脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

歯の治療に脱金属の流れ

2012年12月20日 | 化学物質

朝日新聞20121218日 歯の治療、脱金属 アレルギー・価格変動リスク回避へ

 

 虫歯のかぶせ物や入れ歯の材料には、金属が幅広く使われている。しかし、金属はアレルギーの原因になるほか、材料費が市揚価格の影響を受けて変動しやすいという問題点があった。近年、金属を使わないメタルフリーの研究が進み、新素材も開発されている。

 

(中略)

 

合成樹脂の一種ポリプロピレンという新しい素材が使われた入れ歯を勧められた。床と鉤が新素材でできている。この素材は、ポリ袋などの材料として幅広く使われている。床の厚さは05リと、従来5分の1。試してみると、柔らかくて歯茎に密着する。(中略) 従来の合成樹脂は水分と一緒に口の中の雑菌が入り込みやすいため、悪臭を発生させ、長く使っていると壊れやすかった。ポリプロピレンは吸水性が低く、強度や耐久性もあり、試した素材の中では最適だった。

 

(中略)

 

歯科治療に用いられる主な材料は、合金、合成樹脂、セラミックスの三つだ。合金には複数の金属が含まれ、金の含有量が多い金合金は基本的に保険が利かない。保険診療で広く使われているのは金銀パラジウム合金だ。合金は強度があり加工しやすいが、二つの問題がある。

一つは、金属アレルギーの原因になることだ。全身性の皮膚炎、湿疹、口内炎などの症状を引き起こし、全身の皮膚が黒褐色になるような重症例もある。愛知学院大歯学部の服部正巳教授によると、健常人の1割程度は金属アレルギーの予備軍で、歯の治療から何年も経って症状が現れる場合もある。原因が歯科材料用の金属とわかれば、体に安全なセラミックスなどに代える。

 

(中略)

 

厚労省は今月、奥歯が1本欠けた患者への非金属ブリッジ治療を、検査などには保険が使える先進医療として認めた。ブリッジは、抜けた歯の両側の歯を橋げたのようにして人工の歯を入れる。これまで、奥歯のブリッジには、金属のみか、金属を合成樹脂で覆った材料が使われてきた。先進医療として認められたのは、補強材として金属の代わりにガラス繊縫を使った合成樹脂製のブリッジだ。

 

(後略)