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ダンスとか。

芸術見本市2004東京 インターナショナル・ショーケース/日本のコンテンポラリー・ダンス

2004-08-30 | ダンスとか
池袋・東京芸術劇場(小ホール2)。
▼Co. 山田うん 『ハイカブリ』ショートバージョン
20分に圧縮され、初演より構成がすっきりした。時間的・空間的スケールは小ぢんまりしたが、ヌルい部分がないのでいきなりギヤがバックに入って逆回転が始まる。おバカ系の動きが少なく、その意味で振付家の個性が弱いし、逆回転にしても初演時のような、重力など不可抗力に関わる動きの逆回転があまり見られなかったので驚きは少ないとはいえ、やはりこれだけのグループ作品をきちんと振付けてグイングイン動かしていくところは素晴らしいなと思う。この日の山田うんのバレエ的なソロも良かった。体が澄んでいて伸びやかでキレもあり、抑えつけ(られ)ているような感じがなく、見ていて体が浄化される。他には、加藤奈々と田畑真希が至近距離でバラバラの動きをしながら上手から下手へググーッと移動してくる部分(このパターンは個人的にツボなのだが)における、加藤の動きが気持ちよかった。四肢や胴を激しく動かしつつ旋回移動、しかも渦の中心がずっとクリアに保たれる。アイススケートみたいだ。しかし全体を見渡すと、ダンサーの踊りには不満の方が多い。振付に対して「律儀」であるわりにさほど「忠実」ではなく、もちろんだからといって「奔放」であるわけでもない。振りのしっかりしたダンスというのは、振りを踊りながらそこから無意識的なものをはみ出させてほしいわけで、その意味では冒頭の木村美那子の長いソロにおける顔の演技みたいなのはいかにも「はみ出ました」という感じがあって良かった。
▼枇杷系 『愛情十八番』ショートバージョン
天野由起子、尹明希、加藤奈緒子の部分を取り出して圧縮。これはちょっと目も当てられない。この三人ならもっと潔くダンサーの身体の強度を「ライヴ」というか「セッション」的な形で見たいと思うのだが、しゃっくりだの、片足コイルだの、人形浄瑠璃だの、そういうものを片っ端から無理矢理押し込んでいる。出ハケも間が悪くていかにも「何となく」という感じだし、音楽が全く無造作にカットインして神経を逆撫で。良かったのは尹明希の出だし部分。何かこみ上げるような衝動に満ちて、スタート前のF1みたいだった。空間軸もガッチリ押さえて、音楽に先走って逆にリードしていく前のめりな踊り。持ってかれそうになったが他のダンサーとの絡みが始まると次第に沈静化していった。天野由起子は、今までで初めて見るくらい体のコントロールができていなかった。
▼Ko & Edge Co. 『美貌の青空』ショートバージョン
目黒大路、鈴木ユキオ、林貞之の三人が真鍮板を引っくり返す部分、やけに迫力がなく、やっぱりこういう場にもってきてお手軽に見せるようなものじゃない気がした。室伏のソロの部分では、上から吊った真鍮板を肩に乗せて後ろを向き、ボワワワワワン!と震わせるシーンが凄い。首のない無頭人の、肩の筋肉が無数の小さい瘤になって隆起し、それが上下の鏡合わせになって激しく揺さぶられている。目線の高さにある舞台で彼の踊りを見るのはもしかしたら初めてで、それでまた強烈だったのかもしれないが、立ったまま上半身を屈める時、背中が肩と腰の中間辺りから逆U字型に曲がっちゃっているところは目を疑った。腰と肩が折れるのではない。どういう体なんだ。ジョン・レノンの『Woman』がかかるラストまでちゃんとあり、ここのシーンの笑い声のタメの長さと持続の短さは絶妙であった。早くこのユニットで、想像を超えるようなものが見たい。
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芸術見本市2004東京 インターナショナル・ショーケース

2004-08-29 | ダンスとか
「東アジアのパフォーミング・アーツ紹介:中国のコンテンポラリー・ダンス」。池袋・東京芸術劇場(小ホール2)。
▼北京現代舞団 『界』
▼広東省芸術研究所 王向東舞踏工作室 『月の光』
▼広東省芸術研究所 王向東舞踏工作室 『墨韻―墨の調べ』
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We Love Dance Festival/ユーモア・イン・ダンス インターナショナル編

2004-08-29 | ダンスとか
新宿・パークタワーホール。
▼米井澄江 『AMBITION』
▼Gruppen Fyra 『The best of best』
▼OMSTRAB 『OMSTRAB』
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We Love Dance Festival/ユーモア・イン・ダンス アメリカ編

2004-08-28 | ダンスとか
新宿・パークタワーホール。
▼VELOCITY 『VELOCITY』
▼BodyVox 『Captain Tenacity』
▼Snappy Dance Theater 『Snappy Dance Theater』
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ナルシソ・メディナ 『虚空への対話』

2004-08-28 | ダンスとか
与野本町・彩の国さいたま芸術劇場(小ホール)。
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BATIK 『SHOKU -full version-』

2004-08-27 | ダンスとか
三軒茶屋・シアタートラム。
→『ダンスワーク』56号「2004年ダンスの総括」にてレヴュー
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We Love Dance Festival/ユーモア・イン・ダンス 東西バトル編Bプロ

2004-08-24 | ダンスとか
新宿・パークタワーホール。
▼yummy dance 『kNewman』
▼森下真樹 『デビュタント』
▼スタッカートオンスタッカート 『スタッカートオンスタッカートの「途中下車のタビ」』
▼身体表現サークル 『広島回転人間』
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We Love Dance Festival/ユーモア・イン・ダンス 東西バトル編Aプロ

2004-08-23 | ダンスとか
新宿・パークタワーホール。
▼ズンチャチャ 『ラムネ』
前に「踊りに行くぜ!!」で一度見ているが、見覚えのあるシーンとないシーンとがあった。しかしそれにしても、このいかにも公民館かどこかでやっていそうな「面白おかしい」小市民的な遊戯が、実は決してどうしようもないことをやっているのではなく、いわゆる「コンテンポラリーダンス」で行われていることをしっかり踏襲しているということに気付くと、これはちょっとうすら寒くなってくる。彼女らが演じている「田舎っぺの女の子」という意匠を何かそれらしいものに取り替えさえすれば……と想像するだけで恐ろしい。現実を直視しろ!と迫ってくるようで、その意味でズンチャチャは毒性の高いダンスだ、ととりあえずお茶を濁してしまおう。
▼まことクラヴ 『ニッポニア・ニッポン』
久々の新作はスーツで滑稽に飛び跳ねる APE みたいなものになっていた。名刺交換、レシートの取り合いなど過剰な謙譲精神(=「ニッポニア・ニッポン」)をさらにエスカレートさせてダンスにする。相変わらず暗い照明が美しい。グループ旗揚げ時のコンセプトはずいぶん薄れてしまったんだなと思っていたら、江戸川卍丸が白昼夢を見る設定の場面に部活ジャージが現われた。自分の名前をリズミカルに連呼しながらフォーメーションを変化させていき、一人だけスーツのままの卍丸を巻き込んで、いつの間にか消えている。個人的にはこの辺りの秀逸な不条理感覚にもっとこだわり続けてほしい。
▼北村成美 『ラベンダー』
何度も見ている作品だが、今までで一番良かった。以前はどうも、ラヴェルがかかる冒頭およびラストと、中盤のあられもない「ダンスバカ」部分がうまく噛み合わない気がしていたのだが、今日は全体が一続きのドラマとして立ち上がって、とても味わい深かった。特に中盤部分、思い切りよく弾け切っていない印象もあるにはあるが、それにも増して、大きく力強い動きにも繊細さが染み透り、振りが大事に踊られた、いいダンスだった。動きながら自然に笑みがこぼれているのを見て、何か元気をもらったような気がした。
▼チェルフィッチュ 『クーラー』
マーラーの九番(=9ーラー。ダジャレ)がかかり、照明で四角く区切った舞台奥の小さいスペースに、スーツの男と女が向かい合って立ち、男は「政治討論番組の出演者の喋る勢いが凄い」ということについて、女は「仕事場のクーラーが効きすぎていて辛い」ということについて、基本的にはいつものチェルフィッチュ調で身振りを交えながら相手に話して聞かせる。違うのは、筋があまり前に進まないで同じセリフが行きつ戻りつ反復され続けること、やや大きな動きがこれ見よがしにされたりもすること、セリフや動きの間の取り方が音楽に同期する箇所がわずかに見られること、など。小道具や身振りの意味性など演劇由来のアイテムを別にしても、独特のシニカルな振付と照明のセンス(立ち位置は変わらないのに、小さい四角スポットの状態から舞台全体がフラットに照らし出されていき、また元に戻ったりする)はいわゆるダンス的な発想からはなかなか出てこないもので、ある種痛快な事件ではあったのだが、チェルフィッチュの「演劇」への悪意に比べると「ダンス」に対しては案外ベタな攻め方をしていると思った。要するに反復と差異、持続性、リズム、フォルム、などといったものなのだが、しかしこうしたものはどれもすでに『三月の5日間』でもっとラディカルに批評されていたのであって、だからむしろあれのままをあっけらかんと We Love Dance Festival に持ち込んでしまった方が面白かったのではないかと思う。『三月の5日間』という一つの到達点から一度ギヤをバックに入れて、ちょっとだけ向きを変えて前に進み直してみる試みとして続いていくのならば、それはそれで期待してしまうのだけれども。何といってもこのダンスには色気がなさすぎる。音楽にわざわざビートのない交響曲を選んでいる辺りも、ある種の「禁欲」の結果とも受け取れるのだが、やはりチラッとぐらいは悪ノリしてほしいわけで、そこを本当に抑圧してしまうと全体の駆動力が落ちてしまう。20分のうち後半は、見ていてあまり集中力が続かなかった。筋が進まないから、セリフや身振りを反復する動機がどこにあるのかもよくわからなかったし、発話と身振りの間の緊張関係にもノイズが多すぎる気がした。ちなみに手塚夏子『私的解剖実験-4(振付バージョン)』とは二卵性双生児のような関係にあると思う。
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We Love Dance Festival/ダンス・イン・シネマ

2004-08-22 | ダンスとか
六本木・オリベホール。
▼『溶岩の家』('95、ペドロ・コスタ監督)
▼『アデュー・フィリピーヌ』('61-63、ジャック・ロジェ監督)
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We Love Dance Festival/オールジャパンストリートダンスサミット

2004-08-21 | ダンスとか
新宿・スペース・ゼロ。
▼Cie WANTED POSSE
▼Go Go Family Tony's Go Go Brothers
▼Hipnotic Boogie
▼Yoshibow, Seiji, Sakuma
▼ALMA
▼OGS
▼Sound Cream Steppers
▼EXPRESSION
▼Be Bop Crew
▼Rennie Harris Puremovement
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We Love Dance Festival/レニー・ハリス・ピュアムーブメント

2004-08-21 | ダンスとか
作品タイトル『REPERTORY』。新宿・パークタワーホール。
→『ダンスワーク』56号「2004年ダンスの総括」にてレヴュー
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ニブロール 『NOTES』

2004-08-21 | ダンスとか
三軒茶屋・シアタートラム、昼。
→『ダンスワーク・REVIEW』にてレヴュー(『ダンスワーク』56号「2004年ダンスの総括」に再録)
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We Love Dance Festival/ワールドB-Boyセッション

2004-08-20 | ダンスとか
新宿・スペース・ゼロ。
▼The Spartanic Rockers
▼EXPRESSION
▼Cie WANTED POSSE 『BAD MOVES』
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キュピキュピ グランド歌謡ショー 『キャバロティカ』

2004-08-19 | ダンスとか
表参道・スパイラルホール。
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ダイアログ・イン・ザ・ダーク 2004 東京

2004-08-19 | ダンスとか
外苑前・梅窓院祖師堂ホール。
自分の手さえも見ることのできない完全な暗闇の中を、10人一組のユニットが1名のアテンド(視覚障害者)の導きに従って探検する。ドイツで始められ、数年前から日本でも毎年開かれている。完全な闇というのは、荒川修作の養老天命反転地でも体験したことがある。洞窟のような横穴の地面がわざとデコボコにしてあり、よろけながら壁を伝って進んで行って、また反対側の壁を伝って帰ってくるというようなもの。足元と自分の前方を一歩一歩確かめてバランスをとったりしながら歩くので、自分の体が何か使い慣れない道具のような異物感を持ってくる。しかし「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、数人で声を使ってやりとりしながら、色々なセッティングのしてあるコースを進んでいくので、空間が広々している。だから初めは本気で怖い。完全に拠り所が失われた気がして、パニックになりそうだった。歩くだけなら、耳を使い、白杖で足元を、手で空中を探って少しずつ進めばいいとわかるとわりとすぐ要領をつかむことができる。目には何も見えていないのに、視覚以外の感覚情報から想像して、目の前にそれが視覚的なものとして描き出され、随時修正を受けて刻々と書き換えられていく。しかし歩けるようになると今度は自分の相対的な位置が把握できないという不安が出てくる。はぐれたら大変だ。自分が自分の外側にある様々な情報に寄りかかってしまうという事実を受け入れざるを得ず、しかもそれが決して「不自然」なことではなく、むしろ普段から自分は外部との様々な情報交換の中で動いているのだということを意識させられる。他の人の声を聞き、声を出して知らせ、また自分の存在を主張しなければ、前に進むことはできない。時には手を取り合ったりもする。弱さを実感して、謙虚になる。足元が砂地になったり草地になったり、駅のホームや階段があったり、最後はラウンジのような場所で飲み物が振る舞われる。味や香りは、体の外の空間中に位置を占めることはなく、鼻や口にいきなり出現する。
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