弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

サマークラーク(サマクラ)・エクスターンシップの募集

2016年05月18日 | ⑥弁護士等法曹情報
【募集要綱】

1 採用予定人数
 1~2名
                        
2 必要な資格
 法科大学院(ロースクール)の学生,予備試験合格者,司法試験受験者,ロースクールの卒業生,またはそれらに類する能力(司法試験・予備試験の受験生,三振者も含む)を有する方で,ワード・エクセル・(できれば)パワーポイントの操作のできる方

3 業務内容(予定)
 法令・判例の調査及びその結果のレポートの作成,簡単な法律書面の作成
 電話・来客対応,パソコンでの書類作成,裁判所・金融機関等での書類提出・受領
 記録整理,その他弁護士事務補助など

4 雇用期間
 本年5月,6月~働ける期間まで
 (受験生は受験後,再雇用の可能性もあります。) 
 
5 勤務日,勤務時間
 週2~3日(曜日は要相談),午前10時から午後5時まで(途中休憩1時間あるので,1日6時間勤務)。
 場合によっては週4日以上になったり,残業がある場合もあります。

6 給与・待遇
 アルバイト(時給は要相談:能力に応じますが,最低時給800円はお支払いします。ちなみに,1~5代目バイトの方はみんな時給1000円でした。)
 交通費全額支給
 契約期間は原則1か月。アルバイト開始時期は5月の途中からを考えています。契約期間終了後も必要に応じてまた来て頂く場合があります(ちなみに,2代目のバイトの方は,司法試験の受験準備のため途中数カ月契約を更新せず,中断しましたが,受験後は再雇用しました(12月,1月と働いてもらい,2月~6月は中断。7月から11月まで働いてもらいました。)。3代目は6月に雇用して一発合格なので中断なし)。

7 応募方法
  履歴書(写真添付)等を当事務所まで郵送またはメール(inoue@hokuchu-law.jp)ください(担当井上伸宛まで)。

8 選考方法
  1次選考 書面審査(5月以降随時)
  2次選考 面接(5月以降随時)

非常勤裁判官(家事調停官)の採用に応募しました。

2014年04月25日 | ⑥弁護士等法曹情報
このたび,兵庫県弁護士会から薦められ,非常勤裁判官(家事審判官)の採用に応募しました。

薦めて頂いた兵庫県弁護士会には,僕のことを評価していただいたと勝手に受け止めており(笑),感謝しています。

非常勤裁判官とは,週1回裁判所に出頭し,民事調停や家事調停の調停官をする仕事です。
調停官とは,調停手続を主催する仕事をします。
つまり,調停においては,常勤裁判官(普通の裁判官)と同じ仕事をする重要な仕事です。

一応,民事調停官になる可能性もありますが,第1希望は家事調停官で出しているので,順調に採用されれば,家事調停官になると思います。

家事調停は,離婚,親権指定,親権変更,婚姻費用分担,子の引渡し,監護者指定,認知,婚姻無効,離婚無効,養子縁組の離縁などの親族関係の調停,遺産分割等の相続関係の調停です。

任地は神戸と大阪に希望を出していますが,おそらく神戸家庭裁判所本庁(神戸市中央区)になると思います。

自称離婚弁護士としては,腕が鳴ります。
今まで習得した法的知識,交渉技術,説得技術,事実認定能力,その他社会経験をフルに発揮して,世の中の役に立てるわけです。

採用は今年の10月か11月くらいに決まります。
伊丹支部長をやりながら,週1回裁判所で拘束されますので,依頼者や相談者の方とは連絡が取りにくいなど御不便をおかけしますが,当事務所の鳥山直美弁護士と連携しながら対応しますし,当職の家事事件の能力向上に役立ちますので,何卒ご理解ください。
あと,新件の方についても,私が忙しくて新しい事件の相談が難しくても,私が信頼する鳥山弁護士がいいますし,うちの事務所は事務所内のコミュニケーションは一番気をつけていて,仮に彼女が困っても,私が常に話を聞いて,アドバイスしていていますので,安心してご相談頂きたく存じます。

私は順調に神戸家庭裁判所で採用されれば,調停をしたことが一度もないので,利害相反の問題は出ないと思いますので,神戸家裁以外の管轄の方は安心してご相談・ご依頼ください。


兵庫県弁護士会伊丹支部の支部長になりました

2014年04月06日 | ⑥弁護士等法曹情報
今年の4月1日から兵庫県弁護士会伊丹支部*の支部長になりました。


伊丹支部の弁護士も4月1日時点で42名になり,大変な時代が来ました。
責任重大です。

弁護士が多数になったこともあり,組織化の必要が出てきたので,とりあえず会員の負担は多少増えますが,支部でプロジェクトチーム(PT)なるものを作りました。

刑事弁護PT
法テラスPT
消費者保護PT
研修・業務対策PT
の4つです。

刑事弁護PT,法テラスPT,消費者保護PTは,弁護士会の阪神支部(裁判所の尼崎支部管轄内の支部)と連携して,南北の阪神間(尼崎市,芦屋市,西宮市,宝塚市,伊丹市,川西市,猪名川町)の刑事弁護,法律相談,法律扶助,消費者保護について,機動的かつ充実したものを提供するために組織しました。

研修・業務対策PTは,裁判所の伊丹支部管内(伊丹市,宝塚市,猪名川町,川西市)の弁護士の質の向上と,管内の市民がよりよい法的サービスを広く受けられるようにするために,作りました。

もともと伊丹支部の弁護士には人材はいますが,全体のレベル向上させ,近隣の住民の方により良質の法的サービスを受けれるようにしたいと頑張って参りたいと思います。

これからも,支部長の私も含めて,伊丹支部の弁護士に対して,ご指導・ご鞭撻いただけますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
(あ~忙しい・・・)







兵庫県弁護士会伊丹支部管内の弁護士事情

2014年03月04日 | ⑥弁護士等法曹情報
昨日3月3日、兵庫県弁護士会伊丹支部*の支部総会が、伊丹シティホテルで行われました。

そこで、正式に、私が、来年度(本年4月1日~来年3月31日)の伊丹支部長に選任されました。

昨日現在、伊丹支部の弁護士は41人、総会の決議の定足数は21人で、なかなか定足数が集まらなくて、苦労しました。

私が、伊丹支部に所属したのは、平成22年1月、その当時は、伊丹支部の弁護士は20人強でした。
わずか4年で、支部会員が2倍に・・・・

全国の弁護士は、不正確ですが、3万人が4万人に増えた程度・・・全国の増加率よりかなり多い気がします。

今回も、伊丹支部は、事務所が1つ増え、新人が3人も増え、新人以外にも数人増えました。

相談者・依頼者は、必ずしも地元の弁護士に行くわけではなく、大阪・神戸・尼崎の弁護士に少なくない人たちが流れています。

伊丹支部の弁護士も、倒産、少年、消費者保護、投資被害、交通事故、離婚、相続、ペット問題、その他各種事件について、他の地域の弁護士に負けない知識・経験・技術を持った弁護士がそろっているんですけどね。

わが支部も、支部内の弁護士同士、他の地域の弁護士、支部内の他士業間(公認会計士、税理士、司法書士、行政書士など)等との過当競争が激化しており、単純な人口比以上に競争が厳しくなっています(特に他士業は、今まで弁護士が少なかった地域だったので、わが業界の業務範囲内で、活躍し、強固な地盤を作っている感じです。)。

ともかく、わが支部内のわが業界の利益は二の次で、わが支部管内の市民にとってベターな司法サービスを提供するため、支部会員が一丸となって、努力することが大事ですね。


いい弁護士の探し方・選び方

2013年03月20日 | ⑥弁護士等法曹情報
いい弁護士には,2つの意味があります。

主観的にいい弁護士=自分にとって都合のよいことを言う弁護士
客観的にいい弁護士=自分にとってベターないしベストな解決をプロデュースする弁護士
です。

主観的にいい弁護士を探すには,たくさんの弁護士に相談して,自分にとって一番都合のよい回答をしてくれる弁護士が出てくるまで待てばいいです。
しかし,この場合,無能弁護士または金儲け至上主義弁護士の食い物にされ,少なくない財産を失うことを覚悟する必要があります。

本稿で言いたいのは,客観的にいい弁護士を探す方法です。
(「良薬は口に苦し」的弁護士も含む)
特に私は,消費者側の弁護士なので,消費者側の立場に立って本稿を書きます。
念のため,申し上げておくと,ここで書いていることは,いい弁護士が見つかる確率が比較的いいと私が思っている方法であり,100%いい弁護士が見つかる方法ではありませんので,その旨ご了承ください。

客観的にいい弁護士とは,
①人柄がよく(主として職業倫理が高いこと)
②有能で
③当該事件の処理に精通している
弁護士です。

しかし,①~③は一般消費者にはなかなか見極めが難しいです。

まず,いい弁護士を見極めるためには,
弁護士の習性ないし傾向をよく知っておくべきです。

ほとんどの弁護士にも言えることですが,弁護士は,なるべく楽して,着手金・報酬がたくさんもらえる事件が好きです。
なので,楽でおいしい事件にはがっつく傾向にあります。
楽でおいしい事件とは,過払事件,死亡事故・高度の後遺障害の交通事故,資産家の相続,資産家・高所得者の離婚,賃料滞納の建物・土地の明渡などです。
がっつくということは,受任に向かうよう相談者を煽ることです。
煽るパターンとしては,弁護士をつけないリスクを必要以上に煽る場合と(やらないと損する),弁護士をつけることによるメリットを必要以上に煽る場合(やれば得する)です。
こういう弁護士には注意が必要です。

これを見極めるには,何ら具体的根拠を示さずに,勝訴すると言ったり,勝訴の見込みが高いという弁護士かどうか,特に,弁護士を付けた上での敗訴リスク・回収不能リスクを具体的に説明しない弁護士かどうかです。
ただ,放っておくと,悪気なく説明を省くこともあるので,これらの点について相談する側から説明を求めるべきです。
時間制限がない状況でこれらの説明を求められて,きちんと説明できない,あからさまに不機嫌になる,弁護士は煽り弁護士の可能性が高いです。

弁護士の使命は,なるべく迅速に,なるべく妥当な結論で,なるべく依頼者に実質的に有利に,紛争を解決することだと私は思っています。
そういう視点を無視して,煽って紛争を拡大させる弁護士はいい弁護士だとはいえないと思います。

人格のいい弁護士の傾向ですが,自分が勝てないと思っている事件は断る,相談者・依頼者から「嘘をつけ」と言われても,「それなら受任しません」と言います。

弁護士選びで失敗しないには,事務所が大きいことを過度に信頼しすぎないこと,各種メディアで宣伝をしていることを信頼しすぎないこと,処理件数が多いことを過度に信頼しすぎないことです。

まず,宣伝を多くしているのは,弁護士の人格と有能性とはまったくの無関係です。
事務所が大きく,処理件数が多いのは,弁護士の有能さの一つの指針にはなりえますが,必ずしも,有能な弁護士が,大きな事務所を形成したり,処理件数が多いとは限りません。
中身のないが宣伝費を掛けまくっている営利的な弁護士も,事務所が大きく,処理件数も多い傾向にもあります。
逆に,弁護士1名の事務所,積極的に宣伝をしていない弁護士,処理件数が少ない弁護士でも,有能な弁護士はたくさんいます。

やはり,実際に弁護士に会って,話を聞いて,信頼できるか有能かを判断する姿勢が必要です。
自分の判断に自信がなければ,セカンドオピニオン・サードオピニオンを惜しんではいけません。

当該事件の精通度合を見るのは,素人にはなかなか難しいです。
やはり,面談時の具体的な説明,他の専門弁護士の協力体制,処理件数・処理結果などが重要な判断材料になります。

また,セカンドオピニオン・サードオピニオンなどしてもいいかもしれませんね。
だれでもできる分野の場合には,弁護士の多数意見が見込みとしては正しい傾向にあります。
ただ,専門性が特に高い分野(医療,行政,建築,知的財産,投資被害,消費者被害など)は,良くやっている弁護士と,あまりやっていない弁護士ではいうことが異なる場合があります。
(専門性が高い分野は,重点的にやっている弁護士に頼むのが確率がいいですが,超一流の弁護士は,自分の専門外でも結果を出す可能性が高いです。応用力が高く,研究熱心で,そのために手を一切抜かない弁護士です。ただ,こういう弁護士に出会える可能性はなかなかないですね。)

あと,いい弁護士を探す一番確率の高い方法は,弁護士に紹介してもらうことです。
業界のことは業界人に聞くのが一番確率が高いわけです。
ただ,弁護士は自分が信頼していない人に,安易に他の弁護士を紹介することはしません。
なぜなら,紹介する相談者が,紹介した弁護士に迷惑をかける可能性があるからです。
いい弁護士を探す方法で確率が高く,かつ,楽な方法は,信頼できて仲のよい弁護士を作ることですね。

人柄がよく人を見る目がある弁護士を友達にするか(これはなかなか難しい),顧問弁護士にすることが手っ取り早いでしょうね。

ちなみに,当事務所の顧問契約の説明は⇒当事務所の新しい形態での弁護士顧問契約
当事務所宣伝になって恐縮ではありますが(笑),当事務所はかなりリーズナブルな顧問契約を提供しているつもりです。

ちょっと話は変わりますが,私は投資被害(先物・証券)を重点的にやっており,得意分野と自負していますが,専門性の高い分野を極めようとすると,多くの普通の弁護士ではできないノウハウを身についていきます。
そうすると,他の専門性の高い分野に対して,自分の得意分野同様の力を出せる自信がないので,安易に受任することができなくなりました。
私個人は,医療事件,建築事件,知的財産権事件,行政事件は,一人でやる自信がないので,もし来たら他の弁護士に紹介するか,他の弁護士と共同してやるでしょうね。
ちなみに,うちのイソ弁さんには,医療事件を専門的にやってもらえればなあと思っています(ただし,医者側ですが。そういえば前いた事務所も病院側だったなあ)。
うちの事務所に医療過誤の患者側で相談に来られた場合には,神戸医療問題研究会を案内するでしょうね。
顧問契約をされている方の場合は,私が信頼している弁護士をご紹介することになるでしょうね。


JR宝塚線沿線の弁護士事情②

2013年02月09日 | ⑥弁護士等法曹情報
昨年,4月にJR宝塚線沿線の弁護士事情をアップしましたが,そこから多少変動がありました。

昨年4月1日時点では,
JR伊丹駅付近:1(弁護士1名,少し離れたところに,弁護士5人以上の大きな事務所が2つある。)
JR川西池田駅付近:4(弁護士7名。4つのうち1つの事務所は駅から離れたところにある。)
JR宝塚駅付近:4(実働弁護士6名)
JR三田駅付近:5(弁護士5名)

現在は,
JR伊丹駅付近:1(弁護士1名,少し離れたところに,弁護士5人以上の大きな事務所が2つある。)
JR川西池田駅付近:4(登録弁護士8名+うちにもう1人入る。)
JR宝塚駅付近:5(実働弁護士7名)
JR三田駅付近:5(登録弁護士7名)

とうとう,我が地元川西も9名になりますね。
事務所数は増えていませんが,新たに2名増員です。
ただ,近くの事務所のうち2名はほとんど実働していないので,実質は7名ですかね。
その2人が復帰したり,新たな事務所参入,既存事務所の増員があれば,すぐに10名超えますね。
とりあえず,当事務所は近いうちにもう1,2名を増やしたいと思っています。
(地元の事件があるというより,私の投資被害や新しく入れた人のやりたい分野の関係になるで増やすことになるでしょう。)

このまま,弁護士が増えたら,地元の事件は少なくなっていくんでしょうね。
うちはとりあえず大丈夫でしょうが,このまま司法試験合格者2000人状態が続くと,気が抜けない大変な時代になりますね。まあ,大都市よりは多少はましですが・・・・
「川西」「弁護士」とかインターネットで検索しても,川西以外の弁護士が多数出てきます。
昔の弁護士は「一見の客」(いわゆる「いちげんさん」)はお断りが多かったのです。
今はいちげんさんの取り合いです。
なんか嫌ですね。
私の感覚では,宣伝の上手さと弁護士としてのスキルはほとんど比例関係にないですから(まあ,特定の分野の場合,多少他より多くやっている分,できるでしょうが。)。
うちは,いちげんさん,そうでない相談者にかかわらず,落ち着いた感じで相談を受け付けたいものです。

いい弁護士の見つけ方は,宣伝より何より,他の弁護士からの評判が堅いです(100%当たるわけではないですが,他よりはいちばんいい確率でいい弁護士にあたるでしょう。)。
しかし,弁護士は信頼関係のない人に対し,なかなか他の弁護士を紹介したがらないので,普段から弁護士といい関係を作っておくことがいいと思います。
それは,弁護士を友達にするか,顧問弁護士を作ることです。
顧問弁護士はある程度の規模の会社じゃないとしんどいですが,個人や零細企業でも,顧問を少し崩した感じの,ホームドクター的な「ホームロイヤー」というのを作っていると,いざというといい弁護士に出会う機会が多いです。

うちの事務所とかは,個人・小規模法人相手でもかなり廉価な顧問契約(ホームロイヤー的顧問契約)をしていますが,そのうちこういう事務所が増えるでしょうね。



弁護士人口問題と弁護士人口急増とJR宝塚線沿線の弁護士事情

2012年04月02日 | ⑥弁護士等法曹情報
現在,司法試験合格者は,この数年間,約2000人で推移しています。

しかし,裁判所・検察庁は,裁判所・検察官の採用人数を年間各100人ずつで,全く増やしておりません。
そのため,弁護士登録者は急増しており,実際のニーズを超えて,弁護士人口が増えていきそうな傾向にあり,法律事務所も急増しております。

現に,私の事務所があるJR宝塚沿線も,法律事務所が急増しております。
私が独立した平成22年1月時点のJR宝塚沿線の法律事務所数は次のとおりでした。
JR伊丹駅付近:0(ただし,近くの阪急伊丹駅付近には,弁護士数10人の大手事務所があり,JRと阪急両伊丹駅の間には,弁護士数5人の事務所があります。)
JR川西池田駅付近:0(ただし,駅から離れた地域に2つの事務所がありました。)
JR宝塚駅付近:1
JR三田駅付近:1

これが平成24年4月1日には,次のとおり,増えました。
JR伊丹駅付近:1(上記の事務所も現在もあります。)
JR川西池田駅付近:3(上記のかっこ書き内の2つの事務所は,一つはなくなりました。)
JR宝塚駅付近:4
JR三田駅付近:5

増えた事務所の多くは,特に,前触れもなくいきなり開業しました。
これからも,いきなり事務所が増えていく可能性があります。

このままでは,JR宝塚沿線も,すぐに弁護士飽和状態になるかもしれません。

ところで,
弁護士人口が増えれば,住民の人口・弁護士ニーズと弁護士人口のバランスが良ければ,自由競争により,弁護士費用が安くなり,サービス内容もよくなるなど,市民にとっていい傾向になるでしょう。
しかし,弁護士が増えすぎると,過当競争になるおそれがあり,弁護士費用は確かに安くなる傾向になるでしょうが,その分,サービスの低下を招きかねません。

また,多くの法律事務所は,経営方針を転換し,営利中心に切り替えつつあります。
営利中心の法律事務所は,弁護士費用がリーズナブルで,顧客中心の法的サービスを提供するなどメリットがあります。
しかし,そういう事務所は,弁護士の手間に対し,お金にならない事件は敬遠する傾向があると思われます。
そのような事務所への相談・受任が増えると,営利中心でない良心的な事務所は,客を取られ,経済的にひっぱくし,そのような事務所も,お金にならない人権問題など社会的に特に救済する必要がある事件について敬遠するようになるおそれがあります。

つまり,このまま弁護士人口が急増を続け,営利的な事務所が増えると,お金がない人たちの,人権問題など社会的に特に救済すべき事件を敬遠する傾向が全体的に強くなるおそれがあるわけです。

政治の世界・経済界・マスコミ・弁護士会の旧体制派・営利系の事務所の多くは,司法試験合格者の増加,それによる弁護士人口の増加は市民にとっていい傾向であり,司法試験合格者の増加に反対する運動は,市民の理解を得られないと言います。

しかし,本当にそうでしょうか?

現在,弁護士をやめていく弁護士の世代の多くは,合格者500人の時代の人たちです。
理論的な計算によれば,現在,司法試験合格者を700人に減らしても,しばらく弁護士人口は緩やかに増え続けていくことでしょう。
司法試験合格者,昭和36年度から平成2年度まで500人前後で推移し,平成3年度から徐々に増え続け,平成16年度で1500人まで達し,それからは2000人前後で推移しています。

現状,弁護士人口の増加率は国内の弁護士ニーズに比べ,明らかに急増している状況です。
このままでは,大手事務所・顧客をがっちりつかんでいる老舗事務所・営利系ではない弁護士・宣伝がうまくない弁護士以外の弁護士は弱体化を余儀なくされるでしょう。
特に,弁護士の国際自由化がささやかれている現状も加味すれば,特にそういう傾向になることが予想されます。

私は,日本国内の弁護士ニーズにあった弁護士人口の増加をし,国内の弁護士は弱体化し,お金のない市民(特に,小泉政権以後のいわゆる「新自由主義」に基づく規制緩和により,格差社会化は進んでおり,お金のない市民は増えています。)の権利は,守れない社会が作られるのではないかと危惧します。

とりあえずは,市民の方々には,合格者人数を減らすことは,直ちに法曹人口の減少ではなく,既存の弁護士に既得権益を保持することではないことを理解していただきたいと思います。
少なくとも,既得権益保持ではなく,よりより市民(お金のない市民も含む)への法的サービスの提供は,司法試験の合格者数を適正な数に減少し,適正な弁護士人口増加に直すべきです。
どのくらいが,適正な合格者数か,適正な弁護士人口の増加かは,なかなか難しい政治的判断ですが,その点を深く検証・議論していく必要があります。
しかし,そのためには,検証・議論する時間が必要があり,とりあえず緩やかな弁護士人口増加にするべく,私は,すぐに司法試験合格者数を1000人にすべきだと思っております。
これでも,理論上,当面約500人ずつ弁護士は増えていくわけですし,20年後(20年前合格者した人の多くが70歳前後)でも約300人ずつ増えていきます。

ちなみに,日本は,欧米各国に比べ,法曹人口が少ないと言われていますが,それは一概には言えません。なぜなら,今までの日本は,アメリカのような訴訟社会ではなかっただけですし(現在,徐々に訴訟社会になりつつあります。),司法書士・行政書士・公認会計士・税理士・社会保険労務士・弁理士などの弁護士隣接士業の人口が多いと言われています。


弁護士の専門分野

2011年12月27日 | ⑥弁護士等法曹情報
この年末死ぬほど忙しくて,なかなかブログを更新する暇がありませんでした。

別に仕事が全部はけたわけじゃないですが,キリがなく,煮詰まり何もせずボーとするわけにもいかないので,久しぶりにブログを更新します。

現在の過半数の多くの弁護士には,専門分野は特になく,みんな町医者のように来た事件でやれる自信がある事件はとりあえず何でもやっているようです。

しかし,弁護士の仕事の中には,特に専門性の高い事件があり,実際,その分野を集中的にやっている弁護士がいる分野があります。
(ここであえて「集中」と言っているのは,「専門」と書くと,それだけをやっているような意味合いがあるからです。)

たとえば,医療,知的財産権,M&A,大規模倒産,建築紛争,労働,消費者,投資被害等など・・・(これらも普通の弁護士でもやっている場合もあります。これらすべてが特別難易度が高いとはいえなかったり,初めてでも調べながらできてしまう優秀な弁護士もいますので。)
(あと,どの弁護士でも普通にやっている事件でも,場合によっては難解な事件もあり,特に経験を積んで,成果を上げる可能性が高くなっている弁護士も,ある意味「専門」といえます。しかし,こういう弁護士を的確に探すのは,非常に難しく,運が必要でしょうね。)。

日弁連の広告基準には,「専門」という言葉を使ってはならず,「重点的取扱分野」とか「得意分野」という言葉を使うように決まっています。
しかし,これらの言葉の違いがわかる一般の消費者がどれだけいるのでしょう?私はそんなにいるとは思えません。
禁止されていない後者2つについては,現時点,言った者勝ちの状態です。

これらの言葉は,いずれも,使う者の知識や経験が豊富で,良質の法的サービスを提供する可能性が極めて高いことを一般の消費者に期待させるものです。
しかし,どのくらい知識があるかは,だれにもわからず検証も現在のところ困難な状況です。
経験にしても,たくさんやっていればいいものではなく,1回の経験で10を知るだけ一所懸命している人と,100の経験しててもほとんどいい加減にしている人とでは,全然意味合いが違います。(まあ,たくさんやっている方ができる可能性は相対的に高いとはいえますが・・・)

楽をしている宣伝上手な人には,「専門」という言葉を解禁すると,その弁護士は儲かるが,消費者たる市民は被害を受けます。
しかし,「専門」という言葉を禁止すると,まじめに勉強して,経験を積んでいる弁護士は損をしますし,そのような弁護士にたどりつけない消費者たる市民は損をします。

私が尊敬する弁護士の一人の姫路の山崎省吾先生(現全国先物取引被害研究会代表幹事)は,以前,「『専門分野を持っている』と自覚する弁護士は,その専門分野の相談が来たら,安易に他に回したり,安易に相談者に無理だと言ってはいけない。自分が最後の相談相手である覚悟を持つべきである。自分が安易にそうすると,その人は本当は救済されるべきなのに全く救済されなくなってしまう。」という趣旨のことをおっしゃっていました(もしかすると少し違ったかもしれませんが・・・多分こういうことだと私は解釈しました。)。
専門分野を作ろうと思っている弁護士には,とても心に響く,忘れてはいけない教訓だと思いました。
(もちろん,専門分野でも敗訴の可能性をきちんと説明しなければならりません。十分吟味したうえで,勝つのが難しい場合は,その旨きちんと説明をしなければなりません。)

この広告規定のために,本当は市民のために,専門分野を中途半端しか宣伝できず埋もれている,優秀な弁護士が世の中には数多く存在します。
この人たちに光をあてる方法はないものか。上述の弊害を考えるととても難しい問題ですね。


司法試験の合格発表とブログの訪問者の増加

2011年09月09日 | ⑥弁護士等法曹情報
日付が変わったので,もう昨日になりますが,9月8日午後4時に司法試験の合格発表がありました。

うちの事務所にバイトに来ていた受験生も無事合格してくれ,とてもうれしかったです。
あ~よかった~

合格者の皆さん,受かっても本当の戦いは今からです。
しばらく勝利の美酒に浸った後は,勝って兜の緒を締める気持ちでまたすぐに走り出して下さい。

ところで,このサイトは,司法試験やその合格発表があると,アクセス数が増える傾向にあります。

今はあぐら牧場の件を書いたことから,このサイトのアクセス数は通常時の倍以上になっていましたが,おとといの7日は大阪弁護士会であぐらの説明会があったせいか閲覧数1296,訪問者540と急増し,gooブログのアクセスランキングが数年ぶりに1000番以内(941位)になりました。
そして,昨日8日は,司法試験の発表が重なって,閲覧数1148,訪問者624でgooランキングが769位までになりました。

たくさんの方に読んで頂けることは,
本当にうれしいことですし,ありがたいことです。
(別に,読者が増えても私にはお金は入りません。
ただ,少しは人の役に立っているかもしれないことがうれしいです。)


秋田の弁護士刺殺事件について

2010年11月09日 | ⑥弁護士等法曹情報
秋田の津谷裕貴先生が先日お亡くなりになりました。

ニュースで見られた方も多いかもしれませんが,知人で元離婚調停の相手方の男性に刺殺されたのことです。

津谷先生は,秋田県にいながら,日弁連の消費者問題対策委員会の委員長で,消費者被害弁護士の重鎮でした。

私が入っている全国先物被害研究会では,かつて代表までされた方で,古くは豊田商事の被害者の弁護団,つい最近でも精力的に被害回復のために尽力され,年2回ある全国大会でも必ずと言っていいほど発言をされていました。

同じ消費者被害,先物被害弁護士である私にとっては,直接お話したことはないですが,雲の上の存在で,目標とすべき大きな壁でした。

津谷先生は知る人ぞ知る大物弁護士であったと認識しております。

亡くなられた当日は,私は係争中の海外先物オプション業者の尋問があり,第一報を聞いたときは,その準備中でした。
しばらく信じられず,固まってしまいました。
津谷先生に見守って頂いたおかげかどうかはわかりませんが,その尋問自体は自分ではうまく行ったと自負する結果になり,被告らの嘘,いい加減さ,むちゃくちゃさが十分に出たように思います。

尋問の方法等は,津谷先生も含め,先人の知恵と経験を参考にしたもので,この結果をもって,少しくらいは津谷先生の魂の慰めにでもなればと思っています。

津谷先生のお通夜には,秋田県の全登録弁護士数を超える約100名の弁護士が集まったようです。葬儀やお通夜の前にも多くの弁護士が津谷先生のもとにかけつけたようで,それを考えると合計でどれほどの弁護士が秋田に行ったかわかりません。お葬式には,日弁連の宇都宮会長も行かれたようです。
津谷先生を失った損失が,業界にとって,いかに大きかったかがわかるように思えます。

秋田弁護士会会長が事件の直後声明を出されましたが,その中に,「津谷裕貴弁護士は、当会会長等の要職を歴任しただけでなく、消費者問題に熱心に取り組み日本弁護士連合会の消費者問題対策委員会委員長や秋田県消費生活審議会委員の職にあった。当会としても、津谷裕貴弁護士を失ったことは、痛恨の極みである。」とありました。

このフレーズ自体はとても短いものですが,私には,この文章の行間には,間近で津谷先生を見てきた弁護士の心から悲しんでる気持ちがたくさんこめられているような気がして,読んだだけで涙がこぼれそうになりました。

この事件は,警察の対応も含め,いろいろな点で「なぜ?!」という点が多い事件です。
(一番は「なぜ寄りによって津谷先生やねん?!」,次は「なぜ警察官は津谷先生を取り押さえたのか?!」,その次は「なぜ警察は法的責任はともかく道義的責任をすぐに認めて謝罪せず,マスコミを使うなどして法的責任がないことを言ったりしたのか?!」ということです。少なくとも,県警本部長以上の人に警察官が臨場しておきながら事件が起きたことについて,道義的に謝ってほしかったです。)

ただ,我々,消費者被害弁護士,先物被害弁護士からすれば,津谷先生が亡くなられたから,日本の消費者被害対策,先物被害対策が何年も遅れたと言われないように,ここで踏ん張ることが何よりの津谷先生への鎮魂でもあり,恩返しでもあるような気がします。

ご家族には到底及ばないし,津谷先生をよく知る弁護士の方々にも到底及ばないですが,つらいです。

心より冥福をお祈りします。


弁護士費用は高い?弁護士の相場と旧日弁連報酬等基準

2010年06月13日 | ⑥弁護士等法曹情報
弁護士の費用は,一般に高いと思われ,料金体系が不明確と思われています。

そこで,概ねの弁護士費用の体系と,ほとんどの弁護士が自分の事務所の報酬規定として使っていると言われる「(旧)日弁連報酬等基準」を当ブログで掲載することにしました。

まず「旧日弁連報酬等基準」については,ここをクリックして,ご確認ください⇒旧日弁連報酬等基準規程*


(1)弁護士費用の体系


弁護士費用には,とりあえず思いつくものを列挙しますと(①~⑥までの説明は日弁連HP内の説明文によるものです。),

①着手金・・・着手金は弁護士に事件を依頼した段階で支払うもので、事件の結果に関係なく、つまり不成功に終わっても返還されません。着手金はつぎに説明する報酬金の内金でもいわゆる手付でもありませんので注意してください。

②報酬金・・・報酬金というのは事件が成功に終わった場合、事件終了の段階で支払うものです。成功というのは一部成功の場合も含まれ、その度合いに応じて支払いますが、まったく不成功(裁判でいえば全面敗訴)の場合は支払う必要はありません。

③実費、日当・・・実費は文字どおり事件処理のため実際に出費されるもので、裁判を起こす場合でいえば、裁判所に納める印紙代と予納郵券(切手)代、記録謄写費用、事件によっては保証金、鑑定料などがかかります。出張を要する事件については交通費、宿泊費、日当がかかります。

④手数料・・・手数料は、当事者間に実質的に争いのないケースでの事務的な手続を依頼する場合に支払います。手数料を支払う場合としては書類(契約書、遺言など)作成、遺言執行、会社設立、登記、登録などがあります。

⑤法律相談料・・・依頼者に対して行う法律相談の費用です。

⑥顧問料・・・企業や個人と顧問契約を締結し、その契約に基づき継続的に行う一定の法律事務に対して支払われるものです。

⑦タイムチャージ・・・弁護士へ仕事の依頼を費やした時間で手数料で支払う旨契約した場合の時間給

があります。

通常,弁護士に事件を依頼する場合には,前提として⑤がかかり,委任契約後は①~③がかかります。受任中の受任事件についての相談や書面作成は別途定めを置かない限り①の着手金の中に含まれます。
④は遠くの弁護士を頼むと弁護士が裁判所等に出頭するたびにかかるので注意が必要です。

ただ,最近は電話や書面だけで手続できる事件もありますし,訴訟でも,1回目と最後の弁論と尋問期日だけ出頭すればよい場合がありますので,どうなるか予め弁護士に相談したらよいと思います。


(2)旧日弁連報酬等基準と弁護士費用の相場


旧日弁連報酬等基準規程は,平成16年4月1日に廃止されましたが,現在においても,ほとんどの弁護士がこれかこれを基にした報酬規定を使っています。
一応弁護士費用の相場のようなものになります。
あと,弁護士費用の相場を調べるのに,日弁連のHPの「弁護士報酬(費用)*」の「市民のための弁護士報酬の目安 [2008年度 アンケート結果版]」等がとても参考になると思いますので,ご確認ください。


(3)弁護士費用は高いか

弁護士費用は,金額としてはほとんどが10万円を越え,安くはないのは事実です。
(法律相談料は5000円以上とそんなには高くないですが)

ただ,本来は依頼者が自分自身でやるべきことを,自分でやるには難しかったり,面倒だったり,時間がなかったりと,プロに代わって事件処理をやるわけですから,ある程度の費用がかかるのは当然のことだと思います。
それが自分にとって高い費用か安い費用かを,各々が考えて,弁護士をつけるかどうか,だれをつけるか決めたらいいと思います。

訴額が低い事件では取り返したお金の2~3割を,着手金と報酬の合計でもらう場合もあります。
これって高いようにも感じますが,自分では絶対にできず7割も取り返すことができなったというのであれば,当然安かったということになります。
また,自分だけでやるのは不安で精神的にしんどいということもあり,弁護士をつけて安心できましたと喜びの声をいただくこともありますので,安心料といいう側面も考えると必ずしも高いとはいえない場合もあると思います。

でも,一般の方の「弁護士は高い」という先入観は強いと思います。
そんなに高くないと思っている事件でも「高いなあ」と言われ,悲しい思いをすることもあります。

私の主観では,ものによっては異常に高く,ものによっては異常に安いです。
たとえば,貸金業者に対する過払金返還事件は,その労力から見ると異常に高いです(これだけ過当競争になっているのに)。
これに対し,通常の家事,民事の事件は,何回も裁判所に出頭して,尋問など大変な思いをしてフルコースでやって,さらに勝訴しないと過払事件と同じような割合がもらえないので,その労力からみると,安いです。


いい弁護士を探すのは,お金の高い安いだけで決めてはいけないと思います。この業界でも,安かろう悪かろうというのは当然あるわけです。
ただ,弁護士の場合は,高かろう悪かろうもありうるので,気をつけないといけません(とはいうもののそこまで悪い弁護士は今はまだ少数かと思いますが)。
よくよく弁護士を見て,信用できそうか頼りがいがあるかなども見て,決めないといけません(よく離婚に強い弁護士を紹介してくださいと言われますが,特許・医療・建築・先物等の特別な専門的知識を要する事件以外の一般の民事事件や家事事件は特別な専門家はいません。普通の弁護士ならだれでもできます。ただ,刑事も弁護士ならだれでもできますが,よくやっている人は強いと言われます。)。

いずれにせよ,自分が受けるサービスに見合ったお金を出すのかどうかを冷静に考える必要があるでしょう。

ちなみに,弁護士の中には,この事件やりたくないと思うけど,自分から断りづらいときに,わざと高い弁護士費用を言って,相手の方から断ってもらう人もいるらしいと聞いたことがあります。



今までやった事件(既済,未済込み)

2008年11月21日 | ⑥弁護士等法曹情報
ご無沙汰しております。4か月ぶりの更新ですね。すみません。

弁護士丸2年を経過して,3年目に入りました。
今までやった事件,やってる事件を総括して行きたいと思います。

件数は下記のとおりです(数字に若干の誤差はあるかもです。)。これは既済,未済込みです。

示談交渉より訴訟になるケースが多かったと思います。
訴訟は,原告側も被告側もやっていますが,原告側が圧倒的に多いです。
これらはマチ弁の宿命かもしれませんね。

ボスの下請け事件より,自分一人でやる事件がほとんどだったように思います。これもマチ弁の宿命かもしれませんね。

去年までは個人の負債事件が多かったですが,今年は民事事件や離婚事件等家事事件・後見事件が増えていっていますね。

弁護士費用は,概ね相場(旧日弁連報酬等基準=民事事件:着手金は得られる経済的利益の8%以下,成功報酬は得られた経済的的利益の16%以下(各消費税別))かそれ以下でやっているのがほとんどですね。
特に,激安な法テラスの法律扶助の事件が多かったですね。これもマチ弁の宿命か・・・

我ながらいろんな事件をたくさんやったな~という感じですね。
やったことがある事件はもちろん,特に専門性が必要な事件,例えば,医療事故,知的財産権等以外はひとりでできる自信が大概つきました。我ながら1年前から見るとかなり弁護士としてスキルも精神も成長したように思います(もちろんまだまだ精進が必要ですが)。
個人的には,離婚の女性側や先物事件等,悪い夫や悪い業者を相手する事件がおもしろいというか(悪い意味ではありません。),やりがいがありますね。

1 民事事件44件(訴訟,調停,示談等)
(内訳)
 交通事故4件
 先物被害14件(国内先物,海外先物,海外先物オプション,ロコロンドン,CFD取引等)
 その他民事26件(建物明渡,ペット被害,手形,不動産移転登記抹消,貸金請求,内縁関係破棄,婚約破棄,請負報酬,マンション管理費,老人の財産取込等)

2 家事20件(離婚,婚姻費用請求,面接交渉,子の引渡し,人身保護,離婚無効,婚姻取消)
(内訳)
 離婚12件(親権,慰謝料,財産分与,年金分割,養育費,婚費請求)
 子の引渡し4件(子の引渡し審判・保全処分,人身保護申立て,人身保護国選代理人)
 面接交渉2件
 その他2件(離婚無効,婚姻取消)

3 相続1件(遺産分割調停)その他遺言の作成多数

4 後見等10件(後見人,補助人,財産管理人,補助・保佐申立て,財産管理人選任申立て)

5 強制執行等8件(債権差押え,強制執行第三者異議訴訟,財産開示)

6 保全事件5件(不動産仮差押え,不動産処分禁止仮処分,自動車処分禁止仮処分,債権仮差押え,マンション建設反対)

7 行政事件2件(いずれも弁護団事件,原告側)

8 刑事事件27件
(内訳)
 国選公判弁護24件
 私選公判弁護1件(弁護団事件)
 私選捜査弁護2件(いずれも当番弁護士から)

9 少年事件2件

10 負債事件83件(個人破産,個人民事再生,任意整理,過払金回収,債権査定申立て等)
(内訳)
 個人破産22件(過払金回収含む)
 個人民事再生10件(住宅ローン特別条項付・過払金回収を含む)
 任意整理49件(件数は依頼者ごと。過払金回収を含む)
 その他2件(債権査定申立て,債権確定訴訟等)
 ※過払金回収36件(上記83件中。件数は依頼者ごとなので,実際はその数倍)

11 その他相談(1~10及びそれ以外(医療事件医者側,遺言等))
 多数


新60期司法修習生の二回試験(司法研修所卒業試験)の結果

2007年12月18日 | ⑥弁護士等法曹情報
本日,新60期司法修習生986人,旧59期,旧60期の再受験組69人が受けた二回試験の合格発表がありました。

asahi.com(朝日新聞社)*によると,
新60期司法修習生は,59人の方が残念ながら不合格になられたそうです。
再受験組は,17人が不合格になりました。

ちなみに,前回の旧60期(約1500人)の不合格者は71人だったそうです。
我々59期のときは,まだ合格留保という制度があり,約1500人中97人が合格留保,10人が不合格者,追試の結果は97人中6名が不合格でした。
(合格留保はダメだった科目のみの追試がある。不合格者は追試は受けられず,次回の二回試験を全科目受験する。)

近年の二回試験不合格者の急増で,司法試験合格者急増で質の低下は言われています。
しかし,59期で落ちた人(合格留保も含む)を見ていると,なんでこの人が落ちるんやという人も結構多く,どう考えても「コイツはアカンやろ」という人が通ったりして,よくわからない試験だなというのが正直なところでした。
私は,質の低下が叫ばれている以上,将来の修習生に対する見せしめや,社会へのケジメとして,ある程度落とす人数を決めていて,司法試験合格者500人時代では救済していた人でも,救済しないという「政策的配慮」がなされているとしか思えません。
実際,おそらく500番以内の成績で司法試験を合格したであろう59期の司法修習生も合格留保になっていましたからね。
500人時代で合格留保・不合格者0人時代があったことを考えると,どうしてもそういうふうに感じてしまいます。

まあ,昔に合格基準が緩かったのが間違いで(昔は牧歌的だったから許されたのか),時代により合格基準が変わることは当たり前と言われればそれはそれで仕方ないです。
どちらにせよ落ちる方には少なからず問題があることは間違いないと思いますし。

今後の司法修習生は,基礎的な起案の仕方(実務のような応用ではない)を習う機会が極端に減ります。
新司法試験を受けようと思っておられる方は,受験勉強も大変かと思いますが,司法修習生になる前に,法科大学院の授業や受験後発表待ちの間に,司法研修所の教科書や事実認定の本をある程度勉強された方がよいかと思います。
特に,発表待ちで暇を持て余しているときは,自分で本を読むだけでなく,ゼミ等を組んで議論しながらやった方がいいと思います。

司法修習生になる前の人用の予備校やビデオ教材等を作ったら,意外にウケルかもしれませんね。
ただ,研修所教官レベルの人材を集めるが大変でしょうし,司法試験同様のマニュアル主義の弊害が司法研修所に現れる危険がありますが。
まあそもそも司法研修所も最近出た教科書を見ると,マニュアル主義的になってきている気もしますが。


新修習初の法曹がもうすぐ誕生します。

2007年12月14日 | ⑥弁護士等法曹情報
今年の12月18日午後4時に新60期修習生の二回試験(司法研修所の卒業試験)のあるそうです(2ちゃんねる情報)。
二回試験に合格すると,晴れて,検察官,裁判官,弁護士になる資格を得られるわけです。

新60期は,新司法試験を初めて受けて合格し,新司法修習の第1期生です。

新司法修習は,修習期間が1年に短縮され,旧修習と異なるカリキュラムで行われました。

我々先輩法曹として,彼らに対する期待と不安を持っています。

しかし,私個人は,新60期の方々は優秀な人が多いのではと,結構好感を持っています。
私は,司法修習委員として接した新60期の方々や,うちの事務所に修習や就職活動等で来た新60期の方々と接してみましたが,我々旧59期や,今年の9月に法曹になった旧60期の方々に比べ,とても感じのいい人が多く,話が上手な人も多かったように感じました。
それだけでは能力はわからないかもしれませんが,話している感じでこの人頭がいいなあと思う回数は,新60期の方が多かったかと思います。

うちの事務所にも今度2人の新60期の後輩がやってきます(無事二回試験受かってくれ)。
彼らに対する期待とすぐに追い抜かれないかという心配があります。
私も気合いを入れて頑張らないと。


土曜日の法律相談

2007年07月28日 | ⑥弁護士等法曹情報
よく事務所に電話帳を見て土日祝や早朝夜間の法律相談をしてほしいという電話があります。
平日日中仕事していて忙しい方からすれば,当然の要望かと思います。

しかし,弁護士も,平日の日中は,法律相談,電話対応,書面作成,裁判所・弁護士会等への外出等何かと忙しく,土日祝日早朝夜間は,プライベートの時間だったり,ゆっくり書面を作成する時間だったり,勉強する時間だったりして,ほとんどそれらの要望に応えることができません。

自分の権利を守るために法律相談するのだから,人に無理される前に自分が仕事を都合つけたり無理してほしいと思うことはよくありますが,私は,土日に事務所出るときはなるべくその要望に応えるようにしています。
今は,弁護士業界は,売り手市場なのでこのようなサービスは特別な場合を除きほとんどやっていないのが現状かと思います。
しかし,司法制度改革で弁護士を急増させている中,将来弁護士が世に溢れかえってしまうと,買い手市場に変わり,多くの弁護士がこのような要望を聞くようになるのも時間の問題かと思います。

この売り手市場の現在でも,実は,弁護士会や市役所等で土曜法律相談をしているところはあるのです。
私の最寄りの弁護士会も確か隔週で土曜法律相談をしていますし,一度どこかの市役所の土曜相談に行ったこともあります。
私が行った,市役所の土曜相談は,結構盛況だったのですが,弁護士会の方は,6人分の枠がありながら2人しか相談に来ませんでした。
これは市役所の方は,せっかく予算を組んで弁護士を呼んでいるので,宣伝をしているが,弁護士会の方は,弁護士や事務局の負担がかかるので,宣伝に及び腰になっている感じがします。
しかし,弁護士会の方も,せっかく需要が多いはずの土曜相談をしているのに宝の持ち腐れにするのはもったいないので,もっと宣伝をするべきだと思います。
弁護士の方も,早く帰れるのはうれしいが,前もってわざわざ前もって予定を開けているのだから,さして負担はないはずです。

皆さんも,土曜法律相談がないか,一度最寄りの弁護士会の相談センターや市役所の法律相談の係に問い合わせて見てはいかがでしょうか。

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