還暦過ぎの阿乱怒論

家庭菜園や工作好きの爺父が日々感じたことを綴る独り言

能登の人の親切に感激(能登半島灯台巡りの旅3日目)

2012-05-17 19:35:35 | 旅行
5月8日(火)
=旧福浦灯台= (0810-0840)
道の駅「ころ柿の里しか」から県道36号線を走り、約20分で旧福浦灯台の案内看板のある分かれ道に着く。

細い道なりにもう少し車で行けそうだったが、近くで畑作業をしている人に聞くと「みなこの辺に車を停めていくよ」とのことだったので、そこからカメラを抱えて歩く。
舗装された細い道を歩いて約15分で到着。

明治9年に建築された木造灯台としては日本最古の灯台である。
(たしか西宮の今津にも同じような灯台があったように思うが、西宮に住んでいた当時はそんなに灯台に興味がなかったので記憶が定かではない)
灯台の役割は昭和27年に新しい灯台に引き継がれ、ここは保存灯台となっている。


=福浦灯台= (0850-0910)
旧灯台への途中で新灯台が見える所があったが、案内板もなくてどこから入れるのかわからない。
旧灯台から出た所で出会った人に尋ねたら「案内してあげる」とのことでいろんな話を伺いながら歩いて行った。
定年まで山下新日本汽船で司厨長をされていたそうで、詫間出の次席通信士と仲がよかったんだとか、昔は船の賄い部は4~5人で船員の食事を作っていたが最後の頃は司厨長一人になったとか、私の知らない船乗りの話を興味深く聞いた。
もう少しいろんなお話を伺いたかったが、こんな時は目的地にすぐに着いてしまう。

入口には「腰巻地蔵」の案内がある、そこを少し入っていくと立派な灯台が腰巻地蔵のすぐ脇にあった。


後でわかった事だが、車を停める時に尋ねた老農夫はS君の親戚で、元大型船の船長をされていたとのこと。
さすがに日本海運が盛んだった頃、ほとんどの男性が船乗りだったという地区だ。

すぐ近くに高校の専攻科時代の同級生S君が住んでいる。
今回は行き当たりばったりの旅でいつ行けるかわからないし、事前に連絡して予定を縛ってしまうのも気の毒なのであえて連絡しなかった。
居なければ仕方がないが、せっかくなので居れば会っていこうと電話をしてみる。
ちょうど畑の草刈りをしているところだったが、すぐに飛んできてくれて2年ぶりの再会を果たせた。
お宅へお邪魔したあとS君夫婦に近くの観光地の案内を兼ねて半日付き合ってもらった。
お互いに奥さんとは初対面だったがまるで昔からの知り合いのように親しく過ごせて嬉しいひと時であった。

 巌門

 巌門の鷹ノ巣岩

 機具岩
あいにく曇天で鉛色の海の為、せっかくの奇景も印象がいまひとつだったのが残念。

道の駅「とぎ海街道」の近く「いさりび菊や」で昼食(すごく新鮮な魚を使った海鮮丼が美味しかった)後、二人とは別れて海士岬灯台へ向かう。
S夫人お薦めの道の駅「とぎ海街道」の男爵イモ入りのソフトクリームも美味しかった。
道の駅から階段を上がると「世界一長いベンチ(460m)」がある。
この道の駅に泊まるなら、このベンチでのんびりと正面の海に沈む夕日を眺めるのも一興だろう。


=海士岬灯台= (1430-1440)
地元のS君も「海士岬に灯台はない」と言っていたが、こちらは事前にネットで調べて確信していたので細い県道49号線を海士岬方面に向けて車を進める。
海士岬近くに来たが灯台の目印は何もない、ちょうど工事か作業をしていたであろうと思われる二人の男性に出会ったので道を尋ねた。
二人共ご存知ないようだった。
普通だったら「さあ、知らないなあ」で終わってしまうところだが、能登の人は違った。

ちょうど通りかかった地元と思われる車にも聞いてもらったが、やはりわからない。
そしたら二人して点在している近所の家や工場を聞き回って下さった。
気の毒なのでもう結構ですと断ろうとしていたら、遠くの方まで聞きに行っていた一人が「わかった!わかったぞ、もうちょっと先に西海水産の看板があるのでそこを左折したらすぐそこだ」と我が事のように嬉しそうな顔をして教えて下さった。

後にもいろいろ経験したが、能登の人はとにかく親切で本当に感激した。
将来もし能登が災害にあうようなことがあれば、老体に鞭打ってでも必ず力になりに来るぞと心を決めさせた出来事でした。



海士岬からヤセの断崖へ行く途中、県道49号線沿いにちょっと目を引く集落がある(赤崎あたり)。
このあたりは冬の日本海から吹く北風が強いので、北側に窓のない倉庫を建てその南側に住居が建っているということでした。


=ヤセの断崖・義経の舟隠し= (1500-1540)

松本清張の「ゼロの焦点」で有名なヤセの断崖
5年前の能登地震で先端が崩落し危険なので、肝心の柵から先へは行くことができない。


 義経の舟隠し
確かに小舟を隠すには好都合な地形だ。
しかし何でも観光資源にするものだと感心する。


=猿山岬灯台= (1630-1700)
奥能登最後の秘境と言われる猿山岬に立っている灯台を目指して、曲がりくねった山道を進んでいくと途中で通行止めになっている所に駐車場がある。
そこに車を停めて雪割草自生地と書かれているハイキング道を歩く。
灯台まであと600mの標識がある所まで来たが、まだ灯台は一山向こうに見える。

海面から200m以上の高さの所に立っている。
今にも雨が降りそうな天気で時間も遅いし、妻も不安がるので残念ながら望遠で写真に納めるだけにして引き返すことにする。

能登半島で一番立派に見える灯台だが今回は諦めざるを得なかった。


=道の駅「輪島」= (1740着)

廃線になったJRの輪島駅を利用した道の駅で、バスやタクシーの発着所にもなっている道の駅だ。
あいにく明日は第2水曜日で朝市は休み(第2、4水曜日が定休日)とのこと。
朝市の行われるあたりまで散歩したが、この時期にしては異様な寒さで長袖シャツとジャンバーを着用しても肌寒い。
車中泊車は他に2台のみ。