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ザ・プラマー 恐怖の訪問者

2013年11月29日 13時13分10秒 | 洋画1971~1980年

 ▽ザ・プラマー 恐怖の訪問者(1979年 オーストラリア 76分)

 原題 The Plumber

 staff 監督・脚本/ピーター・ウィアー

     撮影/デヴィッド・サンダーソン 編集/ジェラルド・ターニー=スミス

     音楽/ジェリー・トランド ロリー・オドノヒュー 製作/マット・キャロル

 cast ジュディ・モリス アイヴァー・カンツ ロバート・コールビー アンリ・ゼプス

 

 ▽不条理すぎる配管工

 年賦を見てみると、

 この作品はピーター・ウィアーが35歳のときのテレビ映画らしい。

 よくもまあこれだけ起伏のない物語をテレビ放映したな~、

 っていう驚きもさることながら、もっと驚くのは、

 ピーター・ウィアーにとってこの作品は4本目の監督作品で、

 なおかつ、

『ピクニックatハンギング・ロック』を撮った4年後に製作していることだ。

 これは、

 ほんとに同じ人間が撮ったんだろうかっていうほどの衝撃だわ。

 いやまじで。

 ピーター・ウィアーは寡作な人で、70年代から90年代の前半までは、

 ほぼ2年に1本の割合で映画を撮ってきたけど、

 その後は5年に1本しか撮らなくなっている。

 だから、1本1本にかなりちからが入っていて、たしかに凄い。

 ところが、なんでなんだかよくわかんないんだけど、この作品がぽつんとある。

 なんで、この、

 いきなりマンションにやってきた配管工に、

 浴室を占拠されるってだけの作品が撮られたのか、

 ほんとによくわかんない。

 これは、もはや、想像力の勝負だろう。

 たしかに配管工はちょっと不気味で分裂症ぎみで、腹立たしい男なんだが、

 配管工の存在に形而上学的な意味をもたせるのか、

 あるいはホラーとかSFとかいった要素を加味させるのか、

 それともテレビ局とピーター・ウィアーとの確執を想像するのか、

 さらには、ピーター・ウィアーという名前がおんなじ監督がいたのか、

 ともかくも、

 鑑賞者としてのぼくたちが自分なりの判断と想像で、

 この得体の知れない話で語られていないものを考えるよりほかに、

 いっさい、手はない。

 けど、なんにも浮かんでこない。

 ぼくは、どうすればいいのだろう。

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