徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

平和の芽 温かい家族から ~谷川俊太郎(詩人)

2012年12月22日 21時45分17秒 | 日記
 2012年12月22日の朝日新聞18ページ「子どもの本棚」に谷川俊太郎さんの手記が掲載されています。
 副題として「戦争の種、誰にでも」という文言が気になり、読んでみました。
 フムフム、なるほどそうだよなあ、と感じた箇所を抜粋します;

 人間だれしも戦争に巻き込まれる種を持っていることに、気づかなければならないと思います。生まれつき動物には闘争本能やテリトリーがあり、自分と違う者を排除しようとする性質がある。人間はそれをコントロールできるはずなのに、力を持つと、力で制する方にもっていってしまう。戦争は決してなくならないと思います。

 もし平和ということを子どもに伝えたかったら、家庭内で平和を体感させたらいい。家族が楽しく過ごしていればいいけれど、父と母がケンカしていたら、子どもは嫌な気持ちになりますよね。それが戦争につながると思ったら、子どもも身近に感じられるのでは。父と母がお互いをコントロールしてうまくつきあうところが、子どもに伝わればいいと思います。

 戦争も世界情勢も遠い抽象的な出来事になりがちだから、できるだけ自分に引きつけて考えるべきではないでしょうか。戦争をなくせない性質は自分の中にも潜んでいるし、家庭は国家につながる小さな共同体だから。


 身につまされますが、真実ですよね。

 「他人を攻撃する」という点では「いじめ」も戦争の種と捉えることが可能でしょう。
 昨今、教育界で「いじめ」につながるとして子どもに順位をつけることに非常に敏感になっています。
 5段階評価だった成績表がよくわからない表現に変えられたり、運動会では純粋な徒競走や(一番盛り上がる)クラス対抗リレーがなくなったり・・・。

 これが正しい方向とは、私には思えません。
 グローバル化した現代社会においては、日本を出れば世界各国の人々との競争が待っているのです。
 負けてもへこたれない、打たれ強い人間を育てるべきではないでしょうか。

 人間は生まれてきたその時点で、すでに競争社会に勝ち抜いてきた事実を背負っていることを皆忘れています。
 なぜって、一回に射精される精子の数は億の単位ですが、卵子にたどり着いて受精するのはたった一つの選ばれた精子なのですから。それが私でありあなたです。
 これを認識せずに「争いのない平等な世界」などと宣うのは偽善だと思います。
 
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