産経新聞2012年6月20日 日本の夏 節電の夏 蚊取り線香生産ピーク
「節電の夏」本番を前に、和歌山県有田市の大日本除虫菊紀州工場で蚊取り線香の生産がピークを迎えている。エアコンの使用を控えて窓を開放する家庭が増えると見込み、昨夏に続いて、平成22年比で約10%の増産を予定する。
「金鳥」ブランドで知られる同社は、蚊取り線香の国内シェアトップ。昨夏は、東京電力福島第1原発事故の影響で深刻な電力不足に陥った関東地方から「節電グッズ」として注文が殺到し、急遽(きゅうきょ)、増産している。さらに今夏の節電を織り込んで通常は生産を終える秋、冬もアルバイトを10人以上増やして機械を稼働させ、在庫を積み増しした。
現在、生産のピークを迎えて、約70人の従業員が蚊取り線香を手作業で箱詰めしており、1日に20万~30万枚を製造するという。
和田智工場長は「電気蚊取り器の消費電力はわずかだが、昔ながらの蚊取り線香の売れ行きが良いのは、節電の影響と思われる。若い人たちにも使われているようだ」と話している。
コメント
省エネの蚊取り線香は電気蚊取り器より「エコ」といわれそうですが、そうはいきません。
蚊取り線香は夏の風物詩となっていて、昔から使われていて、除虫菊が主成分だと思っている方も多いと思われます。ところが、歴史は意外に新しくて、明治以降であり、成分も、除虫菊の成分であるピレトリンと同じ効果をもつ合成ピレスロイドが開発されそれに置き換えられました。
ピレスロイドは農薬の成分です。分解が早くて、ヒトへの毒性が低いとして使用されていますが、最近の研究では、神経系発達への影響、ホルモンかく乱、がんの誘発、免疫系の低下をもたらすかもしれない等の毒性があることが分かってきました。今のように安易に多用する状態は危険です。
蚊よけとしては、網戸が効果を発揮します。様々な蚊帳もインターネットで手に入ります。
蚊取り線香を使うとしても、より効き目の緩やかな昔ながらの除虫菊を使用した製品が、これまたインターネットショッピングサイトでも入手できます。