アメリカでインフルエンザ流行の勢いが止まらないようです;
■ インフルトレンド(アメリカ版) by Google
今シーズンの勢いは2009年の新型インフルエンザ(H1N1)流行時を大きく上回り、アメリカ全土が赤く炎上しています。
先日のボストンに引き続いてニューヨークでも緊急事態宣言が発令されました;
■ 米当局が全国民にインフル・ワクチン接種を呼び掛け NY州は非常事態宣言
(共同通信社 1月16日)
【ワシントンDPA=共同】米疾病対策センター(CDC)当局者は13日、米国各地でインフルエンザ・ウイルスが急速に拡大していると指摘、感染リスクの高い人だけでなく国民全員がワクチンの接種を受けるよう呼び掛けた。
CDCのウェブサイトによると、インフルエンザの広範な流行がみられるのは全米50州のうち47州と、前週の41州から拡大。生後6カ月以上の国民は例外なくワクチンを接種すべきだとし、幼児、妊婦のほか、ぜんそくや糖尿病などの既往症を抱えている人、65歳以上の高齢者は特にワクチンが重要だと警告している。
一方、ニューヨーク州はインフルエンザの流行が過去最悪といわれる状態まで広がっており、クオモ同州知事は12日、公衆衛生非常事態宣言を発令した。同州ではこれまでにインフルエンザで幼児2人と高齢者10人が死亡している。今シーズンの感染者も1万9000人以上と、前シーズンの4400人から急増し、現在も2884人が入院中という。
クオモ知事はこうした事態に対処するため、薬剤師が18歳以下の子どもにワクチンを接種することを認可した。同州の薬剤師は従来、18歳以上の人にだけに接種することが許可されていたが、今後30日間はその範囲が生後6カ月以上に拡大される。
マサチューセッツ州ボストン保健当局も9日、インフルエンザの急拡大を受けて公衆衛生非常事態を宣言しており、他の州当局も事態を注視するとともに、住民にワクチン接種を呼び掛けている。
この記事で気になったのが、青字にした部分。
「薬剤師が予防接種を担当」しているとのこと。
特別資格のある看護師が接種を担当していることは以前から知っていましたが、薬剤師も動員されているのですね。
インフルエンザワクチンは短期間にたくさんの人に対して集中接種が必要なため、いくら工夫しても小児科医院だけではさばき切れないのが日本の現状です。
当院では毎年9月に予約を開始すると1週間以内に接種枠が埋まってしまい、かかりつけ患者さんの希望に添うことさえできずに悩みの種となっています。
日本の厚生労働省も接種対象者だけに目を奪われず、接種担当者のマンパワーもきちんと把握して足りなければ職種を拡大することも検討していただきたいものです。
もう一つ違和感を覚えたのが「抗インフルエンザ薬よりワクチン重視」というスタンス。
日本では流行が始まったら「症状が出たら早めに医療機関を受診しましょう」とアナウンスされるだけで「ワクチンを受けましょう」という声は聞こえてきませんね。
さて、職種拡大に関連して日頃から気になっていることを追加します。
何回か取りあげましたが、2012年4月に特定の感染症の出席停止期間(=隔離期間)の定義が一部変わりました。
例えば、
・インフルエンザ:発熱翌日から数えて5日間、あるいは解熱した翌日から数えて2日間(就学前の乳幼児は3日間)の長い方
・おたふくかぜ:耳下腺腫脹した日から5日間
等々。
この二つの感染症に関しては、症状の有無ではなく日数で決まっているのが特徴です。
言葉を換えると、医師の判断の介入の余地が乏しく、誰でも判断可能なことになります。
昨日もおたふくかぜの治癒確認の患者さんが来院しましたが、まだ腫れと痛みが残っているものの、腫れてから5日間以上経過しているため隔離解除となりました。
これだったら、学校の保健室の先生(養護教諭)が治癒確認を担当してもいいんじゃないかな、母親が子どもを医院へ連れてくる手間もなくなるし・・・と感じた次第です。
イギリスでは「スクール・ナース」と呼ばれる、日本では養護教諭に当たる職種の人が予防接種を担当しているそうです。
日本は「すべては医師の責任で」という意識が強すぎるような気がします。
■ インフルトレンド(アメリカ版) by Google
今シーズンの勢いは2009年の新型インフルエンザ(H1N1)流行時を大きく上回り、アメリカ全土が赤く炎上しています。
先日のボストンに引き続いてニューヨークでも緊急事態宣言が発令されました;
■ 米当局が全国民にインフル・ワクチン接種を呼び掛け NY州は非常事態宣言
(共同通信社 1月16日)
【ワシントンDPA=共同】米疾病対策センター(CDC)当局者は13日、米国各地でインフルエンザ・ウイルスが急速に拡大していると指摘、感染リスクの高い人だけでなく国民全員がワクチンの接種を受けるよう呼び掛けた。
CDCのウェブサイトによると、インフルエンザの広範な流行がみられるのは全米50州のうち47州と、前週の41州から拡大。生後6カ月以上の国民は例外なくワクチンを接種すべきだとし、幼児、妊婦のほか、ぜんそくや糖尿病などの既往症を抱えている人、65歳以上の高齢者は特にワクチンが重要だと警告している。
一方、ニューヨーク州はインフルエンザの流行が過去最悪といわれる状態まで広がっており、クオモ同州知事は12日、公衆衛生非常事態宣言を発令した。同州ではこれまでにインフルエンザで幼児2人と高齢者10人が死亡している。今シーズンの感染者も1万9000人以上と、前シーズンの4400人から急増し、現在も2884人が入院中という。
クオモ知事はこうした事態に対処するため、薬剤師が18歳以下の子どもにワクチンを接種することを認可した。同州の薬剤師は従来、18歳以上の人にだけに接種することが許可されていたが、今後30日間はその範囲が生後6カ月以上に拡大される。
マサチューセッツ州ボストン保健当局も9日、インフルエンザの急拡大を受けて公衆衛生非常事態を宣言しており、他の州当局も事態を注視するとともに、住民にワクチン接種を呼び掛けている。
この記事で気になったのが、青字にした部分。
「薬剤師が予防接種を担当」しているとのこと。
特別資格のある看護師が接種を担当していることは以前から知っていましたが、薬剤師も動員されているのですね。
インフルエンザワクチンは短期間にたくさんの人に対して集中接種が必要なため、いくら工夫しても小児科医院だけではさばき切れないのが日本の現状です。
当院では毎年9月に予約を開始すると1週間以内に接種枠が埋まってしまい、かかりつけ患者さんの希望に添うことさえできずに悩みの種となっています。
日本の厚生労働省も接種対象者だけに目を奪われず、接種担当者のマンパワーもきちんと把握して足りなければ職種を拡大することも検討していただきたいものです。
もう一つ違和感を覚えたのが「抗インフルエンザ薬よりワクチン重視」というスタンス。
日本では流行が始まったら「症状が出たら早めに医療機関を受診しましょう」とアナウンスされるだけで「ワクチンを受けましょう」という声は聞こえてきませんね。
さて、職種拡大に関連して日頃から気になっていることを追加します。
何回か取りあげましたが、2012年4月に特定の感染症の出席停止期間(=隔離期間)の定義が一部変わりました。
例えば、
・インフルエンザ:発熱翌日から数えて5日間、あるいは解熱した翌日から数えて2日間(就学前の乳幼児は3日間)の長い方
・おたふくかぜ:耳下腺腫脹した日から5日間
等々。
この二つの感染症に関しては、症状の有無ではなく日数で決まっているのが特徴です。
言葉を換えると、医師の判断の介入の余地が乏しく、誰でも判断可能なことになります。
昨日もおたふくかぜの治癒確認の患者さんが来院しましたが、まだ腫れと痛みが残っているものの、腫れてから5日間以上経過しているため隔離解除となりました。
これだったら、学校の保健室の先生(養護教諭)が治癒確認を担当してもいいんじゃないかな、母親が子どもを医院へ連れてくる手間もなくなるし・・・と感じた次第です。
イギリスでは「スクール・ナース」と呼ばれる、日本では養護教諭に当たる職種の人が予防接種を担当しているそうです。
日本は「すべては医師の責任で」という意識が強すぎるような気がします。