弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

司法修習生の就職活動2(検察官への任官)

2006年02月19日 | ⑦法曹就職情報
検察官への就職活動について述べようと思いますが,基本的には裁判官の就職活動と同じかと思います。
つまり,まず検察官になりたい旨の意思表示を検察教官にしておくことが必要になります。
この方法は,裁判官への任官について述べたように,司法研修所に修習開始前に出す報告書,自己紹介等のときのアピール,検察教官に相談・質問等に行くこと,検察教官の行うイベントに出席することなど検察教官とのコミュニケーションにより意思表示をしていくことになります。

そして,裁判官同様,成績と人格の双方から採用するかどうか決めるようですが,裁判官が成績重視なのに異なり,検察官の場合はキャラというか適性重視と言われています。
見てる感じだと,やはり,裁判官は文科系の人が多く,検察官は体育会系の人が多い気がします。
ただ,教官により当然好みというか検察官の適性をどう考えているかは違うと思うので,本当に検察官になりたい人は,「お前は向いていない」と一回教官に言われたぐらいではすぐにあきらず,自分に何が足りないのか,自分がどれだれ検察官になりたいか等を検察教官と一度腹を割って話すべきでしょうね。
また,もちろん成績もあまりおろそかにしすぎるとすぐに肩たたきを受けることになるでしょうね。

検察官は昔は人気なかったそうですが,最近はかなり人気が出てきているようですね。
特に,東京地検特別捜査部,俗にいう「特捜」などは,政治家・財界人などの権力者の悪事を追及するなど,とても格好いいですね。
やはり検察官の中では,公判(裁判)より捜査の方が人気はあります。
ただ,最近は近々導入される「裁判員制度」に伴い,法律や事実認定の素人である裁判員にわかりやすい立証活動を行う必要が出てきているため,検察庁も公判に対する認識を改めて行ってます。
プレゼン能力の高い人間が必要になっていくことでしょう。
噂によると,検察庁もイケメン検察官を増やそうとしているとか。ほんとかどうかはよくわからないですが。
今までは,捜査をきちんと適正かつ丹念にやっていれば,裁判官が検察官の主張とおりの認定がなされることがほとんどだったのが,そうでなくなるかもしれないわけだから,かなり大変になると思いますが,逆に公判の訴訟追行も検察官にとってやりがいの多いものになるのではないでしょうか。

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「行列のできる法律相談所」という法律事務所名はダメ?!

2006年02月18日 | ⑥弁護士等法曹情報
日本弁護士連合会は、弁護士が所属する法律事務所の名称の届け出を義務化し、品位を欠くものを認めない方針を決めたというニュースを見ました。

現在司法制度改革で司法試験の合格者数を増やしていますが,そのため,弁護士数は現在の約2万2000人から12年後には倍増すると予想されているそうです。
弁護士の増加により,顧客獲得競争の激化し過当競争になるのではないかと言われています。

そこで,日弁連は今回の方針決定を行ったそうです。

具体的には,「勝訴確実」「元特捜検事」「東京都」がつく名前や,日本テレビ系の人気番組「行列のできる法律相談所」などがダメと言われているようです。
依頼者になんらかの過度の期待を持たせるような名前はダメということでしょう。

しかし,現在ある法律事務所でも公的機関と間違いやすそうな名前のところもあるようで,こういった名前のところは今後どうするんでしょうか?
また,もし既にあるところは許されるというなら,規制の前に駆け込みでこういった名前が増えるかもしれませんね。

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司法修習生の就職活動1(裁判官への任官)

2006年02月16日 | ⑦法曹就職情報
司法修習生は,修習の最終試験(いわゆる「2回試験」)に合格すると,裁判官,検察官,弁護士となる資格(法曹資格)が得られることになっています。
しかし,2回試験に合格すれば当然に裁判官・検察官・弁護士になれるわけではありません。裁判所・検察庁・法律事務所等に修習中に就職活動をしないといけません。
何回かに分けてそれぞれの就職活動について書いて行こうと思います。
ただ,私は一地方の法律事務所の就職活動しかしていないので,それ以外の就活については私が知っている範囲に限られますが。

1 裁判官の就職活動について
(1)任官希望の意思表示
裁判官になりたい人は,遅くとも,後期修習の始まる前くらいには,裁判教官(民事裁判と刑事裁判)に裁判官に任官したいという意思表示しないとなりません。
しかし,早くから一応教官から目をかけてもらった方がアドバイス等を受けられる機会が多くなり得なので,できるだけ早くから意思表示した方がよいと言われています。
一番最初の意思表示する機会は,修習開始前に司法研修所に提出する報告書に志望を書くときです。
修習開始後は,いつでも裁判教官に裁判官になりたい旨伝えることができます。
裁判官かそれ以外か悩んでいる人も一応手を挙げておいてもよいでしょう。
また,既に法律事務所に就職が決まっている人でも,1年目の9月末までは,日弁連の就職協定によれば,内定(内々定)には拘束力がないので,それまでは自由に断れるので,裁判官になりたいと言えばよいでしょう。
実務修習に行ってから,裁判官になりたいと思ったとしても,成績さえ良ければ遅くはないです。裁判官になりたいと思ったときに,裁判教官にまず電話又はメールで相談してから,その後意思表示をすればよいでしょう。

一度意思表示している場合でも,何度も自分の志望動機をアピールした方がいいんでしょうね。
例えば,自己紹介のときや飲み会のときや教官室にいろいろ相談や質問に行くなど。
あと,前期中に研修所が開いてくれる就職説明会や教官が開く裁判官希望の人の集まり等にもこまめに出ておいた方がいいのではないでしょうか。

(2)いい成績をとる
また,裁判官希望の場合,成績がかなり重視されるので,民事裁判・刑事裁判科目はもちろん他の起案でもいい成績をキープする必要があります。
我々の1期前の58期の人までは各科目上位3分の1に入ることが必要と言われていました。
したがって,司法研修所の教科書(いわゆる「白表紙」)などについて,熟読し,理解を深める努力が求められます。要は,まじめにたくさん勉強しろということでしょうね。

(3)その他の資質
もちろん裁判官の資質は,勉強だけではなく,人柄も大事と言われます。まあ,これはリクルーターである各教官の好みもあるでしょうね。
私がもっている裁判官のイメージは,几帳面で,まじめで,マメで,礼儀正しく,丁寧・・・という感じでしょうか。まあいろんな人がいますが。

(4)二回試験後
二回試験の後,裁判官希望者に対し最高裁が最終面接をやるそうです。
一応二回試験の成績もこの時点でわかっているとか。
無事二回試験も合格し,成績もよければ任官できます。
成績がそれほどよくなく任官拒否されそうな人は,事前に教官が肩たたきをするという話です。
任官希望を取り下げて法律事務所に就職活動するか,死ぬ気で勉強をして任官にかけるか,難しいところでしょうね。

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債務整理の方法(個人サラクレ事件)③ 各手続きの比較の続編

2006年02月10日 | ⑤法律問題について
個人が負債整理するときに,破産,個人民事再生(給与所得者再生も含む),任意整理(特定調停も含む)がよいか簡単かつ一般的にお話します。

破産は,浪費・ギャンブルが原因で借金を作った場合でなくて,借金が少なくとも100万円以上ある人に向いてます。ただし,破産すると資格が制限される職業の人はダメでしょう。これの例は,警備員,保険外交員,弁護士などです。

個人民事再生は,借金の原因は問いませんが,200万円以上5000万円以下の借金がある人に向いてます。また,住宅ローンを支払中の不動産がある人で,不動産を失いたくない人は,住宅ローンはそのままでそれ以外の債務だけ減らすことができます(ただ,すべての住宅ローンある人ができるわけでないので,弁護士等にご自分ができるかどうかご確認下さい。)。

任意整理が向いている人は,利息が20%以上の消費者金融(サラ金)・クレジット会社から10年以上前からお金を借りまじめに返している人や,借金が100万円以下の人等が向いてます。

それぞれのメリットは,
破産は借金が0になること,
個人民事再生は借金が100万円か総負債額の5分の1のどちらか多い方に減ること(総負債額によっては借金が10分の1まで減ります),
任意整理は,将来の高い利息が0になること,払い過ぎた利息が借金の元本に充当され借金が減ること(長く返せば返すほど減る額は大きくなる)です。
上から順に借金が減るメリットは大きいですが,任意整理でもメリットは十分あるでしょう。

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