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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

西本智実の「革命」

2010-01-26 00:50:56 | 音楽・映画
ショスタコーヴィチ 交響曲第5番 ニ短調「革命」

指揮:西本智実
演奏:ロシア・ボリショイ交響楽団 ”ミレニウム”

何はともあれ驚いた。まずはこの一言。指揮者の仕事は延べ100人の野郎ども、百戦錬磨の猛者たちに指示を与え思うように操ること。さて弱冠33才の女性にこの仕事がどこまでできるのか?

まあお手並み拝見と高を括っていたが、西本智実、恐るべし!曲が始まるやいなやガチンと強烈なパンチを食らった。さぞかし線も細かろうという予測も見事に外れ、実に無骨な音が出現した。足取りもしっかりしており盤石の構え。特に管楽器がよく鳴るのだが、ただうるさいだけではない。管弦共にでかい音は限りなくでかく、小さい音は消え入るように小さくともしっかりと存在している。さすがにロストロポーヴィチなどと比べると底が浅く思えるが、西本智実はこの曲をずいぶん勉強しただろうことが覗えるし、バーンスタインやロストロポーヴィチなども研究したのだろう、西本智実はこの曲の心を掴んでいる。やや荒削りではあるが、全体に実にバランスのいい聴き応え十分な名演奏だと思う。

さらに、カップリングされているチャイコフスキーの「序曲1812年」がまた良い演奏に仕上がっている。ショスタコーヴィチ同様、オーソドックスだか堂々として味わい深い。好きな曲なので、スヴェトラーノフ、カラヤン、ドラティ、デュトワ、オーマンディ等々、色々な指揮者の演奏を聴いたが、個人的には一番好きなスヴェトラーノフと双璧。「革命」も「1812年」も何度も聴きたくなる、多からぬコレクションの一つに加わった。

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