渋谷・ギャラリー・ルデコ5F、昼。
作・演出/林未知、振付・出演/Kim Miya、出演/本居蓮、西田弥生、大江麻美子、榎本愛。「コンテンポラリーダンスと演劇の境界をするりと飛び越える」というので見てみたが、基本的には普通のセリフ芝居の合間にダンスシーンが来るという構成であった。新興住宅地に住む幼なじみたちの中の一人が、クイズ番組で賞金を獲ったショックで記憶喪失になってしまい、元の人間関係を修復していこうとする話。芝居もダンスもストレートな「芝居」と「ダンス」なので如何せん両者が分離してしまっているように見えるが、しかしその狭間にはちゃんと何かがある。小さな可動式の照明が非常に狭い空間をダイナミックに変化させ、中央にあるコンクリの柱や、床に引かれた抽象的なライン、さらには生活感のない衣装などと相俟って、「形式的」な世界が生み出されているのだ。当然のごとく人の立ち位置や動き、入退場の仕方などもこれに応じて、例えば空間の三辺を取り囲んだ客席に近づき、客の眼の前で停止し無言で佇んだ後、照明がフェイドアウトするなどということをやる。まだほとんど純然たる「センス」の水準であって、方法論と呼べるようなものは見当たらないのだが、直感的に何か探り当てているのではないかと思った。
作・演出/林未知、振付・出演/Kim Miya、出演/本居蓮、西田弥生、大江麻美子、榎本愛。「コンテンポラリーダンスと演劇の境界をするりと飛び越える」というので見てみたが、基本的には普通のセリフ芝居の合間にダンスシーンが来るという構成であった。新興住宅地に住む幼なじみたちの中の一人が、クイズ番組で賞金を獲ったショックで記憶喪失になってしまい、元の人間関係を修復していこうとする話。芝居もダンスもストレートな「芝居」と「ダンス」なので如何せん両者が分離してしまっているように見えるが、しかしその狭間にはちゃんと何かがある。小さな可動式の照明が非常に狭い空間をダイナミックに変化させ、中央にあるコンクリの柱や、床に引かれた抽象的なライン、さらには生活感のない衣装などと相俟って、「形式的」な世界が生み出されているのだ。当然のごとく人の立ち位置や動き、入退場の仕方などもこれに応じて、例えば空間の三辺を取り囲んだ客席に近づき、客の眼の前で停止し無言で佇んだ後、照明がフェイドアウトするなどということをやる。まだほとんど純然たる「センス」の水準であって、方法論と呼べるようなものは見当たらないのだが、直感的に何か探り当てているのではないかと思った。