横浜赤レンガ倉庫1号館ホール。
みなとみらい線に乗ってみたが、歩く距離はあまり変わらず期待を裏切られる。東横線ユーザーはちょっと楽になるのかもしれない。
▼JOU 『A Little Field』
ヴィデオや、床一面の布、光る台などが出てくるソロ。ちゃんと動ける人なのだということを初めて認識したが、アーティストには見えなかった。
▼新鋪美佳/福留麻里 『北北東に進む方法(2004)』
ほうほう堂。去年もこのコンペに出ていた作品の改訂版(だと思うが、見ていないから比較はできない。他の作品で見たことあるシーンが結構出てくる)。非常に面白かった。やっていることは基本的にポーズとかフレーズとか、ユニゾンとかズレだったりするのだが、振りというかフォルムは確かに奇妙なのに、徹底して柔らかく演じられているため少しもけばけばしさがなく、熱も帯びず、ダンスというより「仕草」のレヴェルを超えないテンションを維持して、滑らかに無言のゲーム的なやり取りへと展開していく。片方が作った足や腕の輪の中をもう片方が一生懸命くぐる、というのを交代で繰り返したり、対角線上を移動しながら定位置で小さいポーズを何度も作ったりするのを見ていると、小さい虫とかが、何かわからないけどその虫にはそうしないとならない事情があって、だからただ当たり前にそうしているのを観察しているような気分になる。音楽を使って淡々と盛り上げていくのも巧い。「コンテンポラリーダンス」が自明のものになって、みんな似たり寄ったりになってしまっている昨今、大事にすべき独特のテイスト。「ダンス」なのかどうかも微妙であるところがいい。
▼森下真樹 『デビュタント』
初めて見たときとは衣装も違うし、内容もずいぶん変わって、ダンスが多くなっていた。でもこういう「面白いヤツ」って、小学校でも中学校でも高校でも毎年必ず1人か2人は(つまり40人に1人か2人の割合で)いた。
▼矢内原美邦 『飛びだせ 森くん!』
カスヤマリコと岩渕貞太のデュオ。一昨年STスポットでやった『18』と同じ編制だが全く違う作品だった。セリフがけっこう多いのと、選曲や照明のベタな感じ、あとはカスヤの踊りの質感がニブロール的には重要なポイントだろう。去年越後妻有で見た『NO-TO』以上に、振付がカスヤの身体能力と密接に関わったものになっている。鋭く明瞭に動くことで振りの複雑な線がしっかり可視化されているのだが、だからといってニブロールらしさが損なわれたかというとそんなことはなく、むしろニブロールの特異さがますます際立ったように思う。こうして四本立てで見ても、明らかにここだけ違っていて、今さらだが改めて「新しい!」と言いたくなる。要するに「よくわからない」というか。
みなとみらい線に乗ってみたが、歩く距離はあまり変わらず期待を裏切られる。東横線ユーザーはちょっと楽になるのかもしれない。
▼JOU 『A Little Field』
ヴィデオや、床一面の布、光る台などが出てくるソロ。ちゃんと動ける人なのだということを初めて認識したが、アーティストには見えなかった。
▼新鋪美佳/福留麻里 『北北東に進む方法(2004)』
ほうほう堂。去年もこのコンペに出ていた作品の改訂版(だと思うが、見ていないから比較はできない。他の作品で見たことあるシーンが結構出てくる)。非常に面白かった。やっていることは基本的にポーズとかフレーズとか、ユニゾンとかズレだったりするのだが、振りというかフォルムは確かに奇妙なのに、徹底して柔らかく演じられているため少しもけばけばしさがなく、熱も帯びず、ダンスというより「仕草」のレヴェルを超えないテンションを維持して、滑らかに無言のゲーム的なやり取りへと展開していく。片方が作った足や腕の輪の中をもう片方が一生懸命くぐる、というのを交代で繰り返したり、対角線上を移動しながら定位置で小さいポーズを何度も作ったりするのを見ていると、小さい虫とかが、何かわからないけどその虫にはそうしないとならない事情があって、だからただ当たり前にそうしているのを観察しているような気分になる。音楽を使って淡々と盛り上げていくのも巧い。「コンテンポラリーダンス」が自明のものになって、みんな似たり寄ったりになってしまっている昨今、大事にすべき独特のテイスト。「ダンス」なのかどうかも微妙であるところがいい。
▼森下真樹 『デビュタント』
初めて見たときとは衣装も違うし、内容もずいぶん変わって、ダンスが多くなっていた。でもこういう「面白いヤツ」って、小学校でも中学校でも高校でも毎年必ず1人か2人は(つまり40人に1人か2人の割合で)いた。
▼矢内原美邦 『飛びだせ 森くん!』
カスヤマリコと岩渕貞太のデュオ。一昨年STスポットでやった『18』と同じ編制だが全く違う作品だった。セリフがけっこう多いのと、選曲や照明のベタな感じ、あとはカスヤの踊りの質感がニブロール的には重要なポイントだろう。去年越後妻有で見た『NO-TO』以上に、振付がカスヤの身体能力と密接に関わったものになっている。鋭く明瞭に動くことで振りの複雑な線がしっかり可視化されているのだが、だからといってニブロールらしさが損なわれたかというとそんなことはなく、むしろニブロールの特異さがますます際立ったように思う。こうして四本立てで見ても、明らかにここだけ違っていて、今さらだが改めて「新しい!」と言いたくなる。要するに「よくわからない」というか。