フリオ・セサール・チャベスJr対ビリー・ライル(2011/01/29)

ミドル級10回戦

明日、世界王座に挑む偉大なる伝説の息子、フリオ・セサール・チャベスJr選手(Julio Cesar Chavez Jr)。彼の前戦、1月の対ビリー・ライル選手(Billy Lyell)は、チャベスJr選手が10回判定で勝利した一戦でした。

身体の大きさが一回り以上違って見える両者で、その見た目通りのパワー差でチャベスJr選手がペースをキープし続けていた試合。相手の攻撃をスリップしてからすかさず打ち込む右ストレートや、左フックのボディーブローで終始優位に立っていたジュニア選手。
ライル選手もよく頑張っていて、しぶとい左右で最後まで懸命に抵抗を続けたのですが、ライル選手の攻撃が少々入ってもチャベスJr選手に全く効果を与えることができないパワー差、体力差を埋めることはできず、チャベスJr選手が大差の判定を掴む勝利でした。

公式のスコアは99-92、96-94、98-92の3-0ジュニア。意外にライル選手にポイントを振っていたジャッジもいた公式の結果でしたが、チャベスJr選手の無難な内容による明白な勝利でした。
ちと動き全体がもっさりとした印象で、いつも以上に切れを感じさせなかったチャベスJr選手。明日の大一番にはベストのコンディションで臨んでもらいたいものです。

チャベスJr選手は42勝(30KO)1分。ライル選手はこの後5月の試合に勝利して現在23勝(5KO)9敗。




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さて、明日カリフォルニア州で行われるWBCミドル級タイトルマッチ。前日計量はズビク選手158.8lb、チャベスJr選手160lbで両者ともにパス。

Zbik, Chavez make weight(Photos: Chris Farina/Top Rank//Fight News)

堅実な技巧を誇る王者ズビク選手に対し、まだまだ未完成にも見えるチャベスJr選手が挑む一戦。
スピードと技術のある王者ズビク選手に対しこれまでも度々ディフェンスの甘さをつかれていたチャベスJr選手。王者の正確な攻撃が高い的中率でヒットしていく展開が予想できるところ。ズビク選手のシャープなカウンターなどでチャベスJr選手が後退するようだと試合は一方的な王者ペースになってしまうでしょう。
ただズビク選手の攻撃力とチャベスJr選手のタフさ体力とを見るに、少々の被弾は厭わずにチャベスJr選手が出る、という展開に序盤はなりそうな気がします。
ズビク選手の正確な攻撃でチャベスJr選手が効いてしまうのか、あるいはチャベスJr選手の体力を生かした攻めに王者が追い詰められてしまうのか、序盤のペース争いが試合の展開を大きく左右していく試合になるのではないでしょうか。

チャベスJr選手としては、相手の攻撃を食うのは覚悟しつつ、ディフェンスの意識を高く持って注意深く戦うスタートを見せて欲しいところ。得意のボディブローを前半から決めていけば王者は必ず失速していくはずで、試合前半戦はペースとポイントを奪われてもいいので、被弾を可能なかぎり少なくし、自分のパンチを1つでも多く当ててズビク選手の体力を削っておきたいところ。この展開になれば体力に勝るチャベスJr選手が明白な勝利を掴むことになると、私は予想します。

Chavez Jr vs Zbik: Toe to Toe(Joseph Herron/EastsideBoxing)
ハンドスピードとシャープネスに勝るズビクが立ち上がりのペースを圧倒する。しかし中盤以降はチャベスJrの身長とリーチを生かしたアウトサイドからの攻めがペースをコントロールし、結果は論議を呼ぶスプリットの判定でチャベスJrが新王者の座に就く。

この予想はけっこう私が思い描く展開と似てるかも。
どちらが勝つにしても判定勝負になりそう？いちおう予想としては、チャベスJrが僅かにリード、としておきます。
フェアな採点を望みたいところですが、接戦でチャベスJr選手が勝った場合は内容関係なく紛糾することになるんでしょうか。フェアでなおかつ明白な内容での決着を望みたいです。