徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

警戒続く“鳥”インフルエンザ

2014年12月11日 08時36分40秒 | 小児科診療
 ヒトのインフルエンザはA香港型(H3N2)中心に流行中ですが、今年は“鳥”インフルエンザも不穏な動きを見せています。
 究極の「新型インフルエンザ」に関係することなので、こちらからも目が離せません。

ここに注目! 「警戒続く 鳥インフルエンザ」
(2014年12月09日:読売新聞)
 全国各地の野鳥から鳥インフルエンザウイルスが見つかり、各自治体では、ニワトリなどに感染が広がらないか警戒を強めています。合瀬宏毅(おおせひろき)解説委員です。

Q.今年は野鳥からの鳥インフルエンザウイルスが見つかることが多いですね。
A.そうですね。ここ3年ほど野鳥から高病原性の鳥インフルエンザのウイルスの検出はなかったのですが、今年は先月以降、千葉や島根、鳥取、それに鹿児島の4カ所で、野鳥やその糞から「H5N8」ウイルスが見つかりました。
 我が国では2010年の冬から春にかけて、たくさんの野鳥から鳥インフルエンザのウイルスがみつかり、養鶏場だけではなく、動物園などにも感染が広がりました。
 今回、ウイルスの型は違いますが、状況は、4年前と極めてよく似ていて、養鶏業者などは警戒を強めているのです。

Q.なぜ今年はウイルスを持っている野鳥が多いのか?
A.中国や韓国との関連が疑われています。「H5N8」ウイルスを巡っては、特に韓国で今年前半に、200件を超える大規模な感染が発生し、アヒルを中心に1400万羽を処分する事態になりました。
 そのウイルスが、渡り鳥によって夏の営巣地であるシベリアに運ばれ、そこで感染を繰り返し、再び世界に分散した可能性が指摘されているのです(今年の冬はドイツやオランダ、イギリスなどヨーロッパでも「H5N8」ウイルスによる鳥インフルエンザが大発生している)。

Q.世界中で感染が拡大していると言うことでしょうか?
A.そうです。鳥インフルエンザウイルスは、野鳥とは共生関係にありますが、ニワトリには強い毒性があることが知られています。
環境省の調査によると、日本にはシベリアからを中心に毎年190万羽ちかいガンやカモが渡ってきます。こうした渡り鳥をニワトリなどに近づけないことが重要だと思います。

Q.ウイルスを根絶する国際的な取り組みはできないのか
A.国際機関が各地での発生状況を集め、それを各国に通知して注意を呼びかけてはいますが、対応はそれぞれの国に任さざるを得ません。であれば自分の身は自分で守るしかないのです。
 まずは野鳥をニワトリから遠ざけるとともに、感染をいち早く見つけて処分し、ウイルスを根絶する。養鶏農家にとっては緊迫した日々が続きそうです。


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鹿児島県のナベヅルから強毒性の鳥インフル検出(2014年12月10日:読売新聞)
鳥インフルは強毒性 千葉県がウイルス確認(2014年11月22日:東京新聞)
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