弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

詐欺系の出会い系サイトに対する対処の仕方

2013年07月02日 | ⑤法律問題について
最近,私の携帯に,出会い系サイトからの迷惑メールが,異様にたくさん来ます。

それに対して,私は,①警察や監督官庁や決済代行会社に通報するという警告をサイトに送る,②退会手続きを取るという手段で対応していました。

ほとんどのサイトは①,②の一方がダメでも,他方の①,②の手段のどれかで対処できるサイトがほとんどでした。

しかし,一番,こういう出会い系サイトに対する最も有効な手段は,着信拒否です。
しかも,それは特定のメルアドやドメイン(メルアドの@の右側の文字列)の直進拒否では足りず,特定のメルアド以外の着信拒否するなどの包括的な着信拒否が一番です。

私が,喧嘩していたサイトで,しんどかったサイトは,毎回メルアドやドメインを変えながら,警告メール(脅し文句や詐欺的文句を言いながら,お金を支払わせようとするメール)を送りまくるサイトです。
一日で100通くらいはメールをいただきました(笑)。

しかし,私が,「アドレス帳に載っているアドレス以外は全部着信拒否」設定にすると,あっさり迷惑メールを止めることができました。

ちなみに,そのサイトが,警告メールで言ってきたのは,①「信用情報が各機関に公開される」,②「遅延損害金が2万円以上発生する」,③「お客様の個人情報を公開する」,④「回収部署に移行する」,⑤「アカウントセキュリティが無効になり,大変危険な状況になる」,⑥「興信部に個人データ移行処理を行う」などでした。

①は,こんなことはこのようなサイトにはできないことですし,公開すると,個人情報保護法違反やプライバシー権侵害になります。

②は,私の場合,5000円の支払いを請求されていたのに,その4倍の請求です。完全に,消費者契約法9条違反で,無効な話です。(その前にそもそもワンクリック詐欺とか,約款に同意していない者への約款の押し付けという意味不明な話でした。)

③も,①同様個人情報保護法違反やプライバシー権侵害になります。

④は,回されても,携帯メルアドしかわからないのに,直接電話や家に来ることはありません。通常は,調査費用が過大にかかるので調査などしません(弁護士等に依頼しないと調べられない。)。仮に,請求額が大きくて調査しても,出るところ出ないと,本格的な請求はできません。自らの詐欺を白日の下にさらすことは通常しないでしょうし,したとして,訴訟や支払督促など裁判手続きをしても,その時点で弁護士に相談すれば十分間に合います(もちろん,メールの保存や写真撮影など証拠はなるべく残してください。)。

⑤は,クラッキング(犯罪的ハッキング)であり,違法でしょう。

⑥は,これも④同様,コストがかかりますし,実際に調べても,サイト側にリスクだけが発生するので,実際には行わないでしょう。

①~⑥まで,無効な話や違法な話や現実的ではない話ばかりでした。


サイトは,実際には行動せず,メールの脅しだけで,楽してお金を回収しようとします(しかも,素人の無知をついて)。
それはローコスト・ローリスクでハイリターンだからです。

逆にいうと,サイト側は,ハイコストとかハイリスクなことは,よほどじゃない限りしてきません。
そう考えると,脅迫されていても,無視して着信拒否するのが一番いい手立てです。

もちろん,本当に裁判所から通知が来たら無視してはいけませんが。
ただ,この場合も,裁判所の名前を語っている場合があるので,まずは,その通知が本物かどうか,弁護士や役所の消費者センター等の専門家に確認する必要があると思います。

とにかく,悪徳商法や詐欺師に対する対策は,相手しないこととお金を支払わないことが一番です。

お金をうっかり支払ってしまったときは,消費者事件を重点的にやっている弁護士か役所の消費者センターに問い合わせください。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿