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ダンスとか。

ダンスビエンナーレ TOKYO 2004 (Dプロ)

2004-11-24 | ダンスとか
青山円形劇場。
▼アレッシオ・シルベストリン 『デリヴァレ』
Alessio Silvestrin, DERIVARE
8月にSuper Deluxeで見た作品だが、今回は能楽師・津村禮次郎が生で出演してデュオ。普通の舞台なので映像なども見やすく、とりあえず作品として何が提示されているのかはわかった。やはり動きが単調。確かに体のコントロール密度がやたら高いのはわかるのだが、それ以上の何かを見せてくれるわけではなく、飽きてしまう。肩を怒らせて足を右・左と上げて、重心を上へ上へともっていこうとする動きが前半の大部分を占め、徐々に床を使ったり、能楽師を模倣して足をダン!と踏む動きが入ってきたりする流れ。それよりも津村禮次郎という人が実に何でもやってしまう人で、晦渋なテクストの朗読に加え、仰向けに寝て浮かせた足を動かしたりしていて、そっちの方が驚きだった。30分。どうでもいいことだが Derivare の v を「ヴ」と表記しているのにどうして Silvestrin の ve は「ベ」なのか。
▼ミリアム・グルフィンク/アソシアシオン LOL 『マリーヌ』
Myriam Gourfink / ASSOCIATION LOL, Marine
フランスの振付家で、ダンサーは女性1人(シンディ・ヴァン・アケール Cindy Van Acker)。四つの大きなスピーカーが置かれてその間でゆっくりゆっくり体の形を変化させ続けるという作品。電子的なパルスが徐々に重層化していく音響に包まれながら、しかし体は外界からの入力を遮断し切っているように見える。「遅い動き」が振付の主要なテーマらしいが、舞踏と比べるとそれほど遅くはない。動きの質感を均質に保とうとするストイシズム。ドナルド・ジャッド的表面への没入。でもこの作品はそれだけではない。電子パルスの肌理が変化していくことによって、見ている自分の意識が影響を受け、体や動きの見え方がどんどん変わる。分節の密度が高まっていったり、新しいプラトーを迎えて逆に低下したりする。その現象が面白かった。ダンサーと自分は同じ場を共有していても、それぞれの中で流れている時間はバラバラに変化しながら走っている。35分。
▼濱谷由美子/クルスタシア 『2P(要冷蔵)』
何年か前にソロ×デュオか何かで見た作品。長いパンツに短いチュチュ、背中に羽、というあんまりにもあんまりな全身白の衣装で、ハウスっぽい音楽で絡まずに踊ってから、帯状の空間で交互に後転しながら下がっていき、濱谷が動かなくなって相方の椙本雅子がショボーンとして終わる。アイディアに頼らず振付で攻めてはいるのだが、語彙はあきれるほど平凡なものばかり。ウェブなどを見るともっとアホっぽいイメージなのに、舞台に出るといつもこんな感じ。これが本当にやりたいことなのかどうか。22分。
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