徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

マイコプラズマ流行中(2016年10月)

2016年10月18日 18時40分11秒 | 小児科診療
 咳が続く風邪が流行っています。
 当院では、乳幼児はRSウイルス、年長児以降はマイコプラズマを思わせる患者さんが多い印象です。

 RSウイルスに罹ると、赤ちゃんはこじれて気管支炎(ゼーゼー)になりやすく、幼児期以降は咳のしつこい風邪で済むことが多い傾向です。

 マイコプラズマでは、熱が出はじめは喉が痛いなどふつうの風邪症状ですが、数日後から咳が始まりどんどん悪化するのが特徴です。赤ちゃんも罹るものの、重くならずにふつうの風邪症状で終わってしまい、年齢が長ずるとこじれて肺炎になりやすいという、ちょっと不思議な感染症です。

 つまり、RSウイルスは乳幼児でこじれやすく、マイコプラズマは年長児以降でこじれやすい、ということ。
 ただし、罹ると全員がこじれるわけではありません。
 RSウイルス感染症では、乳児でゼーゼーするのは3割、入院が必要になるのは3%程度。
 マイコプラズマ感染症では、大人が罹っても肺炎までこじれるのは数%程度です。

<参考>
□ 「肺炎マイコプラズマ感染症」(当院HP)

■ マイコプラズマ肺炎 過去10年で2番目
2016.10.18:日テレニュース24
 マイコプラズマという細菌が引き起こす肺炎「マイコプラズマ肺炎」が例年に比べて増え、過去10年で2番目の多さとなっている。
 国立感染症研究所によると、今月9日までの1週間に報告されたマイコプラズマ肺炎の患者数は1医療機関あたり1.33人で、過去10年で最も多かった2011年に次ぐ多さだった。
 マイコプラズマ肺炎は、初期症状は発熱や倦怠(けんたい)感、頭痛などで、その3日後から5日後に咳(せき)が始まることが多く、熱が下がった後も1か月ほど続く場合があるという。
 また、重症化することもあるため、厚生労働省は手洗いやうがい、マスクの着用を徹底して予防するよう呼びかけている。



■ マイコプラズマ流行拡大、過去最多レベルに- 集団感染で学級閉鎖も
2016.10.18:CBニュース
 乾いた咳や発熱などの症状が出る「マイコプラズマ肺炎」の1週間当たりの患者報告数が、感染症法に基づく1999年の調査開始以降で過去最多レベルになっていることが18日、国立感染症研究所の患者報告で分かった。流行の拡大に伴い、小学校などで集団感染が発生して学級閉鎖となるケースが相次いでおり、患者が増加傾向の自治体では手洗いなどの予防策の徹底を求めている。
 国立感染症研究所がまとめた3日から9日までの週の全国の基幹定点医療機関(約500カ所)当たりの患者報告数は、前週比13%増の1.33人。過去10年の同期と比べて最も多かった。2011年から12年にかけて大きな流行があった際、調査開始後で最多の報告数(1.51人)を記録していたが、その時とほぼ同じレベルになっている。
 この週の都道府県別の報告数は、岐阜が5.8人で最も多く、以下は群馬(3.13人)、北海道(3.0人)、福岡(2.67人)、兵庫(2.55人)、埼玉(2.4人)、東京(2.12人)、宮城(2.08人)、愛知(2.07人)、千葉と宮崎(共に2.0人)などの順だった。
 前週に比べて報告数が倍増した東京都は「過去5年平均と比較して高い値で推移している」と指摘している。都内では9月下旬ごろから集団感染による学級閉鎖が続出しており、茨城と鳥取の両県でも今月、小学校での学級閉鎖が報告されている。
 患者が急増している自治体では注意喚起に懸命だ。報告数が前週比3倍超となった兵庫県は「患者との濃厚な接触を避け、手洗い、うがいなどを励行することが重要」と指摘。1.5倍に増えた福岡県も、咳やくしゃみが出そうな時にハンカチやティッシュペーパーで口を覆う「せきエチケット」を心掛けるよう求めている。
 マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマを病原体とする呼吸器感染症。重症肺炎となるケースもあり、中耳炎や溶血性貧血、無菌性髄膜炎、脳炎、肝炎を併発することもある。飛沫感染や接触感染などで広がるとされている。

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