徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

新型コロナワクチンが女性の生理に及ぼす影響は0.06%

2021年09月25日 08時45分02秒 | 小児科診療
「新型コロナワクチンで不妊になる」
という情報はデマであることが認知されるようになりましたが、
女性の生理が重くなると云う情報もあります。

実は当院スタッフの中に、
「新型コロナワクチン接種後、生理が重かったんです」
「1回目も2回目の時もそうだったので、きっとワクチンの影響だと思います」
「知り合いでも同じ様な症状の人がいました」
と訴えた女性がいます。

その時にネットで検索しても「影響は証明されていない」という内容しか見当たりませんでしたが、
その後もアンテナを張って検索を続けると、最近以下の記事が目に留まりました。
記事の中に、
「新型コロナワクチンを接種した英国の女性4700万人中3万人に生理の変化があった」
とあります。
3/4700=0.0006→ 0.06%(1万人に6人)
ということになりますね。

これが多いのか少ないのか・・・
他のワクチンと比較してどうなのか・・・
今後も検討を重ねて、正しい情報を発信していただきたいと思います。

ワクチンが生理に及ぼす影響、偽情報防ぐための調査を 専門家が指摘
2021/9/20:FORBES JAPAN)より抜粋;
 新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた女性の間で生理周期の乱れや不正出血を報告する多くの例があることについて、英国の専門家が、誤った情報が相次いで伝えられる問題に対応するためには、ワクチンと生理や妊娠に関する積極的な調査が必要だと主張している。
 インペリアル・カレッジ・ロンドンで講師を務めるビクトリア・メイル博士(生殖免疫学)は、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに発表した論文で、ワクチンが不妊につながることを示す「証拠はない」と指摘。・・・ 英国では新型コロナウイルスのワクチン接種を受けたおよそ4700万人の女性のうち3万人以上が、経血量の増加を含め、接種後に生理に変化があったことを報告している。 これについて博士は、そうした変化は一時的なものであり、「ワクチン接種が生殖能力に悪影響を与えるという証拠は示されていない」と強調。英国の医薬品規制当局による分析の結果も、悪影響を及ぼすような「関連性があるとの見方を支持するものではない」と述べている。 ただ、いずれにしても「影響」はあることから、「誤った主張」が若い女性たちのワクチン忌避につながる問題に対応するためには、調査が欠かせないとの見方だ。
 一方、ブリストル大学の上級講師、ジェマ・シャープ博士(分子疫学)は、「生物学的な観点から言って、ワクチンが免疫系に与える影響によって、一時的に生理周期に影響が及ぶ可能性はある」と話す。ただ、それは新型コロナウイルスのワクチンに限らず、「すべてのワクチン」に当てはまることだという。 生理周期は、ウイルス感染にも病気にも影響を受けることが知られている。シャープ博士は、新型コロナウイルスへの感染も、パンデミックが続くことに関連して受けているプレッシャーの多く(体重の変化やストレスなど)と同じように、生理に影響を与えていると説明する。 一時的な周期の変化は、ストレスや免疫系の混乱などに対する体の正常な反応の一部であり、そうした変化が、健康や生殖能力に対する長期的な影響を示唆している可能性があると疑う根拠はないという。 
 メイル博士によると、生理周期に起きた変化は、「ワクチンに含まれる特定の成分」ではなく、ワクチンの「接種」に対する免疫応答の結果である可能性が高い。これは、(子宮頸がんなどを予防するための)HPVワクチンをはじめ、その他のワクチンでも起きることだという。 
 米疾病対策センター(CDC)は、新型コロナウイルスのワクチンは、安全性も有効性も確認されており、妊娠中で未接種の人が重症化するリスクは高いことから、妊娠中の人、妊娠を希望している人の人いずれについても、また、授乳中の人に対しても、ワクチンの接種を奨励している。

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