dm_on_web/日記(ダ)

ダンスとか。

舞の会 ―京阪の座敷舞―(夜の部)

2007-11-23 | ダンスとか
半蔵門・国立劇場(小劇場)。
▼地唄 ねずみの仇討(山村若)
▼地唄 鉄輪(井上和枝)
▼上方唄 やなぎやなぎ・館山(楳茂都梅咲)
▼地唄 善知鳥(吉村ゆきぞの)
▼上方唄 三国一(井上八千代)
「ねずみの仇討」は、ある文脈では「洒脱」とかいいそうな感じのコミカルな演目なのだが、極度にコード化されていて、普通に引いた。しかしそもそも踊りって、何て大人気ない行為なんだろうという根本的なことも思った。井上和枝の「鉄輪」は、少なくともぼくの中にある井上流の価値基準とは全く相容れず、肯定的に見れる部分がなかった。軸、ペーシング、静止、音と絡むタイミング、間の作り方、動きのコース取り、あらゆることが落ちるべきところに落ちていないように思えた。次の二つは、集中力切れ、流し見になってしまう。井上八千代の「三国一」は、頭巾を被ったお大尽の格好で、わりとすぐに黒の薄羽織を取って立ち上がった瞬間から踊りが立った。迫力の点では昼の井上かづ子の方が上に思えたが、静止し切った水色の着物の平面は重厚感を放っていた。お多福の面をつけてからは、内股の女の子座りになってそのままの姿勢でジタバタと前進するという、いかにも井上流的な凄い振りがある。何度かこれをやった後、面を引き取りに来た後見の方へ向かって(垂直に舞台奥へ向かって)進み、後見の面前で(!)またバタンと座り込んでジタバタとにじり寄っていくところは、何かもう意味不明すぎて、笑いを通り越して、怖かった。
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舞の会 ―京阪の座敷舞―(昼の部)

2007-11-23 | ダンスとか
半蔵門・国立劇場(小劇場)。
▼地唄 名護屋帯(吉村千比呂)
▼地唄 小簾の戸(楳茂都梅加)
▼地唄 珠取海士(吉村輝章)
▼地唄 雪(井上かづ子)
▼上方唄 ぐち(山村楽正)
今日は体の揺れ、揺らぎばかり気にして見ていた気がする。吉村千比呂の踊りは大小の不安定なブレを頻繁に含み、それが何を意味するものなのかわからなかったが、プロフィールを見たらバレエから「舞の会」で吉村輝雄を見て転向したと書いてあった。つまり重心の問題なのではないかと思う。これに対して楳茂都梅加は、明らかに計算された細かな揺らぎ(小さな曲線)を随所に置き、「弱さ」の象徴としての「しな」を作っている。ただ紫の着物といい、表情といい、そして上村和歌子の唄もやり過ぎだろうと思うほど陰鬱で、枯れ切ったエロティシズムになっており、ぼくにはちょっと受け入れがたかった。吉村輝章の「珠取海士」は、体を強く徹底的にコントロールしてシャープに運び、止め、溜めてバネを作って、飛び出していく。くねる動きも全てそのように行い、レーサーが遠心力とそれを引き留める力の拮抗を利用して曲がるS字カーヴのように踊る。作られすぎている感じがして、醒めて見ていたのだが、これと井上かづ子の「雪」とのコントラストが明瞭で、そのことが面白かった。井上流は、止まる時や、止まっている時に、力感を孕まずに、ただ単に止まったり、止まっていたりする踊りだと思う。さっきの吉村輝章が、動くために止まっていて、だからその間の時間がどうしてもあざとく感じられるのに対して、井上かづ子が止まる時には、潜在的な流れから丸ごと見事に停止してしまう。動く時も、必要以上の速度や弾みを見せないフラットな動きで、要するにこの厚みやヴォリュームを欠いた平面的な動きを基礎単位として三次元的に組み立てられるのが「舞い」なのかなと思った。これに対して動き自体に弾みや伸縮、力を含むのが「踊り」であるかも知れない(よくいわれる「水平/垂直」という区別の仕方は、動きを水平な床ないし地面との相関で位置づけるわけだが、動き自体の構造を捉えれば「平面的/三次元的」という風に区別できる)。井上かづ子の動きのフラットさには、特殊な迫力があって、しばしば直視できなくなった。というか、こんなにも厚みのない、空虚な、この体を直視せよと迫られている感じがした。つまり「見る」ことは「見させられる」ことだし、「見られる」ことは「見せる」ことでもあるように、複雑な権力の(サド・マゾ的な)絡み合いだなということを思いながら見ていた。最後の山村楽正は、正直、そんなんでいいのと思うようなことが多くて、ぼくには(まだ)よくわからない領域。
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日韓ダンスコンタクト Vol.9 (Bプログラム)

2007-11-22 | ダンスとか
青山円形劇場。
ユン・ソッテ(Yoon Suk-tae)『Turning Point』、大竹千春 『ACTIVATE』、キム・ヨンミ(Kim Young-mi)『ノイバラ』は見れず。
▼神村恵 『斜めむき』
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『ゴーストユース』

2007-11-20 | ダンスとか
淵野辺・桜美林大学プルヌスホール。
作・演出/岡田利規。
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インバル・ピント・カンパニー 『ヒュドラ』

2007-11-11 | ダンスとか
Inbal Pinto Dance Company, Hydra

与野本町・彩の国さいたま芸術劇場(大ホール)。
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踊りに行くぜ!! vol.8 茅ヶ崎公演

2007-11-10 | ダンスとか
茅ヶ崎市民文化会館(小ホール)。
▼山田知美 『駄駄』
▼遠田誠+JOU 『六つゴト』
▼co.co.yo 『WILD』
▼KIKIKIKIKIKI 『サカリバ007』
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Dance Theatre ON

2007-11-09 | ダンスとか
感劇市場。
戸山・学習院女子大学(やわらぎホール)。
▼『Moon-Looking Dog』
▼『Deja-vu』
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岡登志子&高瀬アキ 即興デュオ

2007-11-06 | ダンスとか
栄町・愛知県芸術劇場(大リハーサル室)。

→『AAC - AICHI ARTS CENTER』(劇場広報誌)にてレヴュー
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維新派 『nostalgia』

2007-11-03 | ダンスとか
与野本町・彩の国さいたま芸術劇場(大ホール)、夜。
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『久高オデッセイ』('06、大重潤一郎監督)

2007-11-03 | ダンスとか
中野富士見町・plan B。
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Voetvolk 『Forever Overhead』

2007-11-02 | ダンスとか
Friday night at the embassy.

麹町・ベルギー王国大使館。
ダンス/Lisbeth Gruwez、音楽/Maarten Van Cauwenberghe。
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