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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

大手品師か大嘘つきか

2011-02-04 21:53:45 | Web News
週刊文春 2011/2/10号は 「小沢流手品のほんの一部」 と小見出しを付けて、次のような記事を載せている。

(以下)
カネの疑惑が浮上しては潔白を主張する。これまで白黒つかなかったのには理由がある。
「小沢氏には絶対違法行為はありません。仕掛けをつくっているからです」と言うのは、小沢氏の元側近と元後援会幹部だ。金脈づくりの手の内を知る彼らから、小誌は数回にわけて証言を得てきた。その一部を紹介しよう。

「公共事業の発注者が岩手県だとします。県に対して、“工事の情報を出せ”と言えば、口利きのための圧力や情報収集と問題視される。そこで、県が勝手に小沢氏サイドに情報を伝える仕組みを作ればいいのです。例えば、小沢氏側は事前に工事の設計事務所から、おおまかな情報収集だけをしておく。そして、小沢派の県議に“どこそこの工事には問題があるから調べておけ”と命じます。その県議は、県庁の職員に対して、“親分が何か問題があるんじゃないかと言っていたぞ”と一言いうんです」

すると、県庁側は驚いて、小沢事務所にすっ飛んでいき、勝手に工事情報を一方的に喋る。そうして工事の全容がわかると、今度は小沢事務所側が業者に情報を渡すというカラクリだ。

「業者は感謝して手数料を出す。力ある政治家としての立場を利用した手口です。巧妙なのは、自らは何もしないこと」(同前)

だから、小沢氏は側近たちに口を酸っぱくしてこう命じたという「口利きは絶対にするな」。正論だが、手数料は迂回して流れ込む。

「業者Aが“小沢先生には工事でお世話になったから、手土産をもっていきたい”と言っても、小沢氏側は“いやいや、いらないから”と必ず言います。そして“うちには何も持ってこなくてもいいから、経営が大変なBさんに都合をつけてやってくれ”と言う。そして業者Bに電話して、「あとでAさんがそちらに五千万円もっていくから“と伝える。BはAから金と仕事をもらう。表面上、小沢氏とは何の関係もないBが、小沢氏側にその金を渡すため、贈収賄にはならない。マネーロンダリングの一種です」(同前)

昨年四月、小誌は迂回したカネを小沢氏の事務所に運んでいた業者Bにあたる元経営者からも裏付けの証言を得た。また、カネを吸い上げるシステムは、岩手県内だけではない。

「ずいぶん昔に使った手口がある。それは沖縄県とか石川県など、小沢氏とは何の関係もない土地に、政治団体をつくる。小沢一郎の名前は一切表に出ない。政治献金を集めるためだけの政治団体です。ここに工事の三%の手数料を献金させていた。こうしたダミー団体から小沢氏の団体に寄付させる。これはのちに西松建設が作ったダミー団体のように、献金を洗浄するためです」(同前)

献金の仕組みを証言してくれた元後援会幹部は、「これは小沢流手品の一部。まだまだいろんな手を考えていた」と言う。元側近も、「弁護士にも相談しながらやっているから、絶対に逮捕されないカネ集めだった」と述懐する。

「多額の政治資金の流れは複雑で、奇異なものに見える。だからこそ検審が“起訴相当”としたわけです」(別の検察担当記者)

小沢氏が示す自信――。
それは小沢氏が潔白であるという証拠には、決してならないのである。
(以上)

さて週刊文春さん、自信に満ちてお書きになられたようですが、正直なところブッ飛びました。
小沢さんは手品師という主張。手品は、実は有るものを無いように見せる技ですね。もし、その実は有るものが裏金だったら、小沢さんは手品師であると同時に詐欺師でもあります。とするなら、小沢さんは当然にも犯罪者です。そして、その手品の仕掛けを、東京地検特捜部は見破ることができなかったけれども、我ら週刊文春の取材班はみごと解明し、見破った、小沢は犯罪者だと断定する、とまあこう言っておられるわけですね。ホントですか?

まず、このように断定する証拠は、小沢氏の元側近と元後援会幹部と元経営者B、この3者の証言ですね。証言は証拠になり得るでしょうか。“小沢氏の自信が潔白の証拠にはならない”くらいに危くないですか。証言および証言の内容が事実であることの証明が欠如していると思います。試みに、この証言を事実と仮定してみましょう。そうすると、小沢サイドが受取ったカネは、業者が感謝して渡した手数料と、Bを経由して渡したAの手土産(\5000万)と、ダミー団体を経由して手に入る工事の3%の手数料、この3点ですね。記事によると最初の手数料は、小沢側が流した情報に感謝した業者による謝礼だから、これはタネも仕掛けもなく、もろ賄賂ですよね。この時点でこの記事は破綻していますよ。まあよしとして、次の手土産が実は賄賂だが見かけ上献金に見えるので、献金として帳簿に入金処理されているということですね。ここでまた最初に戻りますが、東京地検特捜部がこの仕掛けを見破ることができず、週刊文春に見破ることができたということは、特捜がなぜ騙されたかということも、文春は見破っていることになりますね。その説明がありません。元後援会幹部の人が特捜には証言しなかったが、文春には証言したということでしょうか。次のダミー団体を経由した工事の3%の手数料の記述は、西松建設が作ったダミー団体に言及していますが、西松建設の件は、ダミー団体ではなかったことが、すでに立証されていますよ。知りませんか?そして最後に、これも致命的なのは「多額の政治資金の流れは複雑で、奇異なものに見える。だからこそ検審が“起訴相当”としたわけです」という記述です。第5検察審査会が小沢氏を“起訴相当”とした理由、事情をまったく理解しておられません。私のような凡人にもこれくらいのことは見えるのです。文春さんはスペシャリストですよね。週刊文春がこの記事をもって、小沢は詐欺師だ!と断定されるのは、個人的にはいっこうに構いません。しかし私はこの記事をもって、週刊文春は大嘘つきだ!と断定します。

*「西松建設」のリンクはnoriyuki様のブログです

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