dm_on_web/日記(ダ)

ダンスとか。

dancedoor vol.1(Bプロ)

2005-04-29 | ダンスとか
早稲田・早稲田大学学生会館、昼。
▼石川健次郎 『サヨナラfuture』
二年前に「ラボ20」で一度見たことある人。無音で時々「9分20秒前」「40分前」というオフの声が入る。パジャマ姿。基本的にはマイム系だと思うが色んな動きを「試す」というか「確かめる」ような感じで一つずつ出していく序盤は良い。しかし飛んだり転げたりアクションが大きくなってくると微妙に芝居じみる。「芝居じみる」という言い方はよくされるが、要するに「様式化」している、あるいは「パターン」であるということだろう。パターン認識になると運動は消える。起点が見えた瞬間に終点も見えてしまい、肝心の動きのプロセスすなわち動線は舞台の上ではなくて脳の中で自動的に描出されてしまう。色んなところに起点や終点を設定してあれやこれやのアクションをしてくれなくていい。真っ直ぐ歩くだけでもそこに予測不可能な(勝手に脳内補完できない)動きの線があればそれは面白い。特定の「テクニック」を妄信している場合も同じだが、要するに自分はこの線に乗っているという安心、油断が人を退屈させるのだ。踏み外すかもしれない、踏み外したくなってしまうかもしれない、そして踊りどころか何でもなくなって動きが停止してしまうかもしれない、この不安が動きを前へ前へと駆り立てる時それはスリリングである。つまり面白い踊りは常に「不安」と「逃走」である。
▼神村恵 『脱出&カムバック』
念のため振り返ってチェックしてみたがやはりこの踊りは現時点で今年のベスト1である。舞台の手前の方だけ丸く照らして、そこに下半身だけ出して寝て、上半身は奥の暗がりに突っ込んである冒頭。前半は大音量のパンクっぽいロックが鳴っていて普通に不快だったのだが慣れるとそのまま無音になっても大した差を感じない。立った姿勢でバランスを崩してよろめく動きをずっと続けて、倒れて、起きてまた始めるところ。脳天の辺りを手でなでてキューティクルをツルツルやりながら歩き回り、薄暗い方へ行ってまた何事もないかのように戻ってきたりするところ。右手の動きを照明で切り取ってしばらく見せるところ。後半は何かクラシックの音楽がかかって、片方の手でメロディをなぞるようにウネウネさせてそれを追いかける。脈絡ないのにそれっぽく取繕わずに舞台に立っていられる腹の据わり方が凄い。こんなに感動させられてしまっているのはなぜか、正直まだはっきりわからないが、単純な動きがパターン化しておらずプロセスに一か八かの緊張感が保たれていることは確かである。そして余計な動きが一切ない。ストイックに凝り固まることでノイズを排除するのではなくて、単にダンスと関係のないものに脇目を振らないという、それだけのことだろう。ラストは両腕を左右に出した格好でゆっくり斜めの動線を歩いて袖へ向かう。照明もゆっくりフェイドアウトしていて、あー終わりだなと思っていたらそのままいきなり何歩か戻った。脱出したのにカムバック。照明は止まらずそのまま溶暗。油断していた。「負けた」感。負け惜しみをいうなら青いワンピースの衣装より前のTシャツとジーンズとかの方が酷薄な感じがして良い。
▼凶暴ノート(斉藤栄治、樋口信子)『夢の灰』
このユニットは前から知ってたが初めて見た。大きな青のヴィニールシートを広げて、樋口が寝て、そのお腹の辺りに洗面器が置かれ、斉藤が手袋をしてそこに手を突っ込むと泡立ってきて、なぜか樋口がトイピアノをチャカ、チャカ、と鳴らす。妙な雰囲気だがここから踊り出すに至る理由がよくわからない。ラストは再び樋口がヴィニールに包まれて、中からまだトイピアノの音がする。「イメージ」をやるのなら別に踊りっぽい踊りにこだわらなくてもいいのにと思う。
▼初期型(カワムラアツノリ)『精神寄生体』
珍しくソロ。ハイヒールにエプロン、がに股で現われ、いわゆる「ふざけた」テイストで踊る。後半はなぜか着替えてTシャツ+ジーンズでまた踊る。「踊り」にあれこれ色を付けて着せ替えをする足し算。
▼畦地亜耶加 『狂わせたのはほんの一瞬の出来事』
歯をカチカチ鳴らしながら四方を歩くところで、何が起こるのかと期待させたが以後は不発。よくつかめない踊りだった。
▼高襟~Hi-color~『The Room』
振付/深見章代、ダンサーは5人。スパゲティ食ったり映像使ったりこないだ見たばかりのシュイナールをパクッたり客をいじったり。辛うじて覚悟を感じたのは全員ヌーブラで馬鹿踊り状態になるところ。サリーちゃんの歌がかかって一度は完全にドン引きになるのだがあまりに押し付けがましいため心が無理矢理こじ開けられ押し切られた。なのに後から「今のは私の妄想でした」みたいな言い訳がつく。こんなところで言い訳なんかしたって仕方ない。いきなりサリーちゃんで馬鹿踊りしてそれだけで終わったら良かった。
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金梅子/創舞芸術院 『沈清』

2005-04-28 | ダンスとか
三軒茶屋・世田谷パブリックシアター。
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ダンスの発明 vol.8/加藤奈緒子+Jacki JOB 『VS/VS』

2005-04-23 | ダンスとか
西落合・枇杷系スタジオ。
斜めに椅子を置き、二人が向かい合って交互にソロを踊る。加藤が踊る時の音楽はノイズ、ジョブの時はクラシックの音楽(有名な曲なのだが思い出せない)、と決まっていて、これがストイックに繰り返される。出だし、加藤がジョブにガンを飛ばしながら踊るところが面白かったが、結局は二人とも不発のまま最後まで行ってしまった。両者は格闘している対象がそれぞれ違う。加藤は体そのものから抜け出そうともがき、ジョブは体に染み付いた踊りの言語を振りほどこうとしているように見えた。ジョブはバレエや、フラメンコのようなものも出て、何をやってもどう動いても何かの抽斗を開けることになってしまう。自分の体に関心を向けずに、動きの形式を外へ外へ求めているからだと思う。他方の加藤は、片腕を鉤型にしたり人形振りのような動き(笠井叡~山田せつ子的な)をしつつ、とにかくリズミカルな反復を徹底的に排除する。動きを繰り返せば体は容易に走り出すのだろうが、それをしないで、何か別の回路を通って体の殻を壊そうとする。そう思ってみれば「VS/VS」というタイトルは要するにこの「格闘」が二個並んでいるシチュエーションを指していることになるが、しかし「踊り」ではなく「踊りへ至る過程」としての格闘を見せるということが観客にとって意味をもつとしたら、それは相当な高水準のダンサーの場合に限られるのではないか、とも素朴に思う。
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Dance Colloquium #1/白井剛 『エクレア*エーテル』

2005-04-17 | ダンスとか
浅草・アサヒ・アートスクエア。
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ルビィ岡田・シェリー中村 『おこって・いいよ』

2005-04-10 | ダンスとか
千歳烏山・Studio Goo。
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ローザス 『ビッチェズ・ブリュー/タコマ・ナロウズ』

2005-04-08 | ダンスとか
与野本町・彩の国さいたま芸術劇場(大ホール)。
→『音楽舞踊新聞』にてレヴュー
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田山明子 『情熱の花 その弐』

2005-04-07 | ダンスとか
中野・テルプシコール。
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1080個の粒子の揺らぎ 『頂戴頂戴』

2005-04-02 | ダンスとか
大塚・out-lounge、夜。
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BATIK・トライアル

2005-04-02 | ダンスとか
森下スタジオ(Bスタジオ)。
▼土井唯起子 『私の気持ち』
▼ウエキミナコ 『ジュリー』
▼黒田育世 『モニカ モニカ ~マーチ編~』
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