脱ケミカルデイズ

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骨粗鬆症 過剰な紫外線ケアも要因

2012年06月22日 | 化学物質

朝日新聞2012年6月18日 体とこころの通信簿 骨粗鬆症 過剰な紫外線ケアも要因

骨がもろくなり、折れやすくなる骨粗鬆症(こつそょうしょう)の心配なんて、まだ先のこと――そう思いがちですが、若いうちにどれだけ骨を丈夫にしておけるかで、将来のリスクはまったく違ってきます。骨粗鬆症で、やっかいなのは自覚症状がないことだ。実際に骨折し痛みやしびれを感じて初めて、この病気だとわかる人も多い。

予防と治療ガイドラインの作成委員で、女子栄養大(埼玉県坂戸市)の上西一弘教授(栄養生理学)によると、国内の推定患者数は約1200万人。男女比は1対3。女性のほうが圧倒的に多いのは、もともと骨の量が少ないうえ、骨密度の低下を抑える女性ホルモンが閉経後に減るためだ。60代の女性の半数は骨粗鬆症だともいわれる。

骨が最も丈夫なのは20歳ごろ。その後年齢とともに誰でも骨量は滅る。骨は常に新陳代謝をしているが、骨をつくる働きが壊す働きに追いつかなくなるからだ。将来背中が曲がったり寝たきりほなったりしないためには、若いときにどれだけ「骨のカルシウムの貯金」をしておけるかが鍵だという。

上西さんが最近、骨粗鬆症を招きやすくなっている要因として、気にしているのが「若い女性のライフスタイル」だ。偏食や過激なダイエット、運動不足などのほかに、「過度な紫外線(UV)対策」も懸念材料の一つだという。骨の主成分であるカルシウムの吸収を高めるには、ビタミンDが必要だ。ビタミンDは魚や干しシイタケなどの食物からもとれるが、紫外線にあたることで皮膚でも合成される。東京都健康長寿医療センター(板橋区)で骨粗鬆症外来を担当する森聖二郎さんも「過剰にUVケアをすると、骨にはよくない。1日15分を目安に、手首から先くらいは日焼け止めを塗らずに日にあてるようにして」と助言する。

最近の研究で糖尿病や高血圧など生活習慣病の人は骨密度が高くても骨折しやすいことがわかってきた。森さんは、女性は閉経後には必ず、男性は60~70代になったら一度は、骨密度の検査を受けておいたほうがよいと勧める。骨密度は超音波やエックス線を使って測る。20~44歳の平均的な骨密度の70%未満だと、骨粗鬆症と診断される。いったん症状がひどくなると、ほとんどの場合、骨の減少を抑えるビスフォスフォネート薬を飲んだり、骨をつくるテリパラチド薬を注射したりする治療がずっと続くそうだ。

太陽の下、通勤や通学で一駅ぶん歩けば、骨の強化に欠かせない運動にもなる。筋肉がつけば、いざ骨が弱っても転倒を防げる。森さんは「過度に恐れる必要はないが、予防こそが大事な病気です」と話している。(内山美木)

 

あなたの骨、大丈夫?

① 身長が明らかに低くなった

② 家族に骨粗鬆症で骨折した人がいる

③ お酒をたくさん飲んだり、たばこを吸ったりする

④ 日光にあたらない生活だ

⑤ やせている

⑥ 食生活が偏っている

⑦ あまり運動をしない

ドクター森の診断

①は背骨が圧迫骨折している可能性があります。痛みを感じないこともあるので外見上の変化にも注意してください。②だと骨折リスクが約2倍という報告も。ほかの危険因子を減らしましよう。③は日本酒なら1日に2合以上飲む人は要注意。たばこはきっぱりやめましよう。④はカルシウムの吸収を助けるビタミンDは日光にあたることでもつくられます。過度なUVケアは控えて。⑤~⑥だと骨を弱めます。運動すれば骨が丈夫になるだけでなく筋肉もつき、転んでも骨折しにくい身のこなしができるようになります

 

相談

骨粗霧症尉団のサイト(http://www.jpof.or.jp/)には骨粗鬆症を診る医療機関(内科や整形外科など)が紹介されている。製薬会杜MSDのサイト(http://www.msd.co.jp/)の「健康と薬の情報」欄には旬の食材を使った「骨を丈夫にするためのメニュー」が載っている。

 

【ケミカルデイズ http://www16.plala.or.jp/chemicaldays/index.html