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食品の第3の「健康にいい表示」実施へ ますます翻弄される消費者

2015年03月04日 | 食品

2015年3月3日
食品の第3の「健康にいい表示」実施へ ますます翻弄される消費者

食品に健康効果を謳える制度には、すでに特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品の2つがあるが、第3の制度として、「機能性表示食品」が、今年の夏ころに実施される。

 そのガイドライン案が、消費者庁から2日に発表された。機能性表示食品は、安倍政権の成長戦略の一つ位置づけられている。トクホは国が効果と表示内容を審査・許可する。栄養機能食品は、許可申請や届け出はいらないが、ビタミン17種、ミネラル5種に限られる。機能性表示食品は、トクホよりも手続きが簡単で、栄養機能食品よりも活用範囲が広い。食品の健康への効果を国の許可なしに表示できる。事業者は、一定の科学的根拠をつけて届出するだけで、「目の健康にいい」などと表示できる。トクホのようなマークはつかない。

 ガイドライン案では、表示した効果や安全性を確保するために、科学的根拠の中身や情報公開の手続きについて細かく定めている。うそがわかると罰則を科せられる可能性もある。ミカンの成分β-クリプトサキサンチンが骨粗鬆症のリスクを減らすとか、動脈硬化予防や血糖値抑制の効果がある成分の多いタマネギへの表示などが検討されている。

 米国では同様の制度が1994年から始まったが、表示根拠に開示義務がなく、根拠不明なまま健康を害する消費者が続出した。このため、消費者庁のガイドライン案では健康被害を防止する仕組みも考えられている。実際に食べられていて、健康被害がないかを確認、定着していないものは、情報を集めるか、新たに試験をする。情報はインターネットで公開する。

 特定の食品の特定の栄養素に健康効果を求めて、それを集中的に摂取するような性癖をフードファディズムと呼ぶらしい。食品の「機能性」というものは、それを煽りたてる恐れがある。予期せぬ悪い成分が含まれていることもあるだろうし、いい成分であっても過剰摂取の弊害も生じる。

私達消費者としては、それに踊らされずに、バランスのとれた食生活を送ることを心がけることが、リスクを避ける一番の方法だろう。

 


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