「青空フリーパス」
今回、この切符を街道ランでは初めて使う。
土日祝日限定で、2,500円で指定区間内乗り放題の人気のフリー切符だね。
単純に、片道1,250円以上のところなら、往復するだけで元が取れることになる。
指定区間は時刻表にも案内があるし、券面にも表示されているが、関西本線はまさに亀山駅までが指定区間となっている。(ちなみに大高~亀山間の片道普通運賃は1,280円)
青春18切符と比較されがちだが、指定区間内であれば、青春18切符よりも使い勝手が良く、コスモタイガーも過去に何度か利用している。
青春18切符
①発売は5枚単位で、11,500円。余っても払戻しは出来ない。
(1枚当たり2,300円。ただし、金券ショップ等で1枚あたり3,000円前後でバラ売りしていることもある。)
②利用は全国のJRの普通列車のみ。(特急・急行列車は原則利用不可)
③利用期間が限定(夏版は毎年7/20~9/10)
④自動改札不可(改札脇の駅員さんに提示する必要あり)
青空フリー
①発売は1枚単位(2,500円)で、自動券売機で容易に購入可能。
②利用は指定エリアのJR普通列車の他、第3セクターの伊勢鉄道も利用可能。
さらに、特急券(または急行券)を追加購入すれば、特急(急行)も利用可能。(ただし新幹線は不可)
③土日祝及び年末年始のみ利用可能だが、通年利用可能。
④自動改札利用可。
主な違いはこんなところか?
1枚あたりの額面だけを比較すれば、青春18切符の方が安いけれど、以下、実例で説明してみる。
例えば伊勢志摩方面に旅するとして、「快速みえ」(名古屋~鳥羽間:途中、伊勢鉄道線を通過)に乗ると、青空フリーなら何の問題もなく乗車できるが、青春18の場合、伊勢鉄道は利用不可だから、伊勢鉄道内の運賃490円を追徴される。
また、特急利用の扱いも違う。
例えば中央本線を旅行中、中津川から名古屋まで急に「ワイドビューしなの」を利用することになったとして、青空フリーなら特急券1,150円(自由席の場合)のみ追加すれば乗車できるが、18切符だと切符の効力自体無効なため、特急券+乗車券(1,150円+1,280円=2,430円)を購入する必要がある。
この2つの事例は間違いが多いらしく、特に注意が必要だ。
(実際、快速みえ号で追徴請求され、面喰っている旅行者を目撃したこともある。)
まぁ、東海地区内の利用で、気軽な日帰旅行であれば、青空フリーの方が断然おススメだ。
特急も追加料金のみで利用できるため、旅程に幅を持たせられる。
そもそも18切符は5枚セットだからね、あとの4枚、使い切れなかったら勿体ないしね。
おっとっと、マニアックな話が長くなってしまった。
旧東海道に話を戻さんとね。
大高駅に車を置き、青空フリーパスを購入。
JRと三重交通バスを乗継、現地(伊勢坂下バス停)に到着したのは13時近く。
街道ランとしては遅いスタート時間だけど、前回記述した通り、亀山駅~伊勢坂下間のバスは1日5便しかないからね、もっとも適当な便となるとこの時間しかないわけさ。
しかもここがバスの終点。
ここから先、鈴鹿峠を越える公共交通機関は皆無だからね。
自分の足しかない。
前回、雨のため、あまりゆっくり眺められなかった坂下宿、もう一度周辺を散策し、梅屋本陣跡などの写真も撮る。
さぁ、鈴鹿峠に向かって、本日のトレーニング開始!!
真っ直ぐ静かな道を進む。
やがて右に入る山道があり、案内板がある。
「東海自然歩道」。
こちらは東京の高尾山から大阪の箕面国定公園を結ぶ、旧環境庁が整備したハイキングコースで、こちらもいつか制覇したいとは思うものの、東海道とは関係ない。
だからここはそのまま直進。
しばらく国1に沿って走ると、右斜め前方に激しく登っていく道が分岐する。
これが東海道。
ひたすら駈け上がると、片山神社に出る。
欝蒼とした雰囲気で、人の気配は全くない。
さぁ、いよいよここからやね。
ここから先は、gooやゼンリンの地図でも確認できない、完全なるクロカン道だ。
一応要所要所に道標は整備されているから、見落とさないように注意しながら走れば問題はないけれど、あらかじめガイドブック等でリサーチしておいた方が無難ではある。
起伏あり、階段あり、汗だくになってハードなクロカン走だ。
資料によれば途中に一里塚があるらしいが、周りは山の中、木だらけで、何が何だかわからない。
途中、東海道から少し離れるが、道標に従い、「鏡岩」に寄ってみる。
木々の隙間らしきところに「鏡岩」があり、そこからは唯一周囲を見渡せる。
曇っているとは云え、素晴らしい景色が広がっていた。(写真)
「ここまで登ってきたんだ」と実感できる。
再び東海道に戻り、しばらくクロカンは続く。
10分ほどで、道は平坦になり、視界も開けてくると、大きな案内板が見えてきた。
すぐそば石柱もあり、「左三重県 伊勢の国 右滋賀県 近江の国」と書いてある。
ついに到着!
ここが鈴鹿峠の頂上、そして伊勢と近江の旧国境。
こうして三重県も制覇し、いよいよ関西圏、滋賀県に足を踏み入れたコスモタイガー、さらに足は西へと向かっている。
(後編へ続く)