還暦過ぎの阿乱怒論

家庭菜園や工作好きの爺父が日々感じたことを綴る独り言

守りが大事

2011-01-30 20:11:00 | 日記
オフサイドの意味もよくわからないほどサッカーに関しては無知だけど、ワールドカップとか昨日(今朝)のアジア杯とかはTV観戦している。
サッカーは野球と違って一瞬で決まってしまうので、瞬時もTVから目が離せないので疲れる。
昨日の試合も「あーっ」と思わず目をつぶるような瞬間が何度もあったが、GK川島の活躍で事なきをえた。
ボクシングのように判定があったなら、明らかに判定負けのような試合だったが、延長戦後半で長友からのボールを途中出場の李が見事なボレーで決めて、何とか勝利できた。

朝刊には間に合わなかったようで優勝記事にはなってないが、明日の朝刊では李選手がヒーロー扱いだろう。
しかし本当のヒーローは間違いなくGKの川島だ。
川島の活躍がなかったら間違いなく2点は取られていた。
まさに守り勝ったという試合だった。


「攻撃は最大の防御なり」という言葉があるが、これは挑戦者(の姿勢)を鼓舞する言葉だろう。
チャンピオンは鉄壁の守備を目指すべきだと思う。

「イラ菅」「攻め菅」最近では「ア菅」と言われるどこかの首相に贈りたい言葉だ。

虚ろな表情でメモを見ながらの首脳会談や、「それに関しては疎いので」と無知をさらけ出す、しまったと思ったら後から言い訳をする・・・等々、自分の地位を守る事だけに執着しているように見えるが、少なくとも国を守ることだけは最低限、徹底してほしいものだ。



キャンピングカー製作記8

2011-01-29 16:49:04 | キャンピングカー
コーヒーホルダーの製作

マイキャンピングカーでの車中泊旅行も6回を数え、その都度不便なところの小改造を行ってます。
コーヒーセットもベッド下に収納してましたが、その度にベッドを上げて取り出すのが面倒なので、流し上に収納しいつでも簡単にインスタントコーヒーが飲めるようにしました。
(本格コーヒー用のミル等は相変わらず、ベッド下に収納したままですが・・・、余裕がある時にはミルで豆を挽いてゆったりとコーヒーを楽しみます。旅行中の小さな幸せを感じる至福のひと時です)



厚めの板で流し台の大きさに合わせて作ります。
底には掘り込みを作りましたが工具の都合であまり深くは掘れなかった。
天板と同じ物を作り底に張り合わせたほうが良かったかなと思ってます。


両サイドをビスナットで取り付けます。
後ろ側にはストッパーをつけて倒れ過ぎないようにします。


利用時はこんな感じです。


走行中は倒れないように、ストッパーを挟み込んで支えるようにしています。



畑の現状

2011-01-24 17:16:57 | 家庭菜園
やっと少し寒さが緩んだので2週間ぶりの畑に行ってきた。
まだところどころ雪が残っていて、心なしか野菜(春菊、ミズナ、玉ねぎ、大根、えんどう、イチゴ)も元気がない。


ネギの苗も一部浮き上がってしまっている。


ミズナもしおれて元気がない、雑草のみが元気している。
この雑草の根が土中深くまで伸びていて、土を柔らかくふかふかにしてくれる「ホトケノザ」


堆肥作り中の落葉を切り返して、乾燥気味だったので米糠と水をかけて踏み固めてきた。



冷凍25年の刑に処す

2011-01-23 16:37:41 | 日記
宇宙太陽光発電の実証実験が始まるそうだ。
宇宙では太陽光の強さが地上の2倍で、しかも雲にさえぎられることがないため、発電効率は地上の4~5倍になるらしい。
BSやCSでお馴染みの、地球から36000㎞離れた静止衛星軌道上で太陽光発電を行い、マイクロ波に変換して海上に設置した受信局で受信して電力に変換する。

40基打ち上げて原発1基分(約100万kw)の電力をまかなうことを目論んでいる。
これだけの電力をマイクロ波で伝送するとは、電子レンジ以上の強さの電波になるのではないだろうか。
受信局は海上に設置するようだが、衛星のアンテナの向きがほんのちょっとずれただけで人間がチンされてしまいそうだ。


かつて現役時代に刑務所に入ったことがあった(仕事でですよ!)が、受刑者と接触しないようにそれぞれの作業班に刑務官が付き添っていた。
その時に聞いた話だが、最近は外人の受刑者が増えてベッドを大きくしたり、イスラム教の受刑者は豚肉を食べないので別献立にしたりと苦労していた。
また不況のせいかどうか、受刑者が増え続けていて常に刑務所の拡張工事を行っているようだった。
全国で刑務所がいくつあるのかは知らないが、人件費も含めれば相当な経費を使っていることは間違いない。

そこで現在の「懲役○年の刑」というのを廃止して「冷凍○年の刑」というのを作ったらどうだろうか。
刑務官の人数も減らせるし、食費もいらない、刑務所の数も少なくてすむ。
刑期が満了したらチンしたらいい。

危険な宇宙発電よりもそっちのほうの研究をしたほうが有益だと思うがどうだろうか。



政治家は武士たれ

2011-01-20 21:39:16 | 日記
与謝野さんの入閣について批判が強いようだが、我々はどう評価すればいいのだろうか。
責められるべきは民主党であって、菅さんの変節を責めるべきであろう。
増税の前に徹底的に無駄を洗い出すと言って政権をとったのに、官僚の人件費はそのままにしておいて消費税を上げようなんて公約違反も甚だしい。

借金だらけの今の財政を考えれば、誰も負担が増えることについては反対ばかりもしておられない。。
ただし、それは総選挙前に民主党が言っていたように、徹底的に無駄を省き役人の人件費も2割削減した上でのことだ。
現状のままで安易に増税に走る菅内閣は一刻も早く民意を問うべきだ。

一方、野党も敵失を喜こび単なる票欲しさに政局に走ることなく、真剣に日本のことを考えて政策論争をしてもらいたい。
与野党とも増税の必要性については異論がないはずだ。
生活必需品は無税にする、○○については軽減税率にすべきだとかの具体的な議論をすべきだろう。

与謝野さんについては余命を考えて、自らの信念に従っての行動と信じたい。


かつて五稜郭の戦いで、榎本武揚は留学中に自らが書き写してオランダから持ち帰った「万国海律全書」が戦災でなくなってしまうのを恐れ、これからの日本には絶対に必要だからと敵の参謀・黒田清隆に送った。
黒田は感激し「弾丸や武器が不足しているなら、送ろうか」と言う。
しかし榎本は申し出を断り、幹部だけが責めを負い部下の責任は問わないことを条件に降伏する。
榎本の才能と人柄に感服した黒田は、頭を丸めてまで榎本の助命を嘆願し榎本を助けた。

伊藤博文についで第2代の総理大臣になった黒田は、以後も榎本を重用し、結局榎本は旧幕臣でありながら新政府の各大臣を歴任した。
敵であっても「今後の日本を思う気持ちは同じ」と榎本に武器を送ろうとしたり、その後も重用した黒田こそ本当の武士であったのだろう。
本当に日本の為になるなら、敵であっても有能な人材を登用するという姿勢を貫いた。

一方福澤諭吉は、旧幕臣でありながら新政府に登用された榎本や勝海舟を嫌って「二君に仕えるという武士にあるまじき行動」「やせ我慢を知らない男」と酷評している。

このように全ての物事は単純ではなく裏表があり、立ち位置によって評価が180度異なるものだ。

要するに、政治家はごまかすことなく自らの立ち位置をはっきりさせて、民意を問うべきなのだ。

同志を売るような首相は政治家以前に人間として最低だ。



植物も「類は友を呼ぶ」

2011-01-17 11:36:05 | 家庭菜園
この3日間は冷え込みが厳しく、今朝は当地でも(量は少ないが)積雪もあり、今週の畑作業は中止。



以前から家庭菜園をやっていて不思議に思っていたことがある。
それは栽培している作物とよく似た雑草が何故か付近に生えてくることである。
トウモロコシを作ればよく似たイネ科の雑草が、シソにはシソと瓜二つの雑草が生えてくる。
まるで雑草に知恵があって、抜かれるのを防ごうとしているかのように。

どうやらこの現象は植物のアレロパシー(他感作用)によるものらしい。

アレロパシーとは、特定の物質が、特定の植物の条件(開花期とか、生育初期とか)下で、特定の作用経路(根からの滲出、葉からの揮散、葉や残渣からの溶脱など)を経て、特定の環境条件(土壌構成要素、微生物などの生物的要素、光や養分・水分条件、気象条件など)下で、特定の生理作用(阻害、促進、あるいはなんらかの変化)を引き起こす現象を言うそうだ。

想像であるが、どうやら作物自身が他の雑草の生育を阻害するためのアレロパシーを出していて、他の雑草は生えにくいが同種の雑草に対しては作用しないために、このような現象が見られるのだろうと思っている。

動物と違って動くことの出来ない植物には、この他にも身を守るためにいろんなことをやっている。
こうやって植物の不思議さに興味が湧き、知的好奇心を刺激させられるのも家庭菜園の副産物である。

高校の同級生である「鬼井江」さんも、家庭菜園を楽しみながら「家庭菜園検定試験」受験に向けて勉強されているようで、肉体だけでなく頭も使うことによって、老化防止やボケ防止にも役立っていると思う。


ところで我が家では結婚したての頃は私のアレロパシーの方が強かった筈なのに、知らぬ間にじわじわと連れ合いのアレロパシーにやられてしまったようだ。
気づかぬうちに作用するとは、相手の方が高級なアレロパシーだったのだろう。
時すでに遅し、今では完全に相手の手の内にある。



大根の利用法

2011-01-15 21:30:15 | 家庭菜園
1.切干大根
今年は約4畝分の大根を作ったので、娘達やご近所へおすそ分けしてもまだたくさん残っている。
そこで切干大根を作ってみることにした。

100均で買ってきた皮むき器の刃を、ペンチでコの字型に細工した


大根の皮をむいてから上の改造皮むき器で細い棒状にします。
それを約10cmくらいの長さに切ってから天日干しにします(天気が悪ければ室内でエアコンやファンヒータででもできます)。
今頃だと2~3日で切干大根の出来上がりです。

これで大根1本分


2.大根葉の入浴剤
無農薬なので葉っぱもいろんなものに利用できます。(大根は無駄なところが一つもない)
葉っぱを風通しのよい日陰で吊るして乾燥させる。
乾燥したものを細かく刻んで布袋に入れて浴槽の湯に浮かべる。
血行促進効果があり冷え性などによいそうです。


3.大根茶
葉っぱを3日間ほど天日干しする。
水1ℓに乾燥した葉っぱ30gぐらいを入れて沸騰させ、そのまま中火で5分位煮出す。
茶こしでこして飲む。
便秘や肌荒れによいそうです。(女性におすすめかな)


大根役者とか大根足とかあまりいい例えには使われない大根ですが、我々には本当に無駄のない有難い野菜です。
それに大根役者の語源になったように、大根は少々古くなっても何ともないのも嬉しいところです。
(大根はどんなに古いのを食べても当たらない(=中毒にならない)ので役者にとっては禁句だそうです)



これはおまけ
玉ねぎ茶
同僚に教えられるまで知らなかったのですが、玉ねぎの外側の茶色い皮を使って玉ねぎ茶が作れるそうです。
玉ねぎ2~3個分の茶色い皮を(土で汚れていれば水洗い→乾燥後)水500mlの中に入れて沸騰させる。
沸騰したら中火で3分位煮出し、茶こしでこして飲む。
飲みにくければ蜂蜜か砂糖等で甘味をつけると飲みやすいようです。
血管の酸化を防ぎ、降圧効果があるので、高血圧の人にはお茶がわりに飲むといいそうです。




ブログの輪

2011-01-14 20:51:44 | 日記
柏獅子さんのお知り合いのOIDON100さんからコメントを頂いたのをきっかけに、OIDON100さんのブログ「百名山を目指す男(oidon100)」を拝見した。
ブログ名のとおり百名山征服まであと12と頑張っておられるようです。
こうやって全く未知の人と交流ができるのもネットブログの嬉しいところです。

その他では(一方的に見ているだけだけど)京都にお住まいの「還暦男の恐妻日記」さんや山口県にお住まいの「世の中、ちょっとやぶにらみ」さんのブログを楽しみに拝見している。
お二人共、同年代かやや先輩といったところだが、書かれる文章にお人柄がにじみ出ていて、自分もこういう文章を書きたいと常々思っている。
お互いに全く知らない間柄だが、毎日見ているとなんだかとても身近に感じられて友人が増えたようにほのぼのとした気持ちになる。

こうやってネット上での交流ができるのも、私的な日記ではなくブログを始めた動機なので、交流がどんどん広がっていくのが楽しみである。

見知らぬ方からの突然のコメントは本当に嬉しいものです。



「桜庭ななみ」ちゃん

2011-01-11 20:01:58 | 日記
映画「最後の忠臣蔵」を見るまでは名前も知らなかった女の子だが、映画を見て一発で魅了されてしまった。
スクリーン上で見せる品とちょっと気が強く見える横顔は八千草薫の再来ではないかと思うぐらい、品のある姫役が似合っていた。

映画の公式HPにオーディションから役作りの過程の映像がUPされているが、素顔は女学生然とした「美少女」という言葉そのままの可愛い女の子だ。

願わくばこのまま芸能界の垢にまみえることなく(少なくともファンにはそう見えるように)、八千草薫や吉永小百合のように清純派女優として大きく育ってほしい。

妻も「桜庭ななみ」扮する「可音」を見たいので、もう一度映画を見に行きたいと言っている。


オジサンも応援してるゾ!

映画「最後の忠臣蔵」

2011-01-09 23:04:39 | 日記
先週の「ノルウェイの森」に続いて、今日は映画「最後の忠臣蔵」を見てきた。
(夫婦50割なので映画も気楽に見られる)

物語は討ち入りには参加したが切腹せずに83才まで生き延びた「寺坂吉右衛門」と、討ち入り日決定後に逐電した侍5人のうちの一人「瀬尾孫左衛門」を中心に、討ち入りの16年後を描いた作品である。

討ち入り時に伝令役として一部始終を見てきた寺坂吉右衛門(佐藤浩市)は、大石内蔵助から「生き延びて、討ち入りの真実を赤穂の遺族たちに伝え、彼らの生活を助ける」という役目を言いつけられ、全国に散らばって苦労している人々を訪ね歩く。

一方、命惜しさに直前に逃げたと言われている瀬尾孫左衛門(役所広司)は、出産を控えている大石内蔵助の妾「お軽(映画ではお可留)」とその子供「可音(桜庭ななみ)」を公儀から守り、育て上げる役目を大石から命じられていたのだ。

二人共、武士でありながら「名誉ある死」を許されず、特に孫左衛門は卑怯者とののしられつつ主君の使命を守り可音を育てることに専念、16年後に可音を嫁がせる。

自分の気持ちを抑え、忠義を至上の命題とする武士を役所広司が見事に演じていた。

婚礼の宴を途中で抜け出し、逐電する時に内蔵助から「いざという時に大石家の家臣である証にせよと渡された内蔵助のカミシモを身につけ位牌の前で・・・・。
最後に孫左衛門の脳裏に可音の成長する姿が次々に浮かんでくるシーンは涙なしには見れない。

真っ青な竹林や紅葉に染まる林道、ススキの原での切りあい・・・等の美しい映像や、たてまえを重んじ無言で凛とした武士の生きざま、可音やゆう(安田成美)の奥深い思い・・・・。

やはり日本人監督ならではの作品である、満足できる映画だった。

桜庭ななみが上級武士の娘役にぴったりで、役所広司とこの二人がこの映画の成功の一因であろう。



欲望のおもむくままに勝手気ままに生きている現代人。
「武士でござる」と「ゆう」の誘惑を退ける孫左衛門。

誘惑に弱い自分にはできないけど、格好いいなあ。



孫左衛門の話はフィクションだろうが、討ち入りに参加しなかったり、途中で逐電した武士の中には、人には言えないそれぞれの重い事情を抱えた者もいたことであろう。
思想的転向やその他の諸々の変節についての評価が定まっている者についても、同様にレッテル的な評価で決めつけてしまわないのがいいのかも知れないと感じた映画であった。



大根の保存方法

2011-01-08 18:25:37 | 家庭菜園
今年初めて畑へ行った、まだ雪が残っている。



年末から冷え込んだせいで、大根の地上部は凍てついて「ス入り」になっているかも知れない。
ちょっと時期を失したかも知れないが、残りの大根をあらかた抜いて土の中へ埋めてきた。


抜いたあとを掘り起こして籾殻を入れ、若葉以外の葉を切り落とした大根を埋める



大根の上にも籾殻をかぶせ、その上に土をかぶせる。
これで新鮮なまま春まで保存ができます。50本位保存しました。あと畑に20本位。


今日も農作業は大根の処理と玉ねぎに油カスを施したのみで、あとは又焚き火。
残った火を火鉢に入れて暖をとる。昔懐かしい光景。
電気や灯油の暖房と違って、結構火力が強い。





通勤車内模様

2011-01-06 19:43:05 | 日記
いつ頃からだろうか、電車内で読書をしている若い人をあまり見なくなったのは。
最近ではたまに若い女性が文庫本を読んでいるのを見るくらいで、若い男性が読書をしている姿はほとんどお目にかかれない。
もっぱら携帯電話や携帯ゲーム機ででメールやネット、ゲームをしている姿が多い。

中には座ったとたんからずーっと化粧を続けている女性までいる。
なんだか「美女に化けた尻尾の出ている狐」を見ているようで、あまり気持ちのいいものではない。
化かすなら最初からずっときれいに化かしてほしいものだ。

そうかと思えば、いい年をしたサラリーマンがお菓子をぱくついているのを見ることもある。
なんだかこちらまで気恥ずかしくなってくる。

先日も帰りの電車で対面に座っている若い男女4人、疲れたのか眠りこけっている女性が一人、携帯メールに夢中になっている女性一人、あとの二人の男性は携帯ゲーム機でゲームに熱中している。
途中で80台後半と思しき老人が乗ってきてその前に立ったが、ゲームに熱中していて気がつかないのか、それとも気がつかないふりをしているのかわからないが、誰も席を譲ろうともしない。

何となく死んだ父親に雰囲気が似ていたので反対側から立ち上がって席をゆずったが、それでも前の4人は全く気がつかないようだ。

外国人に「携帯を持った猿」と揶揄される日本人だが、携帯電話やゲームが人間を劣化させる道具にもなっているのかも知れない。


車窓に映った頭髪の薄くなった自分の顔が、心なしか若く見えた。・・・かな?


映画「ノルウェイの森」

2011-01-04 20:47:11 | 日記
遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。

新しい年の初めにあたって心新たに何かを誓うというようなことは、随分昔に忘れてしまったような気がする。
最近は年末にその年を振り返り、「これは今年の出来事だったのか、これも今年のことだったのか・・・」と随分昔のことのように感じ、時間経過の速さに加齢を意識することのほうが多くなってきた。
万人が自覚する「年をとると時間が経つのが速い」という感覚は、加齢と共に「無意識の時間」が多くなるからという説がある。
せめてこれからは、できるだけ「意識的な生活」を心がけ、残り少ない時間をゆったりと有意義に過ごしたいものだ。

という訳で、元日は初詣のあと、村上春樹の同名の小説を初めて映画化したという触れ込みと、昨秋訪れた砥峰高原がどういう風に映像化されているのかを見たくて映画「ノルウェイの森」を見に行ってきた。
原作は読んでないのでよくわからないが、映画単品として見た場合は期待外れのひと言。

ただ描かれている時代(1969年頃)が私の青春期と重なり、出演者の髪型やファッション、ビリヤードやレコード店の雰囲気が妙に懐かしかった。

それと原作の「十八年という歳月が過ぎ去ってしまった今でも、僕はあの草原の風景をはっきりと思いだすことができる。何日かつづいたやわらかな雨に夏のあいだのほこりをすっかり洗い流された山肌は深く鮮かな青みをたたえ、十月の風はすすきの穂をあちこちで揺らせ、細長い雲が凍りつくような青い天頂にぴたりとはりついていた。空は高く、じっと見ていると目が痛くなるほどだった。風は草原をわたり、彼女の髪をかすかに揺らせて雑木林に抜けていった。梢の葉がさらさらと音を立て、遠くの方で犬の鳴く声が聞こえた。まるで別の世界の入口から聞こえてくるような小さくかすんだ鳴き声だった。その他にはどんな物音もなかった。どんな物音も我々の耳には届かなかった。」(映画の公式HPより)という情景は「砥峰高原」にぴったりだった。
ロケ地の選定という点では成功だろうと思う。

また親友や恋人に自殺された人間の喪失感というか、残された者の生き様についてはよく表現されていると思った。
映画を見ながら大江健三郎の「人生の親戚」(事故で半身不随になった兄と、その車椅子を押し一緒に崖下へ飛び込んで自殺した知恵遅れの弟、の兄弟を失った母親・まりえさんのその後の生き様を感情におぼれることなくたんたんと描いた小説)を思い出していた。

ただレイコさんと主人公のワタナベのセックスシーンは唐突で意味がわからなかった。
その他にも同様に唐突感をぬぐえないシーンが多く、よくわからない映画だった。
見終わったあとに残るものの少ない映画だ。

原作を読んでみれば、小説に描かれた心象風景がどの程度上手く映像化されているのかがわかるのかも知れない。
とりあえず原作を一度読んでみようかな・・・