WBA・WBC・IBFヘビー級タイトルマッチ
「Battle of the Ages」世代間の戦い、と銘打たれた1991年のヘビー級タイトルマッチ。当時28歳の統一王者イベンダー・ホリフィールド選手(Evander Holyfield)に42歳の元王者ジョージ・フォアマン選手(George Foreman)が挑んだ一戦は、ホリフィールド選手が12回判定で勝利してタイトル初防衛に成功した一戦でした。(体格比較)
1984年ロス五輪銅メダリストのホリフィールド選手と1968年メキシコ五輪金メダリストのフォアマン選手。両者が初めてヘビー級王座を獲得したのがフォアマン選手1973年、ホリフィールド選手1990年。
ホリフィールド選手がヘビー級王座を獲得する前にマイク・タイソン選手の時代があり、その前にはラリー・ホームズ選手の長期政権。フォアマン選手が活躍していたのはさらにそれ以前の時代であり、87年に大きなお腹で10年ぶりに現役のリングに帰ってきた時は、冷ややかな目線が大半でした。
(74年と91年とのフォアマン選手の体格データ比較、クルーザー級から上げてきたホリフィールド選手の85年と91年との体格データ比較)
しかしハイペースに黙々と試合をこなし続けるオールドグレートの「本気っぷり」にファンや関係者の注目が徐々に集まっていった当時の状況。
カムバック以降24連勝(23KO)を続け、ついにこの日の16年ぶりとなる世界ヘビー級タイトルマッチにまでたどり着けてみせました。
タイトルマッチの舞台に立ったこの時点でフォアマン選手の奇跡のストーリーはある種完結を見ていて、この日の試合は副産物に過ぎない、つまりフォアマン選手の強打に一縷の望みを託しながらも、彼が勝つとは誰も信じていない、そんな空気も確かにあったように思います。
ですが、若く速い王者をピンチに追い詰める場面を再三演出してみせたフォアマン選手の戦いに全てのボクシングファンが胸を熱くした素晴らしい試合でした。
アディルソン・ロドリゲス選手を粉砕したハードな左ジャブ、ジェリー・クーニー選手を失神させた左右のアッパーなど、フォアマン選手のハードなブローを堂々と正面から受け止めながら王者としての威厳に溢れた戦いを見せたホリフィールド選手の姿もまた素晴らしいものであり、両者に拍手を送りたくなる感動的なファイトでした。
公式のスコアは116-111,115-112,117-100。わたくしめのシロート採点は116-111ホリィ。
この試合の3年半後にマイケル・モーラー選手をノックアウトして20年ぶりにヘビー級王座に返り咲いたフォアマン選手ですが、タイトル獲得が叶わなかったこの日がカムバック以降最も出来が良かった試合だったように思えます。
一方、この頃のホリフィールド選手はパワー不足が顕著で、本物のヘビーウェイトと戦えば(exタイソン選手やラドック選手)とても相手にはならないのでは・・?とか当時は思っていましたが、後の活躍っぷりは皆さんご承知の通り。
この試合のあった91年に開催が決定しながらも直前でキャンセルとなってしまった対タイソン戦を見たかったですねぇ。。
Evander Holyfield vs George Foreman HD
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2009-01-02 12:12:34
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