脱ケミカルデイズ

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カネボウ化粧品、相談情報を1年半活かせず

2013年08月11日 | 化粧品

毎日新聞2013811日(日)02:39
ネボウ化粧品:「白斑」 専門部署で検証なく1年半
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/medical/20130811k0000m040111000c.html

 ◇副作用情報届かず

 カネボウは最初に問い合わせを受けた後、約1年半にわたって適切な対応を怠った。消費者対応のまずさが被害を拡大させた形だ。

 「(最初の相談で)気付かなかったことが被害拡大の原因だ」。カネボウの夏坂真澄(なつさかますみ)社長は7月23日、被害拡大を発表する記者会見で悔やんだ。初めて顧客から白斑情報が寄せられた11年10月、苦情などを受け付けるコールセンターの担当者はひとまず医師の受診を勧めた。当時は「化粧品と関係ない病気と診断された」との回答があり、社内の注意を引かなかった。

 白斑に関する情報は、5月上旬までに33件寄せられたが、受け付けた担当者に白斑の知識がなかったり、相談が1回きりだったりしたケースでは、窓口の独断で、重要度が低い「フォローの必要がない相談」に分類するなど、ずさんなケースもあった。昨年10月には、皮膚科医から被害情報が寄せられたが、これも「アレルギー」と判断、重大な副作用とは考えなかった。

 カネボウは、これに先立つ2009年1月、親会社の花王の顧客対応システムを導入。コールセンターや店頭で受ける毎月約4000件の相談や意見をデータベース化し、開発や生産、販売など各部門がいつでも見られるようにしていた。しかし、情報をチェックする専門部署はなく、各部門の担当者が、手の空いた時に必要に応じて見ているだけ。カネボウ幹部は「多くの相談情報に埋もれ、白斑症状が複数あるという認識を持てなかった」と説明する。

 カネボウは今年5月13日に皮膚科医から3人分の被害報告を受け、ようやく調査に着手。担当者が皮膚科医から事情を聴いて副作用の疑いが強いと判断した。

 夏坂社長は、システムの運用に問題があったと総括、相談受け付けや品質保証の機能を12日付で花王と統合し、対応を強化する。花王は、窓口にどんな情報が寄せられ、どう処理したかを検証する「品質保証本部」で苦情処理などを二重で確認している。開発や販売部門もパソコンなどで情報をチェックするのが日課になっており、こうした取り組みにならう。

 夏坂社長は「病気との思い込みが判断を遅らせた」と釈明。複数の部門が情報を吟味して副作用などに早く気づく体制を築けるかが、最優先の課題となる。