弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

ワンクリック詐欺の中間報告

2007年06月20日 | ⑤法律問題について
以前,ブログで書きましたワンクリック詐欺(不当請求)について,これまでの経過をご報告します。

私のIPアドレス等の情報付きの不当な番組料金99450円の請求は,毎日2~4通来ました(11日間で30通)。

最初は無視していたのですが,あまりにもうっとうしいので,請求開始から11日目に受信拒否にしてしまいました。

その後,ワンクリックしてから30日(不当請求が来だしてから15日)経つと,正規の料金と延滞料の請求が来て,請求内容が変わることを思い出し,その変化はやはり見届けないとダメと思い直し,受信拒否を解除しました。
しかし,その後一切のメールが来なくなりました。

ちょっと!ちょっとちょっと!!諦め早すぎますよ!!!
ブログを見たのですか?
諦めてくれなくてもどうせ支払いませんけど,全く何もなくなるのは少し寂しすぎますよ。

ただ,
まだ受信拒否してから5日くらしか経ってませんし,まだワンクリックしてから30日も経ってないので,30日経過すればもしかすると新しい請求をしてくれるのではないかと,しようもない無意味な期待をしています。

あれだけ不当請求メールをうっとうしがっていたのに,人間ってゲンキンなものですね。

まだ一件落着かどうかわかりませんが,また,30日目を経過してしばらくしたら,最終報告をしようと思います(思わぬ宣戦布告があってまた途中報告になってしまったら,みなさん笑って下さい。)。

結局,噂どおり,不当請求者は,ワンクリックした人のメルアドやIPアドレスしかしらず,びびってその他の個人情報(氏名,住所,電話番号等)を教えさえしなければ,請求メールや脅迫メールを送る以外何もできないのでしょうかね。
ちなみに,私の所には脅迫メールは来てなかったです(でも普通の人が読むと脅迫と感じるかも知れませんけど)。

少しはワンクリック詐欺に困っている方にとって参考になったでしょうか。

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結構あるんだな~

2007年06月08日 | ⑫雑談
先日,うちの事務所にボスの元依頼者の方からお電話がありました。
息子が逮捕されたので,どうしたらいいか相談にのって欲しいと。
ボスがいないのでとりあえず私が対応することになりました。


【以下,会話】
相談者「息子がちかんということで逮捕されたんですが,どうしたらいいでしょうか?息子は絶対そんなことをするはずないんです。」

(え~!!とうとう私のところにも映画「それでも僕はやってない」と同じ,痴漢えん罪事件が来た~!!どうしよう!!)

私「やったか。やっていないかは実際本人に聞いてみないとわからないと思いますが,とりあえず当番弁護士を一度呼ばれたらどうでしょうか。当番弁護士なら,とりあえず1回目はタダですし,24時間以内に来てくれるので,一番早いですよ。」

(う~。当番弁護士に振っちゃった。でも本人のためには,そっちの方が早くていいかもしれないから,仕方ないね。)

相談者「これからどうなるのでしょうか?どうしたらいいのでしょうか?」

私「とりあえず逮捕されて48時間で,検察に送られ,それから勾留ということになれば,さらに最高20日の身柄拘束を受けます。どちらにせよ,当番弁護士を呼んで下さい。警察行って本人に会えれば本人に呼ばせればいいでしょうが,会えないようなら,親族でも呼べますので,弁護士会に頼めば来てくれます。」

相談者「ちょっと待って下さい。妻に代わります。」

相談者の妻「警察の対応に腹が立っているので聞いて下さい。」

私「はい。」

相談者の妻「警察が,息子の携帯番号を教えろと言うんです。息子の携帯は押収して別のところにあるので,今わからないし,息子に聞いても教えないので,早く教えろというんです。しかし,私は,息子が教えないものは教えられませんと言ったんです。そしたら,そんな態度取っていたら息子がどうなってもしらんぞ。刑事事件になるぞと言って脅すようなことをいうんです。警察がそんなことを言っていいのですか?」

(警察は変なことをいうんだなあ。実際に押収しているなら,それを見たら仕舞だし,別に本人捕まえているなら,携帯番号を聞く必要ないじゃん。)

私「いいとはいえないですが,実際にそういうことを言う警察官もいるかもしれませんね。ところで,息子さんにお会いに警察に行きましたか。」

相談者の妻「まだ,行ってません。しかし,息子が電話口に出てきて,泣いてました。」

私「?!」

(それって・・・・・もしかして・・・例のアレちゃうん?)

私「あの~,それってもしかして『振り込め詐欺』ってことないですか?一度警察署に電話して,息子さんが本当に捕まっているか確認した方がいいのではないですか。」

相談者の妻「え!!一応確認してみます。」

数時間後・・・

相談者の妻「先生。警察に電話したら,『それは振り込め詐欺ですな』と言われました。どうもありがとうございました。」
【会話終了】


とりあえず,一件落着。よかった,よかった。
それにしても,こういうことって本当に結構起きてるんですね。
私もワンクリック詐欺に遭ってますしね。

皆さんも,こういうときは,すぐに冷静に判断できるだれかに相談したほうがいいと思います。
知人などでは恥ずかしい場合には,弁護士に相談すべきでしょうね。弁護士なら守秘義務があるので,他に漏れることないです。
また,普通は,弁護士はこのように電話で簡単に対応することはまずないです。
そういうときのためにも,弁護士を知り合いに持っておいたり,かかりつけのホームドクター的な弁護士(ホームローヤー)を一人でも持っておくことは,ひとつの人生の保険として,大事なことかなと思います。

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ワンクリック詐欺?!(架空請求,不当請求)について

2007年06月05日 | ⑤法律問題について
よく私のメルアド(deppa@mail.goo.ne.jp)に迷惑メールが来ます。

大概は無視して開きもせずすぐ消去するのですが,この前なんとなくメールを開いてしまいました。内容はアダルトサイトの案内。特に,有料であるとの記載もなかったので,なんとなく興味がわいて見てやろうと思って,サイトを立ち上げました。
立ち上がったサイトに「入り口」というところがあったので,それもクリックすると,なにやら怪しい感じのものがダウンロードでされ,あわててサイトの中を見ると,クリックにより入会済みであること,入会金はキャンペーン中のサービス価格9万円強を支払え,支払わないと正規の値段と延滞料を請求すること,それでも支払わないと支払督促の手続を取るということが書かれていました。
あわてて,「入り口」のあったページに戻ってよく見てみると,スクロールした下の方に,入会すると入会金が発生すること,入会はそれを同意した上でクリックすることで行われることが書いてありました。

あちゃーと思っていたのですが,これはよく巷で言われているワンクリック詐欺かと思い,「架空請求・不当請求対策のプロの弁護士に架空請求できるもんならやってみろ,ええ度胸やないかい!」と思い直しました。
私は,当然入会もした意思もなくクリックしただけなので,そもそも入会の意思表示もしてませんし,仮にしていたと言っても錯誤(民法95条*)ですし,私の重大な過失もないので(普通クリックしただけで9万円払わないといけないと思わない。),私の入会自体は法律上無効なわけです。
(なお,重大な過失があったのではご心配な方も,電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律(いわゆる「電子消費者契約法」)第3条*でほとんどの場合無効主張できますので,ご安心下さい。)

といってもわざわざそんな詐欺のために「無効ですよ。」というメールをするのもバカらしいし,寝た子を起こすようなことをすると面倒なので,当然のように無視を決め込みました。

無視して15日たったところで,相手さんから早速9万円強を支払えというメールが来ました。
弁護士に不当請求とはいい度胸だと思い,冷やかしに電話してやろうと思いましたが,これをするとやはり寝た子を起こすことになるし,事務所に迷惑かかるかなと思い,やはりやめました。
どうせ引っかかっている人は,世の中五万といるし,15日たったら機械的にメールが送られるようになっているだけだろうし,どうせびびって電話してきた人だけ脅そうという腹なんでしょうね。

今後これがどうなることか,相手の出方が楽しみです。追い込みかけてきたら,事務所には多少迷惑をかけるかもしれませんが,返り討ちにしてやろうと思っています。

相手のメールには30日たったら,正規の入会金と延滞料の支払請求すると書いてあったので,おそらく次に相手からメール来るのは15日後くらいでしょうかね。
どんなメールが来るか楽しみです。

また,ブログで経過を報告したいと思います。
(まさか相手さん,このブログ見てないよな。もしご覧になっておられましたら,私はどんなに脅しても迷惑行為をしても絶対に支払いませんので,どうか諦めて下さい。時間の無駄ですし,やぶ蛇になるリスクもあると思います。お互いのために諦めた方がいいですよ。)

皆さんも,興味本位で迷惑メールを開くのはやめましょう。
あと,不当な請求が来ても,あまり慌てふためかず無視しましょう。相手に連絡すると,そこで始めてターゲットにされるだけです。
仮に間違ってターゲットにされても,相手には殺されても絶対に支払わないという固い決意をしめしましょう。まさか数十万円のために相手も人は殺しません。相手は楽して金儲けしたいのでやっているだけです。楽でないことと,儲からないということを早めに教えてあげましょう。その上で弁護士に相談する。
無視を続ける場合の注意点は,裁判所から訴状と支払督促が来たときだけは,無視してはダメです。ただ,そのときもすぐに相手に直接連絡をしてはダメです。偽物の訴状や支払督促の可能性がありますので。まず弁護士等に相談に行って,本物かどうか聞くべきです。
このくらいの弁護士への相談は,最寄りの市町村*弁護士会*法テラス*の法律相談で簡単にできます。
とにかく皆さん気をつけましょう。

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