IBF・WBC・WBAミドル級タイトルマッチ
IBF・WBC・WBA統一ミドル級王者ゲナディ・ゴロフキン選手(Gennady Golovkin)にリング誌認定ミドル級王者のカネロ・アルバレス選手(Saul Alvarez)が挑んだミドル級の大一番は米国ネバダ州ラスベガスで行われ、論議を呼ぶであろう12回三者三様のドローに終わった一戦でした。(体格比較)
初回、様子見のカネロ選手に対してじわじわと前に出ながら左ジャブを放ってプレッシャーをかけていったゴロフキン選手。ゴロフキン選手のパンチの終わりに素晴らしい左フックのボディブローをカウンターで放ったり、右アッパーを見舞うなど、カネロ選手のスピードとスキルが明らかにゴロフキン選手の上を行っているというのは試合序盤で明白になります。
パワーという面でも決して引けをとっているようには見えず、スリッピングアウェーを駆使したディフェンスでゴロフキン選手の決定打を上手く殺しながらスピードとスキル、そしてパワーを備えた鋭いカウンター攻撃でミドル級の絶対王者ゴロフキン選手を脅かし続けたカネロ選手の戦いは見事なものでした。
しかしカネロ選手の強烈なボディブローを食いながらも終始前に出て強いショットを打ち込もうと挑み続けていたゴロフキン選手。その愚直とも映る姿、戦いが、カネロ選手のスマートな戦いぶりとは対照的。
体力・パワーでのごり押し、というのでは決してなく、常にジャブを起点にした攻めを貫いたゴロフキン選手に対して、あえてロープを背にして相手に攻めさせておいてカウンターを狙ったり、フットワークを駆使して相手の攻め気をはぐらかし、そしてスピード差を生かしてうまいことやる、みたいに見えたカネロ選手の戦いは損な部分もあったのかもしれません。
試合としてはスピードとスキルに勝るカネロ選手がパワーの面でも決して引けをとらない戦いを見せたものの、ゴロフキン選手のジャブを起点に据えた正直な攻め、その攻めのパワーが終始わずかながらも上回り続けていたようにみえた12ラウンズ。
最初から最後まではっきりと感じられたゴロフキン選手の相手をぶちのめしてやろうというスピリッツに対して、カネロ選手の戦いからはそういったものは最後まで感じられませんでした。
Canelo vs. Golovkin - CompuBox Punch Stats(Boxing Scene)
Powerpunches,Jabs,Punchzone
公式のスコアは118-110カネロ、115-113ゴロフキン、114-114という三者三様のドロー。シロート採点118-110ゴロフキン。
8p差でのゴロフキン勝利との大差になったわたくしめの採点でしたが、内容的にはもっとクロスしていたと思っています。ただ勝者はゴロフキン以外にはない、というのが私が感じたところ。
オフィシャルのスコアについて全然精査していませんし、まぁそういう見方もあるのかなという位の感想だったりしてるのですが、ゴロフキンにとっては納得いかん、カネロにとってはラッキーだった、というのが両者の偽らざる心境なのでは??
この試合を戦っている最中、また戦い終えた時点でゴロフキンは本当にいっぱいいっぱいに見えました。自らの持てるものをすべて出し切りさらに限界以上まで出した戦い。
対するカネロは常に余裕を残しているというかギリギリ限界までチャレンジしない、という風に感じたのは私だけでしょうか。
そう感じたのは私だけなのかもしれず、そこらへんが影響した私の採点結果なのかもとも思わなくもないですが、この大一番でのこの採点結果ってのは後世まで汚点として残ってしまう気がするのが残念です。
ゴロフキン選手は37勝(33KO)1分。カネロ選手は49勝(34KO)1敗2分。
Gennady Golovkin retains IBF, WBA and WBC titles after drawing on points with Canelo Alvarez as the champion calls for a rematch after Las Vegas fight(JEFF POWELL/Daily Mail):118-111ゴロフキン
Canelo vs. GGG fight result: Both fighters call for rematch after questionable decision(Brian Campbell/CBSSports):117-111 ゴロフキン
Canelo Alvarez vs. Gennady Golovkin full results, live streaming updates, round by round coverage( ):117-111 ゴロフキン
Gennady Golovkin vs Canelo Alvarez round-by-round breakdown after judges fail to produce winner(JACK RATHBORN/Mirror):117-111 ゴロフキン
Gennady Golovkin vs. Canelo Alvarez: LIVE Round By Round Scorecard For Fight(ANTHONY RICCOBONO/IBTimes):116-112ゴロフキン
Harold Lederman(HBO):116-112ゴロフキン
Gennady Golovkin and Canelo Álvarez fight to controversial split draw – as it happened(Bryan Armen Graham/The Guardian):116-112ゴロフキン
Canelo vs Golovkin results - Live streaming play-by-play updates(Patrick L. Stumberg/MMA Mania):116-112ゴロフキン
Canelo Alvarez, Gennady Golovkin fight to draw; both call for rematch(Dan Rafael/ESPN):116-112ゴロフキン
Canelo Alvarez and Gennady Golovkin fight to controversial split draw in thriller(Kevin Iole/Yahoo Sports):115-113ゴロフキン
Canelo Alvarez vs. Gennady Golovkin: Live Blog, Round-by-Round Analysis, Updates(MIKE HARRIS/Sports Illustrated):115-113ゴロフキン
Canelo And Golovkin Brawl To A Draw(Marc Livitz/Seconds Out):115-113ゴロフキン
CANELO AND GOLOVKIN FIGHT TO A SPLIT DRAW(Ben Thompson/FIGHTHYPE):114-114
THE LATEST: ALVAREZ AND GOLOVKIN FIGHT TO BRUTAL DRAW(The Associated Press):114-114
Canelo vs. Golovkin - LIVE BoxingScene Scorecard(Boxing Scene):114-114
Alvarez and Golovkin fight to brutal, controversial draw(George Willis/New York Post):114-114
Borges: Gennady Golovkin, Canelo Alvarez put on a thrilling bout, but it still proves to be luck of the draw in the end(Ron Borges/Boston Herald):114-114
Gennady Golovkin vs Saul canelo Alvarez 1 - Full Fight
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アルバレスは今までの戦った強豪のスキルを吸収した戦い方だったような気がします。
中盤戦のロープ際の攻防はアルバレスが終盤でのスタミナ温存が狙いであったことはゴロフキンも判っていたのでしょうけど、攻めないわけにはいかない。
10~12ラウンドで残りスタミナの温存を開放していったアルバレスが2~3ポイントリードで勝ったと思っていました。
しかし、消極的な点を採点に取られてしまうとこういう結果もあるのかなと思いました。
私の個人的採点基準は当たらずとも打つ人よりきちんと考えて精密に打つ人の方を好む傾向にあるのでジャッジや皆さんとはずれているのかなと思う試合でした。
蛇足ですがゴロに真っ向から対抗したカネロ ジャッジさえ問題にならなければリスペクトしかないでしょう 買収を疑ったり試合後のコメントにイチャモンつけるチンパンジーがやはり沸きましたね 体制も大概ですがこういう不愉快なオーディエンスも本当にどうにかならんものか。。。
ただカウンターのアッパーが入ってゴロがぐらついた場面でも攻めにいかなかったりスタミナ切れ?なのかカウンター以外殆ど手を出さない中盤のラウンドなどゴロつけたラウンドが多くなりドローになりました
カネロが思いのほか良く善戦したので内容的には接戦で、ゴロフキンの攻勢対カネロの単発のクリーンヒット、どちらを取るか、だったのかな。
ただ、ゴロフキンが2ラウンドしか取ってない、という採点はあり得ませんね。
せっかくの好試合だったのになんとも後味悪い。
リマッチあるかもしれませんが、倒さない限りゴロフキンの勝ちがない、みたいなジャッジでやるなら興味ないです。
価値観の別れるとても難しい試合ですよね 攻めの機転のパワージャブは当たってもそのあと当たってませんからね スタッツはカネロのほうが多く当ててます ゴロは手数を伴い前進し攻勢が中断してもすぐ攻めましたがこれをアグレッシブネスと評価出来るかは際どいです さすがにヌジカムとは違うと思いますが パワージャブのヒットをどう評価するかも難しいしカネロのごまかしについてはダメージ面ではむしろゴロに感じました 単に異常に打たれ強いのかもしれませんが
アルバレスは判定ならやや有利に見てもらえるだろうと、判定狙いの戦法やったと思います。逆にゴロフキンは判定なら不利に見られるだろうとKO狙いの戦法だったと思います。
ゴロフキン衰えたな、と言うのとアルバレス上手くなったな、との印象ですがアルバレスの勝ちはなかったと思います。
118-110でアルバレスにつけたジャッジはあまりにひどいと思いますね。
あと、インタビューが対照的でしたね。言いたいことはいっぱいあるでしょうが、相手とお客さんを讃えた紳士のゴロフキン。言うほど大したことなかった、自分が勝ってたとふてぶてしいアルバレス。
今回はアルバレスを応援するお客さんが多かったですが、再戦だと逆になるのでは。
あれで勝ちと思うのは今までも変な判定で勝ってきたのが当たり前になっているからでしょう。
ゴロフキンは本当に気の毒。
ゴロフキン独特の上目からねじこむようなフックがカネロをかすめるたび鳥肌が立つようでしたし、要所で鋭いカウンターを返すカネロの素晴らしい技術がこの勝負を最高のエンタメにしていましたが、人の主観やバイアスといったものを色々と考えさせられる不可思議な一戦になってしまいました。
『再戦だ』、と、『再戦か』のふたつがあるとすれば、この試合は後者の感想です。
それでも組まれれば楽しみますが。
戦前、懸念された通り議論を呼ぶ判定結果になったのはある意味試合内容含め予想通りでした。
一つだけ管理人と違う見方はカネロに余裕は感じなかったところ。
中盤以降のカネロはガス欠とダメージを上手く誤魔化して戦っているように見えました。
カネロのコンビネーション、カウンター、ディフェンス技術がゴロフキンに通用するのも想定内でしたが加えて今回のカネロはドーピングしてたと思いました。
ただし表に出る事は絶対にないでしょう。
再戦条項は含まれてるしリマッチに進むのは規定路線でしょうがゴロフキンにとってこれがカネロに勝つ最初で最後のチャンスだった。
この試合でゴロフキンをインプットしたカネロを倒す事は出来ないでしょう。
リマッチではまたしても接戦を制してカネロが勝つと思います。
中盤のプッシングからのカネロの顎への右ストレートってカーンが失神した奴だと思うんですけどゴロフキンの首と脳は一体どうなってるんでしょう