還暦過ぎの阿乱怒論

家庭菜園や工作好きの爺父が日々感じたことを綴る独り言

義母の居た2週間

2011-11-14 20:33:43 | 日記
今日、2週間余りの入院で義父が退院した。
昔だったら助からなかったかも知れない心筋梗塞だが現代医学のおかげで一命をとりとめることができた。

その間アルツハイマーを患っている義母との生活を体験した。
普通に会話していると普段と何ら変わらないのだが、直前の記憶が全く残らないようで同じ事を何回も聞いてくる。

また漠然とした不安感が強いようで、ちょっと妻の姿が見えないと
「○○はどこへ行ったん?」
「ちょっと娘の所へ行ってるの」
「ふーん、遠い所?」
「いいや、すごそこ」
「あー、そう」

2~3分後
「○○はどないしたん?」
「娘の所へ行ってるって言ったやん」
「あー、そうか」
「で、遠いのん?」
「いいや、すごそこやで」
「ふーん、はよ帰ってきたらいいのにな」

また数分後
「こんなに暗うなっとるのに○○はどこへ行ったん?」
「近所の娘の所! すぐに帰ってくるで」
「娘って誰や?」

万事がこんな調子で次第に相手になるのが嫌になってくることもある。
常に何かをしゃべっていないと不安になるようで、こちらがTVを見ていようが、本を読んでいようがおかまいなしに何回も同じ事を繰り返し聞いてくる。

ボケの進行を遅らせるためには、できるだけ正常な時間が長くなるように、上手く対応しなければならないのはわかっているのだが、やはり限度がある。
他人である私は嫌になったら相手にしないこともできるが、子供である妻はそうもいかないのでイライラしてついきつく対応しがちになる。
「おー恐、えらい怒って言われて・・・」
「あー何でこんなんになってしもうたんやろ、情けない、私らみたいな者は早う死んだらいいのにな」
と言ってふて寝をするが、またすぐに
「主人はどこの病院に入ってるん? どこが悪いんや?」
「○○の病院、心臓が悪かったんや」
「○○の病院か、そうか一回見舞いに行かなあかんな」
「一昨日行ったやんか」
「そうか、行ったんか」

私は日中仕事に行っているからまだいいが、妻は四六時中相手をしているから相当こたえたようだ。
実の親だけに情けなさが入り混じってつい感情的になってばかり。

少しでも頭を使ったほうが進行が遅くなるだろうと、娘が手取り足取り日記を書くように勧めたら、ここ数日頑張って書いているようだった。
その日の出来事を小学生のような文章で書いていたが、最後に「なんでこんなになってしもうたんやろ! 昔の私に戻りたい」と書いてあって思わず涙が出そうになった。


そんな義母も、今日妻の妹が迎えに来てくれて妻ともども実家に帰っていった。
ホッとしたのと同時に二週間も一緒にいたのでちょっとした寂しさも感じている。