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脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

ボイラーの劣化した煙突からアスベスト

2012年09月20日 | アスベスト

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20120912ddm041040171000c.html
<アスベスト>「劣化煙突から石綿」 ボイラー用、研究者が調査
2012年9月12日(水)13:00 毎日新聞

 アスベスト(石綿)を断熱材に使った煙突から石綿粉じんが飛散しやすいことが複数の研究者の調査で分かった。煙突頂部で高い濃度の石綿繊維を確認した。石綿を使った煙突は、学校教育施設や公民館など、全国で数万本残っている可能性があるという。通常、問題となる建物の解体時以外にも石綿が飛散している可能性を示す結果で、国土交通省社会資本整備審議会アスベスト対策部会は「早急かつ重点的な調査が必要」と指摘。独立行政法人建築研究所の古賀純子主任研究員らが日本建築学会で、東京労働安全衛生センターの外山尚紀・作業環境測定士らが大気環境学会で、それぞれ14日に発表する。

 問題が指摘された煙突は主にボイラーの排気、排熱用。内側に石綿断熱材が使われ、鉄筋コンクリート建物に組み込まれたものが多い。公共、民間いずれの場合もあり、病院や社屋、店舗、寮なども含め、幅広く使われているという。

 古賀主任研究員らは国交省の事業として、東北・関東・近畿・北陸の建築物の煙突計17本などについて大手建設会社と共同研究。その結果、いずれも敷地内の地上では、石綿繊維本数は、空気1リットル当たり0・3本未満(未検出)だった。

 これに対し、著しく劣化した煙突では、ボイラー未使用の状態で、頂部の煙突口で同12本、下部の内部で同24本の石綿繊維を検出した。その隣の屋内の機械室でも同9・1本見つかった。劣化していない煙突でも、ボイラーを稼働した場合、頂部で同2・8本だった。

 また外山作業環境測定士の調査では、やや劣化した煙突のボイラー稼働時、頂部で最大同73・1本の石綿繊維を検出した。模擬実験では「通風」「加熱」などの条件が追加されるごとに飛散本数が増えた。煙突下部での灰出し作業の模擬実験では同平均735本の石綿が見つかった。地上で検出されなかったのは上空の風で石綿が拡散したためとみられる。

 外山氏らによると、問題の煙突用の石綿断熱材で代表的なものは、耐火材メーカーのニチアス(旧名・日本アスベスト)が1964~77年に製造した「カポスタック」で、毒性が強い茶石綿が70~80%含まれていた。生産量は煙突約5万本分との推定もあり、大半が現存している疑いがある。このほか、他社製の煙突用石綿断熱材も残っているという。【大島秀利】

 


医療用手袋再利用で中皮腫

2012年08月30日 | アスベスト

朝日新聞2012年8月27日 医療用手袋再利用で中皮腫 准看護師の労災認定

がんの一種「中皮腫」になった山口県内の女性准看護師(52)が労災を申請し、山口労働基準監督署から労災認定されたことがわかった。関西労働者安全センター(大阪)が27日、取材に明らかにした。准看護師側は「中皮腫になったのは、医療用手袋の再利用に用いていた粉末にアスベスト(石綿)が含まれていたためだ」と主張していた。

同センターによると、医療従事者が手袋に付着したアスベストが原因で中皮腫となり、労災認定されたのは全国初という。この准看護師は1980年から2009年まで山口県内の四つの病院に勤務。その中の一つの産婦人科病院では、手術用ゴム手袋をガス滅菌して再利用していた。ぬれた手袋同士がくっつくのを防ぐため、アスベストが混入していた粉末・タルクをまぶして使用していたという。タルクは滑石と呼ばれる鉱石で、細かく砕いて粉末にして使われる。かつて石綿が含まれていたものがあり、厚生労働省は2006年9月の労働安全衛生法施行令の改正で、0・1%以上のアスベストを含むタルクの製造などを規制した。女性は10年に中皮腫を発症。昨年8月に労災を申請し、今年7月に労災認定された。センターの担当者は「手術用の手袋の再利用は、かつて医療現場で広くおこなわれていた。被害が広がる可能性がある」として注意を呼びかけている。

 

 

時事通信2012年8月27日 海外では医師が中皮腫との報告も=吸引から10~40年の潜伏期間
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/life/medical/jiji-120827X052.html

 

 山口県の准看護師の女性が、病院で手術用のゴム手袋を再利用する際に使用していた粉末「タルク」に含まれていたアスベスト(石綿)が原因で中皮腫になったとして、労災認定された。

 厚生労働省によると、これまでにタルクにより労災が認定されたのは17件。内訳は製造業が15件、建設業が2件で、医療従事者が労災認定されたのは日本では初めて。

 だが、関西労働者安全センター(大阪市)によると、海外では外科医が手袋のタルクが原因で中皮腫になったとの報告があるという。

 石綿を吸い込んでから中皮腫を発症するまでは、10~40年の潜伏期間がある。初期症状はせき、胸の痛みなどだが、専門的な検査をしないと分からない。 

 

朝日新聞2012年8月28日 手袋に粉末「顔真っ白」労災の准看護師再利用で石綿吸引

がんの一種「中皮腫」になり、労災認定された山口県の准看護師河村三枝さん(52)が27日、大阪市内で記者会見し、約30年前に医療用ゴム手袋を再利用するため、アスベスト(石綿)を合む粉末のタルクを使った作業をしていたことが原因だったと明らかにした。作業は約5年間にわたり半月に1回程度繰り返していたという。

手袋に付着した石綿が原因で医療従事者が中皮腫となり、労災認定されたのは全国で初めて。かつて医療機関で手袋は再利用され、タルクが広く使われていた。石綿で引き起こされる中皮腫や肺がんは潜伏期間が長く、支援団体は「同種の作業に従事した人への影響が懸念される」と注意を呼びかけた。

河村さんは1981年6月から86年1月まで勤めた産婦人科医院で手袋を再利用するため、マスクをせず素手で、タルクをまぶす作業をしていた。10年に中皮腫と診断され、昨年8月に山口労働基準監督署に労災を申請し、今年7月に認定された。「タルクで顔が真っ自になる状態で仕事をしていた。中皮腫になるまで、石綿の存在もこの病気も、自分に関わりがあるとは思っていなかった」

河村さんが中皮腫と診断されたときには、すでに病が進行。タルクに含まれた石綿が原因であることも、被害者団体らの支援でようやく突き止められた。

タルク 滑石(かっせき)と呼ばれる鉱石を砕いて粉末にしたもの。ゴムなどの製造現場で幅広く使われている。採掘する際、石綿が不純物として混じることがある。1987年にタルクでできたベビーパウダーの一部に石綿が混じっていることが判明し、規制が始まった。

手袋再利用 80年代まで一般的

医療用手袋は1980年代まで広く再利用されていた。使用済みの手袋は看護師が回収、洗って乾かして再び手術に使ったという。神奈川県内の総合病院に勤めている呼吸器内科の医師は「昔は、殺菌した手袋はゴムがくっつかないよう、タルクの粉をまぶした」と話す。タルクをまぶす作業をしていた医療従事者が、石綿が原因でなる病気、胸膜プラークを発症して、診察したこともあるという。

西日本の手袋メーカーの担当者は「今も昔も新品の医療用手袋は、トウモロコシから作ったでんぷん粉をまぶしている。病院内で再利用する際には、安価なタルクを使った可能性もある」と指摘している。

タルクは医療用手袋の再利用時以外にも、ゴム製品や化粧品、製紙などの製造現場で幅広く使われてきた。厚生労働省職業病認定対策室によると、石綿を含んだタルクを扱ったことが原因で労災を認定された労働者は15人。製造業13人、建設業2人で、ほとんどが中皮腫を発症したという。石綿関係の労災認定は、厚労省のまとめでは最近5年は年1千人前後で推移している。ただ潜伏期間が平均で35~40年と長く、今後は申請が増える可能性がある。

 

ブログ主コメント

アスベスト問題に取り組む組織  胆管がん問題についても取り組んでいます。

関西労働者安全センター http://www.geocities.jp/koshc2000/


阪神大震災復旧作業中に石綿 中皮腫で労災認定

2012年08月28日 | アスベスト

朝日新聞2012年8月24日 阪神大震災復旧作業中に石綿 中皮腫で労災認定

1995年1月に発生した阪神大震災で、がれき撤去などの復旧作業に携わった経験がある兵庫県宝塚市の男性(享年65)が、アスベスト(石綿)の吸引が原因とみられる中皮腫を発症して死亡し、労災認定を受けていたことがわかった。遺族や関係者は「東日本大震災でも起きる可能性がある」として、対策の必要性を指摘している。

遺族ら「東日本でも起きる」

遺族らによると、男性は阪神大震災で自営の衣料品販売の仕事ができなくなり、発生直後の95年2月ごろから約2ヵ月間、被災地の兵庫県宝塚市や西宮市、神戸市などでがれき撤去などのアルバイトをした。被災して破損した建物の屋根瓦や廃材の片付け、清掃作業をしていたという。男性は2010年10月ごろからせきや微熱が出るようになり、昨年1月に悪性胸膜中皮腫と診断され、同年10月に死亡した。

男性は震災時のほかには石綿を吸い込むような環境にはいなかったとして、昨年6月に西宮労働基準監督署に労災申請し、今年8月に認定された。24日午前に会見した男性の妻(67)は「たった2ヵ月のアルバイトで中皮腫になった。東日本大震災の被災地で復興に携わっている人たちにもマスクをするなどして、気をつけてもらいたい」と話した。

震災による石綿被害では、阪神大震災直後から神戸市内などで1年以上、建物解体作業に従事し、中皮腫を発症した兵庫県内の30代男性が、08年に姫賂労基署から労災認定を受けている。また、2ヵ月間の解体作業の現揚監督経験があり、中皮腫を発症した元建設会杜員の男性も、09年に西宮労基署から労災認定された。今月16日には、震災がれきの回収・運搬に携わり、中皮腫を発症した兵庫県明石市の40代の男性職員が公務員の労災にあたる「公務災害認定」を地方公務員災害補償基金に申請している。


住民の石綿被害 企業責任初認定

2012年08月10日 | アスベスト

朝日新聞2012年8月8日 神戸地裁 住民の石綿被害 企業責任初認定

大手機械メーカー「クボタ」(本社・大阪市)の工場の周辺住民2人が死亡したのは、工揚から出たアスベスト(石綿)が原因だとして、遺族4人がクボタと国に総額約7900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が7日、神戸地裁であった。小西義博裁判長は1人の健廉被害について、工場の石綿との因果関係を認定。大気汚染防止法に基づき、クボタに3195万円の賠償を命じた。石綿被害を巡り、工場周辺の住民の健康被害について企業側の責任を認めた司法判断は初めて。国の不作為責任は否定した。

原告は、中皮腫で1996年に死亡した山内孝次郎さん(当時80)らの遺族。山内さんは1954~75年、クボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の約200メートル先の職場に勤務していた。判決は、工場の排気や換気の状況などから、75年あるいは81年ごろまで、工場敷地外にも石綿の粉じんが飛散していたと認定。300メートル以内に1年以上住むなどして中皮腫を発症した揚合、工場が発生源と推認できると指摘。山内さんについて「工場からの石綿粉じんと死亡に因果関係が認められる」とした。(井上裕一)

 

朝日新聞2012年8月8日 石締救済見直し迫る「判決、被害住民の武器に」

大手機械メーカー・クボタの工場から出たアスベスト(石綿)が原因だとして、死亡した住民の遺族が同社と国を訴えた訴訟で、神戸地裁の判決は、工場周辺の住民被害について企業側の法的責任を初めて認めた。原告側は「石綿が労働災害だけでなく、公害を引き起こす物質であることが明らかになった」と一定の評価をした。

クボタは2006年以降、周辺住民や遺族に1人あたり2500万円から4600万円の救済金を払ってきた。今年3月末までの対象者は232人、総額は約90億円にのぼる。原告の2遺族も対象になったが、救済金を払う理由は「石綿を取り扱ってきた企業の社会的責任」。因果関係や法的責任を認めないことに納得できず、救済金を受け取らずに提訴した。

今後の救済策について、クボタの広報担当者は「従来通り対応していく」とするが、吉村良一・立命館大教授(環境法)は「クボタぱ『救済』ではなく、損害を補う『補償』の考えに立つべきだ。被害の状況によっては、現在のクボタの救済金よりも手厚い補償金の支払いが必要になるだろう」との考えを示す。独立行政法人「環境再生保全機構」が昨年発表した調査結果によると、石綿を扱う施設の周辺住民らの健康被害は全国で約1800人にのぼる。

判決後に記者会見した原告弁護団の八木和也弁護士は「周辺住民の被害は全国で出ている。企業を相手に争う際、判決は大きな武器になると思う」と述べた。


阪神大震災のアスベスト被曝で中皮腫か?

2012年07月13日 | アスベスト

毎日新聞2012年7月7日 <アスベスト>阪神大震災がれき処理で中皮腫か 兵庫・明石市職員が発症

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20120707ddm041040053000c.html

 兵庫県明石市は6日、阪神大震災(95年)のがれき処理に公務で携わった40代の男性職員が中皮腫を発症したと発表した。がれき処理と発症の因果関係は不明だが、市は原因の一つである可能性があるとして、がれき処理に関係した職員192人を対象に、アスベスト(石綿)検診を実施する。職員は近く公務災害の認定を請求する。昨年の東日本大震災でも多くのがれきが発生しており、防じんマスクの着用など徹底したアスベスト対策が求められそうだ。

 

主催者コメント
1995年の阪神大震災から17年、当時のがれき処理の際のアスベスト被曝による被害がついに現われる。今回の大震災でも同様な事態が心配されます。

 

【ケミカルデイズ http://www16.plala.or.jp/chemicaldays/index.html