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セバスチャン・ズビク対フリオ・セサール・チャベスJr(2011/06/04)

2011-06-05 13:17:21 | ボクシング

WBCミドル級タイトルマッチ

偉大なる伝説の息子フリオ・セサール・チャベスJr選手(Julio Cesar Chavez Jr)がドイツからのセバスチャン・ズビク選手(Sebastian Zbik)の保持するWBC王座に挑んだ注目の一戦は米国カリフォルニア州で行われ、チャベスJr選手が12回2-0判定を制して世界王者の座を掴んだ一戦でした。(体格比較)

序盤のペースはズビク選手がリードすると見ていた試合前。ジュニア選手が左フックのボディブローや右ストレートで好スタートを見せた初回は意外な展開でしたが、2回からは戦前の予想通りズビク選手のハンドスピードに勝る正確な攻撃が展開をリードしていきます。
チャベスJr選手も頭を付け合うような接近戦・密着戦で力強いボディブローやズビク選手のガードの間を突き上げるアッパーなどの効果的な攻撃を見せる場面もあるのですが、有利に見える接近戦に固執する様子も特に見せず、ズビク選手の正確な攻撃にポイントを奪われるラウンドが続いた試合前半戦でした。
7回に接近戦からサイドに出て当てた右ストレートでチャンスを掴んだジュニア選手で、ペースが変わるかに思えたのですが、続く8回はズビク選手も王者の意地を見せて踏みとどまります。
9回も特にジュニア選手に勝負を仕掛ける様子が見られずに、どうするつもりなんだろう、とか思ったのですが、10回はスタートからプレスを強めてラスト3ラウンズに勝負を仕掛けたジュニア選手。
ズビク選手もなんとか踏みとどまって応戦するのですが、ジュニア選手の強いボディブローや顔面への左右アッパーが明白にペースを奪った試合最終盤。ジュニア選手にも疲れがかなり見えますが、パワーと体力とで王者をついに追い詰めた状況での12回最終ゴングでした。

CompuBox Stats: Chavez Lands Harder, Zbik Lands More(Boxing Scene)
トータルでズビクは135発多くヒット、パワーショットでは93発多くヒット。

Powerpunches,Punchzone



公式のスコアは115-113、116-112、114-114の2-0チャベスJr。シロート採点114-114。(当初John Keane氏のスコアは116-112と発表されたがこれは間違いで正しくは116-113、という話もあるみたい)
公式スコアシート画像
クロスファイトだったのは事実ですし、ジュニア選手に評価できる部分も多々あった試合。どちらが勝っていても不思議ではない内容で、それはつまりジュニア選手が勝っていても普通。
だと思うのですが、ジュニア選手だけに色々勘ぐられたり、ケチをつけられてしまうことになるんでしょうか。私自身にもちっとはそんな気持ちもありますし、オヤジさんを知る身にとって、これはしょうがないのかもしれません。
 

チャベスJr選手は43勝(30KO)1分。ズビク選手は30勝(10KO)1敗。

Chavez dethrones Zbik(Francisco Salazar and Rocco Morales at ringside Photo: Chris Farina/Top Rank//Fight News)
Julio Cesar Chavez Jr. Grabs Gold, Decisions Zbik(Luis Sandoval/BoxingScene)
Arum: Chavez-Cotto Could Be Next, Margarito Possible(Ryan Burton/Boxing Scene)
Chavez beats Zbik, wins WBC middle belt(USA Today)
ローチ「ズビクは非常にハートが強く、勝つためにハードに戦っていた。ただジュニアは過去最高のコンディションで臨むことができ、(ズビクとは違い)最後まで失速しなかった」
ズビク「前半の5ラウンドか6ラウンドは取っていたはずで、自分が大きくリードしていたはずだ。ただボディブローを数多く貰ってしまい疲れてしまった。コーナーで最終ラウンドを獲らないとだめだと言われて自分でもそうしたつもりだったんだけど・・・ジャッジはクロスラウンドすべてをジュニアに振ったんだろう」

写真
Photos: Julio Cesar Chavez Jr. Wins Gold Mega Gallery‎(BoxingScene)


Bad Left Hook Live Results and Coverage: Sebastian Zbik vs Julio Cesar Chavez Jr(Scott Christ/Bad Left Hook)~116-112ズビク
Julio César Chávez Jr. vs. Sebastian Zbik: Round-by-Round Results (9-12)(Blake Dreisbach/Bleacher Report)~115-114ズビク
CHAVEZ JR. CHOPS DOWN ZBIK; WINS GRUELING DECISION AND CAPTURES TITLE(Ben Thompson/Fight Hype)~114-114
Chavez Jr. has reason to be proud after winning his first title(Michael Rosenthal/RingTV.com)~114-114
ESPNのDan Rafael氏は115-113チャベスJr
Monday Morning Recap(Graham Houston/Fight News)115-113チャベスJr
Did Zbik Get Sturm'd?‎(Steve Kim/Doghouse Boxing)~115-113ズビク
HBOのハロルド・レダーマンは116-112チャベスJr

今回の試合でのズビクの方が135発多くヒットしていながら敗れた、というケースはcompuboxの過去の記事を参照するに過去4番目の模様。
その記事:Worst Title Fight Decisions in CompuBox History
1位は280発多くヒットしていたトロイ・ドーシーがホルヘ・パエスに2-1判定で敗れた試合。(ホルヘ・パエス対トロイ・ドーシー(1990/02/04))
2位は218発多くヒットしていたレノックス・ルイスがイベンダー・ホリフィールドに勝てなかった試合(ドロー)
3位は149発多くヒットしていたデーブ・タイベリがジェームス・トニーに2-1判定敗れた試合

参照した記事が書かれた以降にも2010年1月に行われたガブリエル・カンピーヨ対ベイブット・シュメノフ2で101発多くヒットを奪ったカンピーヨが2-1判定を失う、という試合もありました。



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6 コメント

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Unknown (チャルバンチャイ)
2011-06-05 22:03:50
少し前のエントリでの管理人さんの予想と酷似した展開、にわかファンの自分にとってこの試合のような揉み合いはいまひとつ楽しめなかったです。
この試合の勝者はマルチネスと、というハナシですが、こういう体力まかせの揉み合いを仕掛ける相手にマルチはどう対応するのか?よもや相撲みたいにはならないと思いますが、それゆえ対戦が楽しみではあります。
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Unknown (条助)
2011-06-05 23:53:59
偉大な父を持つせいか、ジュニアはけっこう批判にさらされる事もあったみたいですが、そんな中でも世界王者に
までなれた事には拍手を送りたいです。
まあ、父を超えられるかはこれからですね。
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Unknown (Unknown)
2011-06-06 11:33:05
いままでかなりもっさりとした微妙な印象しかないので、ほんとよくやったな、がんばったな、と思いましたね、チャベスJr。
どうも調整試合といった、いまひとつな相手にも、今回のズビクのようなそれなりの強豪相手にも、同じような試合をしてる感じで、それがどうも印象がパッとしない原因になってる気がします。
やっぱり、相手がいまひとつだと「なんだ、この相手にこんな試合して」と思ってしまいますから。
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Unknown (管理人)
2011-06-06 18:44:25
>チャルバンチャイさん
マルチネスと今やれば公開処刑になってしまうんじゃないでしょうかね。
実力そのものよりも、タイプ的な相性からみて最悪な相手に思えます。
10月にコットと、という話が浮上しているみたいですが、こっちのほうが可能性ある気が私はしています。

>条助さん
父を超える、ってのは果てしなく難しいことなんじゃないでしょうかね。周りも本人もそんな希望を抱いてるとも思えません。
それほどシニアの名前は偉大すぎるものだと思います。
記事に加筆しましたが、今回の試合は数多くパンチを当てていた方が判定で敗れるという結構珍しいケースだったりするのですが、だからといって単純に批判される内容だとは私は思いませんでした。
数値からは見えないパンチの強さ効果が判定に影響した試合だと感じましたし、そういった見方が実際多い情勢のようです。
華々しい勝利ではないけれども、素晴らしい体力とハートを示した勝利に価する内容、だったと私は見た試合でした。

>Unknownさん
ペース配分なんでしょうが、あからさまに休む場面をもうちょっとなんとかした方が良いと感じたこの日の試合でした。
緩めに見える身体も手伝って(当日なんと180!)、どうにもだらだらして見えて損してる面がある気がします。

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おめでとう (まっからむ)
2011-06-11 11:39:28
チャベスジュニア遂に獲りましたか…
左ボディーとタフネスにはいいものを持ってますが、ディフェンスが悪く、イマイチパンチにも威力の無いジュニアは、あまり好きではありませんでした。
が、好試合だったようで、おめでとうと言いたいです。
次はマルチネス戦ですか。全くパンチが当たらず、ガツンガツンとモロにパンチを喰いそうですね。
コットもチャベスジュニアは大好物でしょうね。左フックのカウンターがジャストミートしそうです。
と言うか、近い階級の強豪選手なら、誰でもチャベスジュニアと対戦したいでしょうね。人気があって、勝てそうだし。
ないでしょうけど、パックが有終の美に7階級制覇して引退…とか妄想します。
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Unknown (管理人)
2011-06-11 15:56:25
>まっからむさん
マルチネスサイドはWBCのダイヤモンド王者だから正規王者のジュニアとやる優先権があると主張しているものの、ジュニア側というかアラムは「やんないよ。もう少し名前売りなさい」、とかいってるようでマルチネス対ジュニアがすぐに実現する目はちょっとなさげな情勢です。

対コットを考えた場合、確かにコットのスキルはジュニアを苦しめるのに十分なものがあると私も思いますが、ミドル級のジュニア(しかもこの日は当日180もあった)が相手ということで、マルガリ戦のように体力差で押し潰されてしまう展開の可能性も結構あるような気がしています。
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