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脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

阪神大震災復旧作業では石綿対策不十分

2013年01月11日 | アスベスト

朝日新聞2013年1月9日 阪神大震災復旧時の石綿対策 防じんマスク装着2割

 阪神大震災で倒壊した建物の解体やがれき処理をした労働者に、当時のアスベスト(石綿)対策を尋ねた初の実態調査を立命館大のアスベスト研究グループがまとめた。約7割が石綿のある現場で作業をしていたが、防じんマスクをしていたと答えた人は約2割にすぎなかった。

 石綿による肺がんなどの健康被害は潜伏期間が10年以上と長く、「静かな時限爆弾」と呼ばれる。震災時の被害を巡っては、労災認定が近年相次いでいる。

調査は立命館大の立命館アスベスト研究プロジェクトが昨年11~12月に実施。京阪神の建設業関連の四つの労働組合に調査票を配り、回答を求めた。

1995年1月の阪神大震災で復旧作業の経験があると答えた人は128人。このうち、建物に吹きつけられた石綿を「触ったことがある」のは44%「見たことはあるが扱っていない」は30%だった。約7割の人が建材の中でも危険性が高いとされる吹きつけアスベストのある現揚環境で作業したことになる。「防じんマスクの配布・使用」は18%にとどまり、55%は「ガーゼマスクやタオルの使用」だった。6人(5%)が石綿肺などの石綿関連疾患にかかっていると答えた。

84%の作業員が現場周辺に住民が「いた」と答えたが、飛散防止の配慮や対策については「作業現場の隔離」が20%で、55%は「特になし」と回答した。

調査を担当した南慎二郎研究員(34)は「健康被害は今後建設労働者のみならず、一般市民の間でも顕在化してくる可能性がある」と警鐘を鳴らす。結果は12日に神戸市と宮城県石巻市で開くシンポジウムで発表する。(日比野容子)

阪神大震災とアスベスト

石綿は極めて細い繊維状の鉱物で、建物の耐火材や断熱材などに使用されていたが、現在は製造や使用が禁じられている。NPO法人ひょうご労働安全衛生センターによると、阪神大震災の復旧作業で石綿によるがんの一種「中皮腫」を発症したとして、2008年以降4人が労災認定されている。


煙突解体時にアスベスト飛散の恐れ

2012年12月11日 | アスベスト

朝日新聞2012年12月7日 煙突の解体時に石綿飛散の恐れ 国など調査

 

アスベスト(石綿)を断熱材に使っている煙突の一部で、石綿が飛散する恐れのあることが国土交通省や民間の研究グループの調査で分かった。30~50年ほど前に製造されたボイラーの排気・排熱用の煙突で、学校や痛院などに数万本あるという。飛散しても極めて濃度は低いので周辺住民に影響はないが、解体時や煙突につながる機械室などで作業する際には健康に影響する可能性があるという。

国交省によると、2009~11年度に老朽化した煙突など約80カ所を調べ、うち5カ所で石綿の飛散を確認した。特に劣化した煙突の底では石綿が空気1リットル中24本見つかり、機械室内でも9・1本あった。日本産業衛生学会が定める許容濃度は30本だが、厚生労働省はボイラー関係の団体にマスクを着けるなどの防護策を求める通知を出した。

NPO東京労働安全衛生センターの外山尚紀・作業環境測定士らのグループは劣化した煙突9本を調査。煙突内に風を送り込むなどの実験をした結果、いずれも石綿が飛散した。ニチアス(旧日本アスベスト)が1964~77年に製造した煙突用断熱材は石綿の飛散を招く恐れがあるという。


建設作業員のアスベスト訴訟で国の責任認める

2012年12月10日 | アスベスト

毎日新聞2012年12月5日 20時06分 (2012年12月5日 23時58分 更新)
アスベスト訴訟>国は10億円賠償、メーカー責任は否定http://www.excite.co.jp/News/society_g/20121205/Mainichi_20121206k0000m040042000c.html

 建設現場でアスベスト(石綿)による健康被害を受けたとして東京、埼玉、千葉の元建設作業員308人(うち199人死亡)について、本人と遺族計337人が国と建材メーカー42社に慰謝料など総額約120億円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は5日、国の責任を一部認め総額約10億6000万円の支払いを命じた。メーカーの責任は否定した。石綿被害で国の責任を認めた判決は大阪の石綿紡織工場元従業員による集団訴訟の1審であるが、元建設作業員による訴訟では初めて。

 始関(しせき)正光裁判長は「国の規制措置は全体として実効性を欠き不十分」と指摘。メーカーや事業者について「何の責任も負わなくていいのかとの疑問があるが立法政策の問題。血税で被害の一部を補てんすることを踏まえ、立法府と関係当局に真剣な検討を望む」と述べた。

 判決は、石綿の危険性が医学的に確立した時期について、国際労働機関が発がん性を明言した72年と認定。78年の専門家による国への報告書などから「79年には石綿関連疾患の患者が今後発生・増大することは容易に予見できた。遅くとも81年1月時点で防じんマスク着用を罰則付きで義務化するなどの規制を行う義務を負っていたのに怠った」と国の不作為を指摘した。

 その上で、同年以降に屋内で作業に従事し肺がんや中皮腫になった元作業員158人について、遺族を含む計170人に賠償を認めた。このうち吹きつけ工については、国の庁舎工事での石綿吹きつけが禁止された後の74年以降を賠償対象とした。労働安全衛生法上、労働者に当たらないとされる個人事業主の請求は認めなかった。【鈴木一生】


厚労省、石綿労災認定936事業所名公表 周辺住民などへの周知が目的

2012年12月04日 | アスベスト

 

厚労省2012年11月28日 平成23年度石綿ばく露作業による労災認定等事業場の公表~公表事業場数936事業場、うち新規は697事業場~
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002p3ub.html

 

 

 

 

 

 

時事通信2012年11月28日(水)15:01  936事業所を公表=11年度認定の石綿被害―厚労省
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-121128X339.html

  厚生労働省は28日、アスベスト(石綿)が原因の疾病で2011年度に労災認定を受けたり、遺族が給付金を支給されたりした人が働いていた936事業所の名称を同省ホームページなどで公表した。うち初めて公表されたのは697事業所。

 公表は、作業中に石綿を吸い込んでいた可能性がある従業員への注意喚起や、健康への影響が懸念される事業所の周辺住民への周知が目的。

 労災認定を受けた1144人が働いていた1005事業所のうち、個人事業主(一人親方)や事業所が不明な69カ所を除いた分が明らかにされた。

 ホームページに事業所一覧を掲載するほか、29、30両日の午前10時~午後5時に電話相談を受ける。番号は03(3595)3402。

 厚労省は「石綿による疾患は20~40年の潜伏期間を経て発症する。自分の働いていた事業所を確認してほしい」としている。 [時事通信社]

 

朝日新聞2012年11月29日(木)00:24 アスベスト労災、936事業場を公表 厚労省
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/K2012112808960.html

 厚生労働省は28日、発がん性のあるアスベスト(石綿)で健康被害を受け、2011年度に労災認定などを受けた人が働いていた936事業場の名前を公表した。新たに認定者を出した事業場は、全体の7割を超す697事業場だった。

 11年度に労災認定を受けた人は1105人。うち164人は認定時に亡くなっていた。今回の集計から、じん肺で労災認定された人のうち、石綿肺と判断された人数が加わっている。これとは別に、労災の時効を過ぎた遺族には石綿健康被害救済法(石綿新法)に基づいて特別遺族給付金が支給されており、その認定数は39人だった。

 症状別では、肺がん423人▽中皮腫555人▽良性石綿胸水42人▽びまん性胸膜肥厚51人▽石綿肺73人。認定者数は累計で、1万82人にのぼる。

 

 

毎日新聞2012年11月29日(木)13:00 <アスベスト>「石綿肺」労災、65事業所 厚労省が初の公表--11年度分
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20121129ddm012040127000c.html

 

 厚生労働省は28日、アスベスト(石綿)による労災が認められた従業員が11年度に出た936の事業所名を公表した。今回、石綿肺のために労災保険法による労災認定者が出た事業所を初めて公表し、その数は65事業所だった。石綿関連疾患の中で石綿肺は比較的多くの石綿を吸うことで発症するとされており、周辺住民にも注意喚起が必要として、患者団体が実態調査を求めていた。(20面に公表事業所一覧表)

 今回の公表は前年度より50事業所多く、初公表は697事業所。

 石綿肺は、粉じんが肺にたまって硬くなる「じん肺」として労災認定され、従来は石綿疾患に集計されていなかった。厚労省は患者団体の求めなどに応じて、労災認定が年間約800件あるじん肺について11年度から、エックス線写真などの医学資料や石綿の取り扱い状況を調査。その結果、個人事業主のため非公表の3人を含め、68人の労災認定者が石綿肺と分かった。

 うち複数の認定があったのは奈良県王寺町の耐火材メーカー「ニチアス王寺工場」(3人)や埼玉県羽生市のブレーキ材料メーカー「曙ブレーキ羽生製造」(2人)などだった。【大島秀利】

 

 


被災地アスベスト飛散事故、典型例が特殊例にすり替えられる

2012年11月26日 | アスベスト

ダイヤモンドオンライン2012年11月15日(木)09:10
石巻市で発生した“典型的”アスベスト飛散事故 「特殊事例」として処理したい行政の怠慢(1)http://news.goo.ne.jp/article/diamond/life/medical/diamond-27979.html

相次ぐアスベスト飛散事故を引き起こす要因はいったい何か。その構造的な問題を、被災地の石巻市で起こったアスベスト飛散事故の背景を分析することで、あぶり出していく。第1回目は、「典型例」な飛散事故として再三にわたり地元行政に報告と指摘が伝わっていたにもかかわらず、いつの間にか「特殊事例」にすり替わっていた顛末を解説する。

解体現場に散らばるスベスト 

 また被災地でアスベスト飛散事故が起きた。

 10月25日、厚生労働省は東日本大震災の被災地でアスベスト除去が適切に行われなかった結果、これに続く解体工事でアスベストを飛散させてしまった事例が報告されたとして、関係団体に再発防止を求める通知を出した。

 通知には宮城県石巻市で8月に起こったアスベスト飛散事故の概要が示されている。それによれば、アスベストを〈取り残しているところは鉄骨の柱に吹き付けをして、さらにモルタルの化粧壁で仕上げ、その後コンクリートブロックで覆っている状況であった〉などの特殊事情があったから、飛散事故につながったとしている。

 通知はそうした特殊事情を説明・周知するとともに、アスベスト除去工事に先立つ事前調査で、見落としやすい例を列挙して注意を促している。

 だが、アスベストの調査・分析に詳しい専門家で、NPO「東京労働安全衛生センター」の外山尚紀氏はこう警告する。

「国はこの件を特殊な事例と説明していますが、まったく違います。今回の件は明らかに典型例です。国は通知まで出して再発防止を求めていますが、これでは同じことがまた起きます」

 いったい、どういうことなのだろうか。まず、厚労省が通達を出すことになった経緯から説明しよう。

 アスベスト飛散事故が起きた現場は石巻駅からもほど近い、商店街に位置する店舗跡地。昨年の東日本大震災とそれにともなう津波によって、外壁が割れ落ちるなどの被害を受け、所有者からの申し込みにより石巻市が解体することになった。

 建物に吹き付けアスベストが確認されたため、今年3月に除去工事が実施され、その後8月から解体工事が始まった。

 ところが、解体工事中の8月30日、吹き付けアスベストが散乱していると通報があり、石巻労働基準監督署が現場に急行。その事実を確認し、工事を中止させた。

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