日,判決日)と,この8名を選ぶために,その何倍もの候補者何十名の選任手続日の日当を国庫から払うほどのメリットが,現時点あるのかなと思っています。
国民の半分以上は賛成していなかったし,反対も多かったし,評議に裁判官が入るので民意の反映も制度的に確保されていないからです(素人がプロに反論して勝つのは難しいし,誘導されやすい。また,密室でやり,守秘義務があるので裁判官の誘導がなかったということの保障もない。)。
裁判結果にばらつきが出たり,裁判官の誘導がなかったりしても,裁判結果が世論と連れると批判される可能性があります(本来なら裁判員がそう判断したのなら仕方がないねという風潮が広がっている必要があると思います。)。

話がかなりズレましたが,お金がないから修習生の給料を廃止するくらいなら,その前に裁判員裁判をやめるべきだと思います。
(ちなみに,これは私が担当した裁判員裁判の負け惜しみではありません。私の担当事件は検察側求刑の6割未満で,弁護側求刑の方に近い結果になり,おかげさまでいい結果が得られました。)

ともかく,もうすぐ今年からの修習生の給与がなくなるかどうかが決められようとしています。


後期修習における裁判官,検察官,弁護士の就職の手続

2006年10月02日 | ⑦法曹就職情報
現在過渡期にあり今後どうなるかは全くわからないので,今後の参考になるかどうかわかりませんが,我々59期の就職についての後期修習中の手続について紹介します。

6月末に実務修習を終え,和光の司法研修所に戻りましたが,後期始まってすぐに進路についてのアンケートを書かされました。

そして,7月に入るか入らないかくらいのほぼ同時期に,全員に,裁判官任官のための申込手続に関する書面と検察官任官のための申込み手続に関する書面がそれぞれ配布されました。
申込み期限も,ほぼ同時期のだいたい7月20日前後でした(微妙に期限はずれてました)。
さらに,二回試験後発表直前に,裁判官と検察官はそれぞれ最終面接をしました。
これらを無事肩たたきさんれることなくクリアでき,二回試験に合格すれば,やっと内定がもらえることになります。
内定は,検察官は二回試験合格発表当日夕方に出ました(発表直後)。裁判官の内定は修習終了後おそらく10月5日くらいに出ます。
なお,裁判官は,二回試験の成績によっては肩たたきをされ(上位3分の1とか4分の1以上という噂),志望を撤回しないと任官拒否されることがあるそうです。

弁護士登録手続については7月すぎに,日弁連の登録手続案内及び用紙等の入った封筒が研修所に置かれますので,希望者が取りに行くことになります。
地方の弁護士会への登録については,弁護士会によっては,司法研修所に案内等の入った封筒を送付してくれそれを各自が取ったり,自分で弁護士会に取り寄せたりと,各地方によって異なります。
申込み期限も,弁護士会によって異なりますが,多くは7月の下旬から末で,中には8月末というところもあるようです。
日弁連の登録申込み関係書類は,各弁護士会への申込みと一緒に各弁護士会に提出します。
日弁連の登録諸費用は合計9万円で,各弁護士会への登録諸費用は各弁護士会によって異なりますが数万円から数十万円とかなり幅があります。
それぞれの諸費用の支払いは,各弁護士会への申込みと同時のところが多いので,お金を貯めておかないといきなり借金をしてしまうことになります。
戸籍など各行政機関からもらう証明書類等が必要なので,ちんたらしていると申込み期限に遅れてしまうおそれがあるので注意が必要です。

手書きで記載しなればなりませんが,大事な書面なので,なるべく丁寧に記載したいものですね。

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検事任官進路説明会(今年度,来年度法科大学院卒業予定者対象)

2006年07月10日 | ⑦法曹就職情報
平成18年8月8日(火),9日(水)に東京,同年 8月11日(金)に大阪で平成19年3月又は同20年3月に法科大学院修了見込みで,検事任官に関心のある方を対象とした進路説明会があるそうです。法務省の紹介ページ*

現職検事による体験談,検事任官の手続及び任官後の職務説明,検察広報ビデオの上映などを行うそうです。
あと,あくまで予想ですが,多分現役検察官と話す機会とか少なくとも質疑応答ぐらいはあるでしょうし,東京地検,大阪地検内の見学もある程度させてくれるのではないでしょうか。

法科大学院生の2,3年生の方で参加可能な人は,検察官希望でない方でもは是非参加してみてはいかがでしょうか。

勉強のやる気のいい刺激になるかもしれませんし,現役検察官と話す機会はなかなかないので貴重な体験になるでしょうし,もしかするとご自分が検察官向きであることに気付くかもしれませんし。
とにかく何かしらいい機会になるはずです。

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検事を志す皆さんへ(修習生の就職活動検事編2)

2006年04月12日 | ⑦法曹就職情報
法務省のHP内に「検事を志す皆さんへ*」というサイトを見つけました。
検事任官に関心のある方は是非一度ご覧になって下さい。

松尾邦弘検事総長のメッセージに始まり,検察官の職務内容,検事に採用されるまでのこと,検事に採用されてからのことなどが掲載されています。

検察官の職務内容については,①刑事事件の捜査,②刑事事件の公判,③政府,国際機関等における任務が多くの検事のコメント(特捜部長,捜査部長,公判部長,特捜部検事,捜査部検事,公判部検事,地方の検事,訟務検事,立法活動をしている検事,裁判員制度の推進をしている検事その他の検事などとても盛りだくさんです。)を紹介しながら説明されています。

検察官の職務内容の多様性やそれぞれの職務内容の具体的イメージや検察官の仕事に対する心構え等がつかめるかと思います。

検事に採用されるまでについては,法科大学院未修者コースを進まれた方の場合を例にした検事に採用されるまでの流れ図,最近の検事の採用実績(年度別の男女別採用者数・採用者の平均年齢)が紹介されています。

検事に採用されてからについては,採用後の流れ図,各種検事研修,留学,在外研究について紹介されています。

あと,検察庁のHP*も参考にしてみて下さい。

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司法修習生の就職活動3(弁護士登録)

2006年03月04日 | ⑦法曹就職情報
一言で弁護士になると言っても,弁護士には大きく分けて,①法律事務所の弁護士,②企業内弁護士,③司法支援センター(法テラス)のスタッフ弁護士の3種類に分かれます。

1 まず,②については,正直よくわかりませんが,以前リクナビNEXT*で松下電器産業が企業内弁護士を募集していたのを見たことがあるので,普通の転職の場合の就職活動と同じようにやるのではないでしょうか。

2 次に,①法律事務所の弁護士の場合ですが,これは各事務所に直接就職活動して行くことになります。
日弁連の就職協定では修習開始後の10月1日から事務所訪問を受け付けてよいことになっていますが,大手事務所等では合格した年の11月から青田買いを開始し,早いところでは年内に内定を出すところもあります。また東京の事務所も修習生が関東にいる前期修習中に内定を出したりしてます。
それ以外でも10月1日解禁前に事務所訪問だけ受け付け,内定は出さないという所もあります。
もっとも10月1日解禁前の内定には,拘束力はないのです(内々定といべきか)。

(1)情報収集についてどの事務所が就職活動しているかの情報については,(ア)司法試験の合格祝賀会,(イ)各事務所のHP(インターネット等検索すると結構出てきます。),(ウ)就職説明会,(エ)日弁連のHP*,(オ)各弁護士会のHP*など,(カ)その他知人の紹介等でゲットします。

(ア)司法試験の合格祝賀会は,11月から12月に行われますが,LECや伊藤塾や関西では近畿弁護士会連合会の合格祝賀会では,大手法律事務所等が招待されており,パンフレットや名刺を配ったり,話をしていました。
その後,合格者が各自で採用担当者にメールや電話等で事務所訪問を申し込むことになります。

(イ)各法律事務所のHPは,早いところでは,合格した年の11月から募集を開始します。
それから随時募集する事務所が増えていきます。HPからエントリーしたり,メールを送ったりして,事務所訪問を申し込みます。

(ウ)就職説明会は,各弁護士会や弁護士会内の各会派(派閥)等が主催します。早いところでは,修習開始後の8月ころから開始します。メインは,やはり解禁後の10月以降にやります。
また,今年は年明け後にも弁護士会・会派等によってはやっているところもありました。
各修習生は,ここでパンフレットや名刺ももらったりして連絡先をゲットし,また,直接弁護士と話をしたりして,情報をさぐり,好みの事務所があれば,事務所訪問を後日メール等で連絡して申し込みます。

(エ)日弁連のHPに修習開始後の7月ころ募集事務所の情報が掲載されます。そこで情報を集め,採用担当者等にメール等で連絡を取り,事務所訪問を申し込みます。

(オ)弁護士会によっては求人情報をHP上に掲載します。また,それ以外でも弁護士会館に求人情報を置いて,閲覧ないし配布するところ,修習生に履歴等を登録させる制度を設けているところもあります。

(カ)その他知人の紹介等は,弁護修習先やその紹介,コネ等があります。

(2)事務所訪問事務所の説明,質問の受付,修習生の履歴書の提出(その場で書かすところもあり),自己紹介(自己アピール,志望動機,目指す弁護士像,やりたい仕事内容),事務所内の案内(執務室,相談室,図書室等)等を行います。
その後,食事会等をしたりします。事務所によって採用の最終決定方法は異なり,何回か会ってから決めるところや,パートナー(共同経営者)が全員会って決めるところ,採用担当者が決めた後大ボスが最終面接して決めるところなど,弁護士の多数決で決めるところ等々。事務所の経営形式や経営方針によります。大概は数回の事務所訪問によって何次面接か繰り返して決めるんでしょうね。

弁護士はその数だけ個性があり欲しい人材も千差万別です。勉強も遊びもしっかりしており,弁護士としての自分なりの良心もあり,常識ありれば,いくら就職難でも焦らずじっくりやれば必ず就職は決まるはずです。
就職活動に慣れていない人は,本命に行く前にいくつか他の事務所を回り,場慣れをしていた方がいいでしょう。
最初はよくわからず緊張して,一回の事務所訪問がとても疲れますが,5つぐらい行けばたいがい慣れてくるでしょう。 あと,最初の事務所訪問は,一人で申し込みますが,事務所によっては数人で来てくれと指定してくるところもありますし,数人で行くことをこちらからお願いすることも可能でしょう。
知っている者同士で行く方が,お互い自分も出せるし,緊張もやわらぎます。

3 ③司法支援センターのスタッフ弁護士の場合ですが,司法支援センターについては後日詳しく紹介して行こうと思いますが,簡単にいうと,2006年に設立される独立行政法人に準じた法人で、全国各地の裁判所本庁所在地や、弁護士過疎地域などに拠点事務所を開設し、市民の皆様に様々な法律サービスを提供する機関です。

スタッフ弁護士は,司法支援センターに所属する弁護士です。
確か,任期は3年だったと思います。
1年間一般の法律事務所(養成事務所)で実務をやりながら学んだ後,都市の刑事弁護や法律扶助事件の専門弁護士かどこかの過疎地に派遣されて弁護士をやることになります。
給料は,同期の裁判官・検察官と同程度だそうです。極めて公益性の高い弁護士であり,人のお金よりも人の役に立ちたい,でも安定した収入は欲しいという人向きです。
また,多くの研修を受けられ,鍛え上げられるので,早くスキルをつけたい人にも向いています。
前期修習のころから司法支援センターの説明会や研修が始まります。
説明会や研修は何回かあり,9月ころから司法支援センターの採用面接が始まります。
司法支援センターの内定を取ったら,今度はどの養成事務所に行くか,直接養成事務所に就職活動をします。
養成事務所が決まらない場合は,支援センターの方で斡旋もしてくれるそうです。また,最初に養成事務所の内定を取ってから,司法支援センターの内定を取るという方法もあるそうです。
とりあえず司法支援センターの詳しいことは下記をご参照下さい。 http://www.nichibenren.or.jp/ja/judical_support_center/index.html*

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司法修習生の就職活動2(検察官への任官)

2006年02月19日 | ⑦法曹就職情報
検察官への就職活動について述べようと思いますが,基本的には裁判官の就職活動と同じかと思います。
つまり,まず検察官になりたい旨の意思表示を検察教官にしておくことが必要になります。
この方法は,裁判官への任官について述べたように,司法研修所に修習開始前に出す報告書,自己紹介等のときのアピール,検察教官に相談・質問等に行くこと,検察教官の行うイベントに出席することなど検察教官とのコミュニケーションにより意思表示をしていくことになります。

そして,裁判官同様,成績と人格の双方から採用するかどうか決めるようですが,裁判官が成績重視なのに異なり,検察官の場合はキャラというか適性重視と言われています。
見てる感じだと,やはり,裁判官は文科系の人が多く,検察官は体育会系の人が多い気がします。
ただ,教官により当然好みというか検察官の適性をどう考えているかは違うと思うので,本当に検察官になりたい人は,「お前は向いていない」と一回教官に言われたぐらいではすぐにあきらず,自分に何が足りないのか,自分がどれだれ検察官になりたいか等を検察教官と一度腹を割って話すべきでしょうね。
また,もちろん成績もあまりおろそかにしすぎるとすぐに肩たたきを受けることになるでしょうね。

検察官は昔は人気なかったそうですが,最近はかなり人気が出てきているようですね。
特に,東京地検特別捜査部,俗にいう「特捜」などは,政治家・財界人などの権力者の悪事を追及するなど,とても格好いいですね。
やはり検察官の中では,公判(裁判)より捜査の方が人気はあります。
ただ,最近は近々導入される「裁判員制度」に伴い,法律や事実認定の素人である裁判員にわかりやすい立証活動を行う必要が出てきているため,検察庁も公判に対する認識を改めて行ってます。
プレゼン能力の高い人間が必要になっていくことでしょう。
噂によると,検察庁もイケメン検察官を増やそうとしているとか。ほんとかどうかはよくわからないですが。
今までは,捜査をきちんと適正かつ丹念にやっていれば,裁判官が検察官の主張とおりの認定がなされることがほとんどだったのが,そうでなくなるかもしれないわけだから,かなり大変になると思いますが,逆に公判の訴訟追行も検察官にとってやりがいの多いものになるのではないでしょうか。

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司法修習生の就職活動1(裁判官への任官)

2006年02月16日 | ⑦法曹就職情報
司法修習生は,修習の最終試験(いわゆる「2回試験」)に合格すると,裁判官,検察官,弁護士となる資格(法曹資格)が得られることになっています。
しかし,2回試験に合格すれば当然に裁判官・検察官・弁護士になれるわけではありません。裁判所・検察庁・法律事務所等に修習中に就職活動をしないといけません。
何回かに分けてそれぞれの就職活動について書いて行こうと思います。
ただ,私は一地方の法律事務所の就職活動しかしていないので,それ以外の就活については私が知っている範囲に限られますが。

1 裁判官の就職活動について
(1)任官希望の意思表示
裁判官になりたい人は,遅くとも,後期修習の始まる前くらいには,裁判教官(民事裁判と刑事裁判)に裁判官に任官したいという意思表示しないとなりません。
しかし,早くから一応教官から目をかけてもらった方がアドバイス等を受けられる機会が多くなり得なので,できるだけ早くから意思表示した方がよいと言われています。
一番最初の意思表示する機会は,修習開始前に司法研修所に提出する報告書に志望を書くときです。
修習開始後は,いつでも裁判教官に裁判官になりたい旨伝えることができます。
裁判官かそれ以外か悩んでいる人も一応手を挙げておいてもよいでしょう。
また,既に法律事務所に就職が決まっている人でも,1年目の9月末までは,日弁連の就職協定によれば,内定(内々定)には拘束力がないので,それまでは自由に断れるので,裁判官になりたいと言えばよいでしょう。
実務修習に行ってから,裁判官になりたいと思ったとしても,成績さえ良ければ遅くはないです。裁判官になりたいと思ったときに,裁判教官にまず電話又はメールで相談してから,その後意思表示をすればよいでしょう。

一度意思表示している場合でも,何度も自分の志望動機をアピールした方がいいんでしょうね。
例えば,自己紹介のときや飲み会のときや教官室にいろいろ相談や質問に行くなど。
あと,前期中に研修所が開いてくれる就職説明会や教官が開く裁判官希望の人の集まり等にもこまめに出ておいた方がいいのではないでしょうか。

(2)いい成績をとる
また,裁判官希望の場合,成績がかなり重視されるので,民事裁判・刑事裁判科目はもちろん他の起案でもいい成績をキープする必要があります。
我々の1期前の58期の人までは各科目上位3分の1に入ることが必要と言われていました。
したがって,司法研修所の教科書(いわゆる「白表紙」)などについて,熟読し,理解を深める努力が求められます。要は,まじめにたくさん勉強しろということでしょうね。

(3)その他の資質
もちろん裁判官の資質は,勉強だけではなく,人柄も大事と言われます。まあ,これはリクルーターである各教官の好みもあるでしょうね。
私がもっている裁判官のイメージは,几帳面で,まじめで,マメで,礼儀正しく,丁寧・・・という感じでしょうか。まあいろんな人がいますが。

(4)二回試験後
二回試験の後,裁判官希望者に対し最高裁が最終面接をやるそうです。
一応二回試験の成績もこの時点でわかっているとか。
無事二回試験も合格し,成績もよければ任官できます。
成績がそれほどよくなく任官拒否されそうな人は,事前に教官が肩たたきをするという話です。
任官希望を取り下げて法律事務所に就職活動するか,死ぬ気で勉強をして任官にかけるか,難しいところでしょうね。

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