弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

「第4回川西まつり」 H22.11.14(日)

2010年11月12日 | ⑫雑談
今週の日曜日、私の事務所がある川西市で、「川西まつり」というのがあります。

概要はこちら⇒川西市HP

主催は、私が入っている川西市商工会とJA六甲さんです。
私は、商工会の青年部のメンバーとして、参加します。

このブログは一人2,300人くらいしか見られていませんが、見られた方はぜひいらしてください。

見どころは、シンガーソングライターの植村花菜さんのステージと、豪華賞品が当たるスタンプラリーです。
オフィシャルサイトオフィシャルブログ

植村さんは、川西出身ということで来ていただくことになりました。
「トイレの神様」という超泣ける10分以上ある歌で有名です。
当日は2回ステージをされます。

(第1次ステージ)
 場所:三角広場(阪急川西能勢口駅のすぐ東)
 時間:13:00~

(第2次ステージ)
 場所:アステ2階広場(阪急百貨店があるビル)
 時間:15:30~

(どちらも30分程度を予定)

私も、「トイレの神様」を初めて聞いた時は不覚にも泣いちゃいました。日曜日も泣いちゃいそうです。


スタンプラリーは、東京ディズニーリゾートペア1泊2日旅行、液晶40型TV、マウンテンバイク24型、任天堂DSiなど豪華商品が多数あたるそうです。


その他、いろいろなイベント、出店があります。
ぜひぜひお越しください。


司法修習生の「給費制」

2010年11月09日 | ⑦法曹就職情報
前から書きたかったネタですが,なかなか書く暇がなくて,今日までになりました。
久々にブログを触ったついでに書くことにしました。それが前の記事の津谷先生の訃報であることが残念でなりません。

で,早速本題ですが,
現在,司法修習生(司法試験合格した裁判官,検察官,弁護士の卵)には1か月額面20万円程度の給与が出ています。
しかし,今年採用の司法修習生(つまり,菊間千乃さんと同じ時に司法試験に合格し,この11月から司法修習生になる人)から,この給与がなくなるという話になっています(「給費制」の廃止)。

もしこのまま廃止になると,給与はもちろん,交通費なども修習生負担になるようで,そのままでは生活に困る修習生に対しては,最高裁判所が保証人を取った上(親族や某貸金業者),生活費を貸す「貸与制」になるようです。

給費制は国民の皆様の大切な税金を使う重要な話で,この財政難の中,安易に「給費制」を絶対に維持すべきという話にはなりません。
しかし,だからこそ,その維持・廃止の両方について,十分な国民による議論が必要だったと思います。

実際は,「給費制」⇒「貸与制」になるときも,現在,弁護士業界が反対運動をして,給費制を維持する話も,あまりマスコミ等に扱われておらず,全く国民的議論になっていないように感じ,なんとなく,どちらにするにしても違和感を感じます。

そのような手続き的な違和感をとりあえず置き,この点についての私の意見を述べようと思います。

修習生の給与は,修習生の修習専念義務を実質化する上において極めて重要なものであり,法曹の人気を維持し,有能な人材を広く集めるにも役立っているもので,いずれにせよ「法曹の質」の維持には極めて重要なものだと思います。

後者については利権確保や業界のエゴとの批判もありうるかもしれません。
しかし,法曹は,「人権保護」の一翼を担う重要な仕事です。
「人権」は,国民にとっても,国家にとっても,最も重要なものの一つで,その歴史的価値も,獲得するまでに流れた血の量を考えるとはかり知れません。
問題は,弁護士が人権保護のために動いている仕事量は,弁護士全員から見る割合からして,そんなに高くなく,「人権の番犬」としての役割を担っているのがほとんどです。また,全く人権保護活動をしない弁護士も多数います。
裁判官や検察官養成のためならいざ知らず,90%程度が弁護士になる修習生のため,本当に「人権の番犬」になるとは限らない者のために,国民の大事な血税を使うことの是非がこの問題の核心のような気がします。

ここで,筋違いかもしれませんが,国民と国家において,最も重要なもの一つである「国防」と比べたいと思います。
防衛大学校及び防衛医大の学生は,授業料はタダで,しかも,給料をもらえます。
「国防」は国民の生命・身体の安全,自由にとって,とても大事な問題であることは,戦争がなくならない現実世界においては多くの人が認識するところでしょう。
自衛隊は,やはり「番犬」なのです。また,防衛医大は自衛官任官しない場合または9年以内に退官する場合には,防衛医大でかかった経費を返還することになっているらしいですが,防衛大学の場合にはそのような返還の必要はないそうです(私の意見で核となる部分ですが,正確な調査してません。すみません)。

もしこの話がそうなら,レベルや割合等の違いがあるとはいえ,似たような問題だと私はします。
現時点で,「防衛大学の学生の給与を廃止せよ」という方は少ないと思います。それは「国防」が重要だとわかっているからです。
私は,「国防」と同じくらい「人権」も大事だと思っており,そのためには,もっと安く法曹の質を維持できる代替案がない限り,修習生の「給費制」は維持すべきだと思っています。

代替案について,もっと十分な国民的な議論が必要だと思います。

ここで,当面の予算の問題を言うなら,「裁判員裁判」をやめて欲しいと思います。
この前の耳かき屋の死刑求刑の事件でも批判されていましたよね。

私自身はこの制度にわざわざ6人の裁判員と2名の補充裁判員(補欠みたいなもの)の日当(選任手続日,審理日,評議日,判決日)と,この8名を選ぶために,その何倍もの候補者何十名の選任手続日の日当を国庫から払うほどのメリットが,現時点あるのかなと思っています。
国民の半分以上は賛成していなかったし,反対も多かったし,評議に裁判官が入るので民意の反映も制度的に確保されていないからです(素人がプロに反論して勝つのは難しいし,誘導されやすい。また,密室でやり,守秘義務があるので裁判官の誘導がなかったということの保障もない。)。
裁判結果にばらつきが出たり,裁判官の誘導がなかったりしても,裁判結果が世論と連れると批判される可能性があります(本来なら裁判員がそう判断したのなら仕方がないねという風潮が広がっている必要があると思います。)。

話がかなりズレましたが,お金がないから修習生の給料を廃止するくらいなら,その前に裁判員裁判をやめるべきだと思います。
(ちなみに,これは私が担当した裁判員裁判の負け惜しみではありません。私の担当事件は検察側求刑の6割未満で,弁護側求刑の方に近い結果になり,おかげさまでいい結果が得られました。)

ともかく,もうすぐ今年からの修習生の給与がなくなるかどうかが決められようとしています。


秋田の弁護士刺殺事件について

2010年11月09日 | ⑥弁護士等法曹情報
秋田の津谷裕貴先生が先日お亡くなりになりました。

ニュースで見られた方も多いかもしれませんが,知人で元離婚調停の相手方の男性に刺殺されたのことです。

津谷先生は,秋田県にいながら,日弁連の消費者問題対策委員会の委員長で,消費者被害弁護士の重鎮でした。

私が入っている全国先物被害研究会では,かつて代表までされた方で,古くは豊田商事の被害者の弁護団,つい最近でも精力的に被害回復のために尽力され,年2回ある全国大会でも必ずと言っていいほど発言をされていました。

同じ消費者被害,先物被害弁護士である私にとっては,直接お話したことはないですが,雲の上の存在で,目標とすべき大きな壁でした。

津谷先生は知る人ぞ知る大物弁護士であったと認識しております。

亡くなられた当日は,私は係争中の海外先物オプション業者の尋問があり,第一報を聞いたときは,その準備中でした。
しばらく信じられず,固まってしまいました。
津谷先生に見守って頂いたおかげかどうかはわかりませんが,その尋問自体は自分ではうまく行ったと自負する結果になり,被告らの嘘,いい加減さ,むちゃくちゃさが十分に出たように思います。

尋問の方法等は,津谷先生も含め,先人の知恵と経験を参考にしたもので,この結果をもって,少しくらいは津谷先生の魂の慰めにでもなればと思っています。

津谷先生のお通夜には,秋田県の全登録弁護士数を超える約100名の弁護士が集まったようです。葬儀やお通夜の前にも多くの弁護士が津谷先生のもとにかけつけたようで,それを考えると合計でどれほどの弁護士が秋田に行ったかわかりません。お葬式には,日弁連の宇都宮会長も行かれたようです。
津谷先生を失った損失が,業界にとって,いかに大きかったかがわかるように思えます。

秋田弁護士会会長が事件の直後声明を出されましたが,その中に,「津谷裕貴弁護士は、当会会長等の要職を歴任しただけでなく、消費者問題に熱心に取り組み日本弁護士連合会の消費者問題対策委員会委員長や秋田県消費生活審議会委員の職にあった。当会としても、津谷裕貴弁護士を失ったことは、痛恨の極みである。」とありました。

このフレーズ自体はとても短いものですが,私には,この文章の行間には,間近で津谷先生を見てきた弁護士の心から悲しんでる気持ちがたくさんこめられているような気がして,読んだだけで涙がこぼれそうになりました。

この事件は,警察の対応も含め,いろいろな点で「なぜ?!」という点が多い事件です。
(一番は「なぜ寄りによって津谷先生やねん?!」,次は「なぜ警察官は津谷先生を取り押さえたのか?!」,その次は「なぜ警察は法的責任はともかく道義的責任をすぐに認めて謝罪せず,マスコミを使うなどして法的責任がないことを言ったりしたのか?!」ということです。少なくとも,県警本部長以上の人に警察官が臨場しておきながら事件が起きたことについて,道義的に謝ってほしかったです。)

ただ,我々,消費者被害弁護士,先物被害弁護士からすれば,津谷先生が亡くなられたから,日本の消費者被害対策,先物被害対策が何年も遅れたと言われないように,ここで踏ん張ることが何よりの津谷先生への鎮魂でもあり,恩返しでもあるような気がします。

ご家族には到底及ばないし,津谷先生をよく知る弁護士の方々にも到底及ばないですが,つらいです。

心より冥福をお祈りします。